砂壁リフォームの費用相場は?「クロス張り」と「塗装」どっちが正解か徹底比較
目次
「和室の砂壁は、触れるたびにポロポロと砂が落ちて掃除が大変」
そんなストレスを抱えている方は多いのではないでしょうか。
砂壁リフォームには「クロス張り」「塗装」「珪藻土」など複数の選択肢があり、費用も50,000〜250,000円と幅があります。
この記事では、工法別の費用相場と特徴を徹底比較し、状況にあった最適な方法を解説します。
DIYと業者依頼の違いも詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
なぜ今、砂壁リフォームなのか?放置するリスクとメリット
砂壁は調湿性や防火性に優れた素材ですが、経年劣化すると様々な問題が発生します。
特に築30年以上の住宅では、砂壁の寿命を迎えているケースがほとんどです。
リフォームで得られるメリットと、放置するリスクをまとめました。
触れるだけで砂が落ちるストレスからの解放
劣化した砂壁は、触れなくても自然にポロポロと砂が落ちてきます。
床に溜まった砂を毎日掃除する手間から解放されるだけでも、リフォームする価値は十分にあります。
家具やカーテンに砂が付着する悩みも解消できるはずです。
カビ・ダニの温床からのリフレッシュ(健康対策)
砂壁は湿気を吸収する性質があり、劣化すると調湿機能が低下してカビが発生しやすくなります。
落ちた砂はダニの餌にもなるため、放置すると健康被害のリスクが高まります。
特に小さなお子様やアレルギー体質の方がいるご家庭では、早めの対処をおすすめします。
「和室感」を一掃し、明るい洋室テイストに
古い砂壁は色がくすんで部屋全体が暗く見えがちです。
明るい色のクロスや珪藻土に変えることで、部屋の印象を一新できます。
断熱性・防音性を高める最新の機能性壁紙も選べる
クロス張りを選べば、防汚・防音・断熱など機能性を持った壁紙も選択肢に入ります。
砂壁では実現できなかった快適性を手に入れることができるでしょう。
砂壁リフォームの3つの工法と費用相場(6畳間想定)
砂壁リフォームには主に3つの工法があります。
予算と目的に合わせて選びましょう。
1. 壁紙(クロス)を張る【コスパ最強:100,000〜150,000円】
最も人気のあるリフォーム方法です。
和室から洋室への模様替えを考えている方に特におすすめです。
最も一般的で安価かつデザインが豊富で「洋室化」に最適
クロスは色・柄のバリエーションが豊富で、和室を洋室テイストに変えたい方に最適です。
工期も1〜2日と短く、手軽にイメージチェンジできます。
白やベージュ系のクロスを選べば、部屋全体が明るくなり広く感じられる効果も得られます。
下地処理(パテやベニヤ張り)がしっかりしていれば耐久性も高い
砂壁の状態が悪い場合は、ベニヤ板を下地として張ってからクロスを貼ります。
プロが下地処理をしっかり行えば、10〜15年は美しさを保てます。
将来的な張り替えも比較的安価にできるのがクロスの強みです。
2. 珪藻土・漆喰の上塗り【機能性重視:150,000〜250,000円】
和の雰囲気を残しつつ機能性を高めたい方向けです。
自然素材ならではの風合いが魅力です。
調湿・消臭効果など高級志向向け
珪藻土や漆喰は砂壁と同様に調湿・消臭効果があり、ペットを飼っている家庭にも人気です。
塗り方でさまざまな模様を付けられ、上質な空間を演出できます。
漆喰は白く滑らかで光を反射するため、部屋が明るくなる効果もあります。
左官職人の技術が必要なため工期と費用は高くなる
均一に塗るには職人の技術が必要で、工期は2〜4日程度です。
クロス張りより費用は高くなりますが、素材感を楽しみたい方にはおすすめです。
3. ペンキ塗装【簡易的:50,000〜100,000円】
