ガラス交換にかかる費用の相場は?ケース別比較
窓ガラスが割れてしまった、断熱性能を上げたい、プライバシーを確保したいなど、ガラス交換を検討している方は少なくないでしょう。
ガラス交換の費用は、選ぶガラスの種類やサイズによって大きく異なります。
この記事では、ガラスの種類やサイズ別に費用相場を詳しく解説し、交換時に押さえておきたいポイントまでわかりやすくまとめました。
これからガラス交換を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| 透明ガラス | 30,000円~90,000円 | • 費用が最も安い • 急な破損時の応急交換に最適 • 採光性に優れ即日対応可能なケースも多い |
• 断熱性や防犯性の改善効果は期待できない • 結露対策や冷暖房効率向上には不向き • 割れた際に破片が飛散しやすい |
| 型板ガラス | 40,000円~100,000円 | • 視線を遮りながら光を通せる • 浴室やトイレで目隠し効果を発揮 • 凹凸加工で汚れが落としやすい |
• 防犯性能は透明ガラスと同等 • 防犯性向上にはフィルム併用が必要 • 設置の向きで目隠し効果に差が出る |
| 網入りガラス | 50,000円~110,000円 | • 火災時にガラス片の飛散を防止 • 集合住宅や防火地域に最適 • 防火設備として法的に認められている |
• 重量がありサッシへの負担が大きい • 温度差でヒビが入ることがある • ワイヤー部分が錆びることも |
| ペアガラス | 80,000円~150,000円 | • 冷暖房効率を大幅に向上 • 結露対策にも有効 • 補助金対象になるケースも多い |
• 厚みがあり既存サッシに収まらないことも • 古いアルミサッシは対応できない場合も • 交換前にサッシ適合性の確認が必要 |
ガラス交換の費用相場とケース別価格例
ガラス交換にかかる費用相場は、一般的に20,000円〜150,000円前後が目安となります。
ただし、この金額はガラスの種類・大きさ・枠交換の有無によって変動します。
ガラスは基本的に「大きさ × 種類」で価格が決まる*のが特徴です。
同じ種類のガラスでも、サイズが大きくなれば当然費用は上がりますし、同じサイズでも高機能なガラスを選べば当然その分費用がかさみます。
目安となるサイズ別の価格帯は以下の通りです。
- 90×90cmの小窓(腰窓サイズ):30,000円〜60,000円前後
- 180×90cmの掃き出し窓(ベランダ用):60,000円〜120,000円前後
また、ガラスの種類による費用の傾向として、透明ガラス → 型板ガラス → 網入りガラス → ペアガラスの順に費用が上がっていきます。
透明ガラスが最もリーズナブルで、断熱性能の高いペアガラスになると費用は高額になりますが、その分省エネ効果や快適性の向上が期待できます。
透明ガラス(単板)に交換するケース
透明ガラス(フロートガラス)は、住宅で最も一般的に使用されている単板ガラスです。
透明度が高く光をしっかり取り込めるため、明るい空間づくりに適しています。
外観のスッキリさを保ちながらコストを抑えたい場合や、窓が割れてしまった際の応急交換・破損復旧目的で選ばれることが多いガラスです。
流通量が多いため在庫を持っている業者も多く、即日対応してもらえるケースも珍しくありません。
費用の目安は以下の通りです。
- 90×90cmサイズ:30,000円〜40,000円前後
- 180×90cmサイズ:60,000円〜90,000円前後
透明ガラス交換のメリットと注意点
メリット
- 費用が全てのガラスの中で最も安く抑えられる
- 急な破損時の応急交換や修繕に最適
- 採光性に優れ、リビングや居室など明るさを重視したい場所に向いている
- 流通量が多く即日対応可能な業者が多い
注意点
- 断熱性や防犯性の改善効果は期待できない
- 結露対策や冷暖房効率の向上を目的とする場合は複層ガラスや防犯ガラスを検討すべき
- 割れた際には鋭利な破片が飛散しやすいため怪我に注意が必要
型板ガラス(すりガラス)に交換するケース
型板ガラスは、ガラスの片面に凹凸模様が施されているガラスです。
光はしっかり通しながらも視線を遮ることができるため、浴室・トイレ・洗面所・玄関など、プライバシーを確保しつつ採光も取り入れたい場所での交換に適しています。
すりガラスと呼ばれることもありますが、厳密には加工方法が異なります。
型板ガラスは表面が凹凸加工されているため汚れが付着しても落としやすく、水回りでの使用に向いています。
費用の目安は以下の通りです。
- 90×90cmサイズ:40,000円〜60,000円前後
- 180×90cmサイズ:70,000円〜100,000円前後
型板ガラス交換のメリットと注意点
メリット
- 視線を遮りながら光を通すためプライバシーを守れる
- 浴室やトイレなど人目が気になる場所でも目隠し効果が得られる
- 表面が凹凸しているため汚れが付着しても落としやすい
