スケルトンリフォームの費用相場、1000万は高い?建替えの場合との比較

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築年数が経った家を新築同様に蘇らせることで評判のスケルトンリフォームは、間取りの自由度が高く、建て替えより低コストで住まいを一新できる方法として注目されています。
しかし費用はどのくらいかかるのか、建て替えとどっちがお得なのかなどの理由で迷う方も多いでしょう。
この記事では、スケルトンリフォームの費用相場から建て替えとの比較、失敗しないための注意点まで解説します。

スケルトンリフォーム(フルリノベーション)とは何か

スケルトンリフォームとは、住宅の骨組み(柱・梁・基礎などの構造躯体)だけを残し、内装・設備・配管をすべて解体して一から作り直す大規模リフォームです。

構造躯体(骨組み)以外を全て解体し、ゼロから作り直す工法 

マンションならコンクリートの躯体、戸建てなら柱・梁・基礎だけを残した状態まで解体します。
壁・床・天井・設備をすべて撤去するため、内部は骨組みがむき出しの「スケルトン状態」になり、そこから新築のように間取りや内装を自由に設計できます。

間取り変更の自由度が高い(水回りの移動も可) 

通常のリフォームでは難しい水回りの移動も、スケルトンリフォームなら対応可能です。
キッチンの位置を変えたり、浴室を広げたり、細かく区切られた部屋をワンフロアの大空間にしたりと、ライフスタイルに合わせた自由な間取りを実現できます。

断熱材や配管も新品に 

築30年以上の住宅は、断熱材の劣化や配管の老朽化が進んでいることが多いです。
スケルトンリフォームでは配管・配線をすべて新しくするため、水漏れや漏電のリスクを解消できます。
壁の中に高性能な断熱材を入れ直せば、夏涼しく冬暖かい住まいに生まれ変わります。

家の寿命を20年~30年延ばせる 

クロスの張り替えや設備の交換といった「表層リフォーム」は見た目がきれいになるだけで、構造や配管の問題は解決しません。
スケルトンリフォームは構造躯体を残しながらも住宅性能を根本から改善するため、適切に施工すれば家の寿命を20~30年延ばすことも可能です。

1000万円は必要?一戸建て・マンション別の費用相場と坪単価

スケルトンリフォームの費用は、物件の種類や広さ、工事内容によって大きく変わります。

一戸建てのスケルトンリフォーム[坪単価:400,000~700,000円]

戸建ては構造補強や外壁工事が必要になるケースがあり、マンションより費用が高くなる傾向があります。

延床面積30坪なら1200万~2000万円がボリュームゾーン

一般的な30坪の戸建て住宅をスケルトンリフォームする場合、1200万~2000万円程度が相場です。
内装のみの工事なら1200万~1400万円程度、外壁まで含めた「内外部スケルトンリフォーム」では1700万~2000万円程度が目安になります。

耐震補強や基礎工事が必要な場合、追加費用がかかる 

築40年以上の住宅は現行の耐震基準を満たしていないことが多く、耐震補強が必要になるケースがあります。
また、基礎にひび割れやシロアリ被害があれば補修工事が必要です。
耐震補強で100万~200万円、基礎補強で500,000~1,500,000円程度の追加費用がかかることを想定しておきましょう。

マンションのスケルトンリフォーム[坪単価:300,000~600,000円]

マンションは構造補強が不要で、専有部分のみの工事となるため戸建てより費用を抑えられます。

70平米(約21坪)なら600万~1200万円前後 

一般的な70平米(約21坪)のマンションをスケルトンリフォームする場合、600万~1200万円程度が相場です。
設備のグレードやデザインへのこだわりによって費用は変わり、ハイグレードな仕様にすると1500万円を超えることもあります。

共用部分(窓サッシや玄関ドア)は触れないため戸建てよりは安め 

マンションでは窓サッシ・玄関ドア・バルコニーなどの共用部分はリフォームできません。
工事範囲が専有部分に限定されるため、戸建てより費用を抑えやすいのが特徴です。
ただし管理規約で使用できる材料や業者が指定されている場合もあるため、事前に管理組合への確認が必要です。