最も安価なリフォーム方法ですが、注意点もあります。
短期間で色を変えたい方向けです。
砂壁の質感は残るた剥がれは止まらない可能性も
ペンキ塗装は表面を塗り固めるだけなので、下地の状態が悪ければ砂が落ち続ける可能性があります。
根本的な解決にはなりにくい点に注意が必要です。
下地処理をしっかり行わないと、塗装が剥がれてくることもあります。
賃貸物件の空室対策などで使われる手法
費用を抑えたい賃貸オーナーには選択肢となりますが、自宅リフォームなら長期的なコスパを考えてクロスや珪藻土を選ぶ方が多いです。
「砂壁DIY」は難易度が高い。「アク」と「剥がれ」の恐怖
「自分でやれば安く済むのでは?」と考える方も多いですが、砂壁のDIYは難易度が高く、失敗事例も多いものです。
ホームセンターで材料を揃えても、プロのような仕上がりにはならないのが現実です。
アクの染み出し
長年の生活臭やタバコのヤニを吸った砂壁は、塗装後にアク(汚れ)が染み出してきます。
せっかく塗った白い壁が茶色く変色し、やり直しを余儀なくされるケースが多発しています。
下地処理の難易度
砂壁にそのまま壁紙を貼ると、数ヶ月で剥がれてきます。
シーラー(下塗り材)で表面を固め、パテで凹凸を埋める作業は素人には難しく、この工程の失敗が最も多いです。
シーラーの乾燥には3時間以上かかり、完全に乾く前に次の工程に進むと仕上がりに影響します。
養生の失敗
和室は、柱や長押など養生が難しい箇所が多く、塗料が垂れて取れなくなるトラブルも懸念されます。
畳に塗料が付くと交換が必要になり、かえって費用がかさみます。
養生テープの貼り方ひとつで仕上がりが大きく変わるため、この作業だけでも相当な技術が必要です。
和室の洋室化は、床・天井とセットリフォームのすすめ
せっかく砂壁をリフォームするなら、和室全体を洋室化することも検討してみましょう。
壁だけリフォームしても、畳や天井が和風のままでは違和感が残ります。
壁だけ洋風にしても畳や和風天井が残るとチグハグな印象に
壁を白いクロスにしても、畳や竿縁天井がそのままだと中途半端な印象になりがちです。
本格的に洋室化するなら、床・天井も一緒にリフォームするのがおすすめです。
畳とフローリングセットで養生費や処分費を圧縮できる場合も
別々に工事するより、まとめて依頼した方が養生や廃材処分の費用を抑えられます。
業者によってはセット割引を用意している場合も少なくありません。
壁・床・天井をまとめて依頼すれば、トータルで100,000〜200,000円程度お得になるケースもあります。
押入れのクローゼット化で収納力とデザイン性を向上
押入れは布団収納には便利ですが、衣類や小物の収納には不向きです。
クローゼット化すれば使い勝手が格段に良くなり、部屋全体のデザイン性も向上します。
棚やハンガーパイプを設置すれば、収納力は押入れ時代の1.5倍以上になることも考えられます。
まとめ
砂壁リフォームは、工法によって費用も仕上がりも大きく変わります。
後悔しないためにポイントを押さえておきましょう。
砂壁リフォームは、見た目と掃除のしやすさを両立する「クロス張り」がおすすめです。
100,000〜150,000円で和室を明るい洋室テイストに変えられ、機能性壁紙を選べば防汚・防音効果も得られます。
工期も1〜2日と短いのも魅力です。
DIYは「下地作り」と「アク止め」が難しく、失敗してやり直すと費用が倍増します。
シーラー処理やパテ埋めの技術が求められるため、仕上がりにこだわるならプロに任せるのが賢明です。
まずは信頼できるリフォーム会社に、現在の壁の状態(下地)を見てもらうことから始めましょう。
砂壁の劣化具合によって最適な工法が変わるため、複数社から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。