畳張り替えの費用相場は?1帖5,000円〜?中国産vs国産の違い
目次
和室の雰囲気を左右する畳は、年月と共に摩耗や日焼けなどによって劣化します。
表面が傷んだり汚れが落ちにくくなったりすると、掃除や日常の使用にも支障が出るため張り替えを検討すべきですが、畳の張り替えにいくらかかるのか気になるという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、畳の張り替えにかかる費用の相場や、使用される畳の種類についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まずは現状確認。畳のメンテナンスは「3段階」ある
裏返し(うらがえし)
畳のメンテナンスの初期段階が「裏返し」です。
畳の裏返しとは、現在使っている畳表を裏返して再利用する工法です。
この作業では、畳縁をはがし、畳床に固定されている糸も取り外す必要があるため、畳の側面にある畳縁は新しいものに交換されます。
一般的には、使用から2年~5年ほど経ち、表面のこすれや日焼け跡が目立ち始めた畳に適した方法です。また、後で紹介する他の張り替え方法と比べて費用が最も安価で済む点も特徴となっています。
表替え(おもてがえ)
表替えは、既存の畳床をそのままにして、畳表と畳縁だけを新しく取り替える工法です。
見た目は新品のように美しくなりますが、畳床は以前のままなので、踏んだときの感触は変わりません。
使用から5年~10年ほど経過した畳や、裏返しを行ってからさらに5年程度経った畳に適しています。
イグサがささくれ立って衣服に付着するようになったり、畳の光沢が失われてきたりといった際には、表替えを検討すると良いでしょう。
裏返しより費用は高くなりますが、新調するよりはコストを抑えられる点が特徴です。
新調(しんちょう)
新調は、畳をすべて新しくする方法で、裏返しや表替えに比べて最も費用がかかります。
裏返しや表替えを繰り返していても、畳床自体は徐々に劣化するため、傷みやへたりが目立つ場合や部屋全体をリフレッシュしたい場合には新調した方が良いでしょう。
新調すると、見た目や踏み心地、香りまで全て新しくなり、まるで新しい部屋のように感じられます。
目安としては、畳を敷いてから10年以上経った頃が新調のタイミングです。
施工の際は、業者が既存の畳を採寸したうえで、新しい畳が完成してから入れ替え作業が行われます。
ピンキリの理由。畳張り替え(表替え)の等級別・費用相場
| 種類 | 価格帯 | メリット | デメリット |
| 格安品(中国産イ草) | 4,000円〜6,000円/帖 | 価格が安い | 日焼けに弱い |
| 標準品(国産・熊本県産) | 8,000円〜12,000円/帖 | コストパフォーマンスに優れている | 高級品よりは質が劣る |
| 高級品(ブランド国産) | 15,000円〜/帖 | 見た目が良い | 価格が高い |
1. 格安品(中国産イ草)[相場:4,000円〜6,000円/帖]
「費用を抑えて畳を張り替えたい」という場合には、中国産のイ草を使った格安品がおすすめです。
中国産イ草を使用した畳の張り替えにかかる費用相場は、1帖あたり4,000円〜6,000円程度となります。
国産のイ草に比べて価格が安いため、コストを抑えて施工できます。
デメリットとしては、日焼けによって黒ずみやすい点がありますが、アパートや賃貸物件のように張り替えの頻度が高い部屋には適しています。
2. 標準品(国産・熊本県産)[相場:8,000円〜12,000円/帖]
標準品の畳は、費用と質感のバランスを重視する方に向いています。
標準品の畳の張り替えにかかる費用相場は、1帖あたり8,000円〜12,000円程度となります。
熊本県産のイ草を使用しながらも、高級品と比べて費用をおよそ3割抑えられるため、コストパフォーマンスに優れています。
リビングや子供部屋など使用頻度が高い部屋に最適で、高級品ほどの質感はないものの、日常使いには十分な品質を備えています。
3. 高級品(ブランド国産)[相場:15,000円〜/帖]
高級品の畳は、熊本県八代市産などのブランドイ草を使用しており、イ草の長さは約140cmと長く、根の部分が少ないのが特徴です。
高級品の畳の張り替えにかかる費用相場は、1帖あたり15,000円〜となります。