解体費用・仮住まい費用の見落としに注意

工事費用だけでなく、付随する費用も忘れずに予算に組み込みましょう。
スケルトンリフォームは住みながらの工事ができません。
工事期間は戸建て内部のみで3~4ヶ月、外壁を含む場合は5~6ヶ月程度です。
その間の仮住まい費用として、家賃・引っ越し費用(2回分)・家具の一時保管費用などで500,000~100万円程度を見込んでおく必要があります。
解体で出る廃材の処理費用も数十万円かかることも念頭においておきましょう。

「建て替え」vs「スケルトンリフォーム」。迷った時の決定的な判断基準

スケルトンリフォームと建て替え、どちらを選ぶべきか迷ったら、以下の判断基準を参考にしてください。

一般的にスケルトンリフォームは建て替えの70%の費用 

同じ規模の住宅を建て替える場合と比較すると、スケルトンリフォームは約70%程度の費用で済むと言われています。
建て替えでは既存建物の解体費用が全額かかりますが、スケルトンリフォームは構造躯体を残すため解体費用を抑えられます。

建て替えは「固定資産税」が大幅にあがる

 建て替えると新築と同等の評価額になるため、固定資産税が大幅に上がります。
一方、スケルトンリフォームでも固定資産税は上がる傾向にありますが、新築ほどの上昇にはなりません。
また、耐震・バリアフリー・省エネリフォームは減税の対象になる場合もあります。

再建築不可物件や「セットバック必須の土地ならリフォーム一択 

建築基準法上、幅4m以上の道路に2m以上接していない土地は「再建築不可」となり、建て替えができません。
また、セットバック(道路から下がって建築する義務)が必要な土地では、建て替えると建物が小さくなってしまいます。
こうした法規制がある土地では、スケルトンリフォームが有効な選択肢になります。

シロアリの被害がある場合リフォームの方が高くつくことも

スケルトンリフォームは構造躯体を残すことが前提です。
解体後に基礎や柱がシロアリ被害や腐食で「使えない状態」だと判明した場合、大規模な補修工事が必要になり、結果的に建て替えより高くなるリスクがあります。
築年数が古い物件は、事前の建物診断が必須です。

スケルトンリフォームの失敗例と着工前の注意点

スケルトンリフォームは高額な工事だからこそ、失敗は絶対に避けたいです。
よくあるトラブルと対策を知っておきましょう。

解体したら柱が腐っていて高額な追加工事費がかかった 

スケルトンリフォームで最も多いトラブルが、解体後に発覚する想定外の劣化です。
壁の中は解体するまで状態がわからず、柱の腐食やシロアリ被害、配管の著しい劣化が見つかることもあります。
追加工事費が100万円を超えることも珍しくありません。

見積もりに「補強工事費」が含まれているか必ず確認する 

見積もりを取る際は、耐震補強や構造補強の費用がどこまで含まれているかを必ず確認しましょう。
「解体してみないとわからない」部分については、追加費用が発生する条件や上限金額を事前に取り決めておくことが重要です。
契約書にしっかり明記してもらいましょう。

断熱気密(UA値・C値)の知識をもつ業者に依頼する

せっかくスケルトンリフォームをしても、断熱施工が不十分だと「きれいになったのに寒い」という結果になりかねません。
UA値(外皮平均熱貫流率)やC値(相当隙間面積)といった断熱気密の指標を理解し、具体的な数値目標を提案できる業者を選びましょう。
断熱材の種類や施工方法にも注意が必要です。

パースや模型で提案してくれる会社を選ぶ 

スケルトンリフォームは間取りを大きく変えるため、図面だけでは完成後のイメージがつかみにくいです。
3Dパース(立体的なイメージ図)や模型を使って提案してくれる会社を選ぶと、「思っていたのと違う」というギャップを防げます。
素材のサンプルを見せてもらうことも大切です。

まとめ

スケルトンリフォームは、費用を抑えながら住まいを一新できる魅力的な選択肢です。
築年数が経った家でも、構造躯体がしっかりしていれば新築同様の住み心地を実現できます。

建て替えよりも低予算で、新築同等の快適さと耐震性を手に入れられるのが最大のメリットです。
一般的に建て替えの70%程度の費用で済み、再建築不可の土地でも対応できます。

解体後の追加費用リスクを最小限に抑えるためにも、事前の建物診断を丁寧に行い、断熱・耐震の知識が豊富な業者を選びましょう。
複数社から見積もりを取り、提案内容と費用を比較検討することをおすすめします。

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