- 機能に対し価格が手頃でコストパフォーマンスに優れている
注意点
- 防犯性能は透明ガラスと同等でガラスを強化する効果や侵入防止効果はない
- 防犯性を高めたい場合は防犯フィルムの併用や防犯ガラスへの交換を検討する必要がある
- 設置の向きによっては目隠し効果が十分に得られない
網入りガラスに交換するケース
網入りガラスは、ガラス内部に金属製のワイヤー(網)が封入されているガラスです。
学校・マンション・高層住宅など、火災対策や安全性を意識した交換で選ばれることが多く、建築基準法や消防法で定められた防火地域・準防火地域では設置が義務付けられています。
火災時にガラスが割れても、ワイヤーがガラス片の飛散を防いで炎の侵入を抑える効果があるため、延焼リスクの軽減に役立ちます。
費用の目安は以下の通りです。
- 90×90cmサイズ:50,000円〜80,000円前後
- 180×90cmサイズ:80,000円〜110,000円前後
網入りガラス交換のメリットと注意点
メリット
- 火災時にガラスが割れてもワイヤーがガラス片の飛散を防止できる
- マンションやアパートなど延焼リスクの高い集合住宅に最適
- 防火設備として法的に認められており防火地域での使用に欠かせない
注意点
- 他のガラスと比較して重量がありサッシへの負担が大きくなる
- 日射熱や室内外の温度差でガラスにヒビが入ることがある
- ワイヤー部分は結露などで錆びることもある
- 割れた場合の交換費用は他のガラスより高めになりがち
ペアガラス(Low-E断熱)に交換するケース
ペアガラス(複層ガラス)は、2枚のガラスの間に空気層やガス層を設けた構造で、断熱性・遮熱性・省エネ効果を重視したいケースに最適です。
特にLow-E膜(特殊な金属膜)をコーティングしたLow-E複層ガラスは、断熱性能がさらに高く、冷暖房効率を大幅に向上させます。
冬は室内の暖かさを逃がしにくく、夏は外からの日射熱を遮断するため、一年を通じて快適な室内環境を実現できます。
費用の目安は以下の通りです。
- 90×90cmサイズ:80,000円〜110,000円前後
- 180×90cmサイズ:100,000円〜150,000円前後
ペアガラス交換のメリットと注意点
メリット
- 2枚のガラスの間にある空気層が冷暖房効率を向上してくれる
- 冬は室内の暖かさを逃がしにくく夏は外からの熱を遮断してくれる
- ガラス表面の温度差が小さくなるため結露対策にも有効
- 断熱リフォームとして国や自治体の補助金対象になるケースも多い
注意点
- 単板ガラスより厚みがあるため既存サッシの溝幅に収まらないことがある
- 築20〜30年以上の住宅で使われている古いアルミサッシはペアガラスに対応できないことがある
- 交換前に業者へサッシの適合性を確認してもらう必要がある
ガラス交換を検討する際のポイント
ガラス交換を業者に依頼する際は、以下のポイントを押さえておくとスムーズに進められ、後悔のない選択ができます。
条件を統一し複数の業者に見積もり依頼する
複数の業者から見積もりを取る際は、窓の寸法とガラスの種類を統一して依頼することが重要です。
条件がバラバラだと正確な比較ができず、後から追加費用が発生する原因にもなります。
必ず同じ条件で見積もりを依頼しましょう。
サッシがガラスに適合するか確認が必要
断熱ガラスや防犯ガラスなど高機能なガラスは、厚みや重量が増す傾向にあります。
既存のサッシに適合するかどうか、事前に業者へ確認を依頼しましょう。
適合しない場合はサッシ交換が必要になり、費用が大きく変わることがあります。
必要性能が「防犯/断熱/安全/視線カット」のどれかを明確化する
ガラス交換の目的を明確にしておくと、適切なガラスを選びやすくなります。
「なんとなく良さそう」で選ぶと、期待した効果が得られないこともあります。
業者との打ち合わせもスムーズに進むため、事前に目的を整理しておきましょう。
保証期間・品番・施工内容が見積書に記載されているか確認する
見積書を受け取ったら、保証期間・ガラスの品番・具体的な施工内容が明記されているか必ず確認しましょう。
「ガラス交換一式」とだけ記載されている場合は内訳を確認し、出張費や古いガラスの処分費が含まれているかもチェックすることが大切です。
まとめ
ガラス交換費用は20,000円〜150,000円前後が相場であり、90×90cmサイズの小窓では30,000円〜110,000円前後が基準となります。
費用と性能の傾向としては、透明ガラス → 型板ガラス → 網入りガラス → ペアガラスの順で費用と性能が上がっていきます。
予算と目的のバランスを考えて、最適なガラスを選びましょう。
ガラス交換で後悔しないためには、サイズ・ガラスの種類・保証内容を揃えて複数社から見積もりを取ることが重要です。
条件を揃えて比較することで適正価格を把握しやすくなり、施工満足度も高まります。
信頼できる業者を選んで、快適な住環境を手に入れてください。