目が詰まっていて厚みと艶があり、見た目が美しいため、客間や寝室など丁寧に仕上げたい部屋に最適です。
耐久性も高く、大切に使えば20年以上交換が不要な場合もあります。
「イ草」だけじゃない。カビない・変色しない「ハイテク畳」の選択肢
和紙畳
和紙を使用した畳は、天然イ草の畳より耐久性が高く、寿命はイ草よりも10年以上長持ちする点が大きなメリットです。
質感や仕上がりはイ草畳とほぼ同じで、美しさでは場合によってそれ以上に見えることもあります。
さらに、日焼けによる色あせがほとんどなく、豊富なカラーバリエーションが揃っているため、お部屋の雰囲気をモダンにアレンジすることも可能です。
樹脂畳
セキスイの「MIGUSA」に代表される樹脂畳は、ポリプロピレンや塩化ビニールなどのプラスチック素材で作られており、耐久性に優れています。
見た目や触り心地は天然イ草の畳とほぼ変わらず、風合いや肌触りを保ちながらも、耐久性や安全性など高い機能性を兼ね備えています。カラーバリエーションも豊富で、お部屋のイメージに合わせて選べる点も魅力的です。
ただし、ビニール製の樹脂を使用した畳は撥水性が高いため、裏側に湿気がこもるとカビが生えやすいというデメリットがあります。
琉球畳
琉球畳は、七島い(しちとうい)を原料にして作られた畳で、一般的な畳のような縁がない点が大きな特徴です。
七島いを活かした特殊な織り方により、縁がなくても強度が保たれています。
基本サイズは一般的な畳の半畳サイズで、オーダーメイドで厚みを自由に変更することも可能です。
一つひとつ手間をかけて作られるため、一般的な畳より価格は高めで、縁がない分、角が痛みやすい点がデメリットとなります。
6畳で隙間だらけ?畳DIYが絶対に推奨されない理由
畳の張り替えをDIYで行うことは、基本的にはおすすめできません。
表替えや裏返しを自分で行って失敗すると、まだ使える畳まで使えなくなってしまい、結果的に新しい畳を購入する余計な費用が発生するリスクがあります。
どうしてもDIYで対応したい場合は、置き畳を活用するのが現実的です。置き畳は設置に特別な道具や工事が不要で、初めての方でも手軽に試すことができます。
ただし、置き畳は軽量であるため、商品によっては使用中にずれる可能性があり、隙間にゴミがたまってダニの発生につながるリスクがあります。
どこに頼む?畳専門店vsホームセンターvsリフォーム会社
畳専門店
街の個人経営の畳店は地域に密着して営業しているため、相談やケアがしやすく、対応も比較的早い点が魅力です。
しかし、営業エリアが限られていることや、大量生産が難しい設備環境のため、材料の仕入れ単価が高くなる傾向があります。
品質は高いですが、価格が高く、納品までに時間がかかるケースもあるため、メリット•デメリットを考えて検討すると良いでしょう。
ホームセンター
昔は畳の張替えといえば専門店に依頼するのが一般的でしたが、最近ではホームセンターでも畳の張替えサービスを提供するケースが増えています。
ホームセンターを利用するメリットは、大手ブランドによる安心感や敷居の低さにあります。
しかし、実際には多くのホームセンターが近隣の個人店と契約して作業を代行してもらっているため、注文してから実際の工事が行われるまでに時間がかかります。
リフォーム会社
リフォーム会社に依頼するメリットは、畳の張り替えだけでなく、襖や壁紙など他のリフォームも同時に任せられる点です。
しかし、費用対効果を左右するのは業者選びと見積もりの取り方であり、適正価格で質の高い施工を受けるためには、複数の業者から相見積もりを取り、ポイントを押さえて選定することが重要となります。
また、配送料や出張費などが追加で請求される場合もあるため、施工前に見積もり内容や追加費用の有無をしっかり確認しておかなければなりません。
まとめ
畳の張り替えにかかる費用相場について解説しました。
畳の張り替えは、グレードや枚数によって料金が異なりますが、1帖あたりの費用相場は4,000円〜15,000円程度となります。
畳使用から2年以降を目安に定期的なチェックを行い、裏返しで済む段階で張り替えを行えば、費用が節約できます。
畳の状態によってどの工法が適しているかは素人では判断しづらい場合があるため、最終的には畳のリフォームに詳しい業者と相談し、予算や用途に応じて最適な工法やデザインを提案してもらいましょう。