シロアリ被害はどこから手遅れか?危険なサイン7つ
庭や室内でシロアリを発見したので駆除を依頼するか検討されているという方にとって、気になるのは現状の被害がどの程度なのか、駆除依頼を出してももう手遅れなのかという点ではないでしょうか。
シロアリ被害は、気づかないうちに家を蝕み、深刻な構造被害につながることがあります。
シロアリの進行を止めなければ、手遅れになることもあり、被害は短期間で広がるため、大切な家を守るためには、迅速な対応が必要です。
本記事では、シロアリ被害が手遅れになっている危険なサインについて解説しますので、参考にしてください。
シロアリ被害が手遅れになると言われる理由
シロアリ被害は、気づいたときにはすでに深刻化していることが少なくありません。
シロアリは、目に見えない部分で活動し、木材の内部を食べる習性があるため、被害が発生していても気付きにくく、手遅れになってしまうケースも少なくありません。
例えば、壁や柱を叩くと通常は重い音がしますが、被害を受けている箇所では軽い「ポコポコ」という音がします。他の部分と比べて明らかに音が軽い場合、内部が食害されており、手遅れになっている可能性があります。
また、シロアリは巣が一杯になると、特に4月から10月にかけて集団で飛び立つ習性があり、羽アリの出現は、大量のシロアリが存在する可能性を示しており、気づくのが遅れると木材を蝕む被害が広がるでしょう。
シロアリの被害が起きやすい箇所は、通常人の目で確認しにくく、床下に入ったり壁の一部を剥がしたりする必要があるため、個人での詳細なチェックは難しいです。そのため、専門的なシロアリの調査は専門家に依頼することをおすすめします。
手遅れの可能性がある危険サイン7つ
床の沈み・フカフカした感触がある
床を歩いたときにふわふわとした弾力性を感じたり、特定の場所で床がきしむ音がする場合は、シロアリ被害が進行しているサインかもしれません。
シロアリが床下の木材を内部から食べ進めると、木材の強度が低下し、表面が薄い皮一枚のような状態になります。
この状態で体重がかかると、床材がたわんだり沈み込んだりして、ふわふわとした感触になるのです。
特にお風呂場やキッチン周りなど湿気の多い場所でこの症状が見られる場合は、早急な点検が必要です。
今まで音がしなかった場所で床がギシギシと鳴る場合、シロアリが建物を支える構造材を侵食している可能性が高まります。
木材内部が空洞化することで強度が弱まり、わずかな圧力でも軋む音が発生します。
特定の場所を歩くと毎回音がする、床板の継ぎ目に段差が生じているといった症状に気づいたら、床下の束柱や土台の状態を確認することが大切です。放置すると最悪の場合、床が抜け落ちる危険性もあります。
巾木・柱・枠材に変色や凹み・欠けがある
浴室周りの木枠や扉に黒ずみや褐色の変色、欠けが見られる場合、湿気を好むシロアリが活動している可能性があります。
特に壁と床の接合部や窓枠の下部は湿気がたまりやすく、シロアリの侵入経路になりやすい場所です。
タイル張りの浴室では、タイルの隙間から湿気が土台の木材に浸透し、シロアリを引き寄せることがあるため注意が必要です。
早期発見には、木材の状態を定期的に確認するとともに、浴室周りの防水処理を見直すことが効果的となっており、わずかな変色でも、専門業者に床下の調査を依頼することで、大規模な被害を防ぐことにつながります。
羽アリが室内・窓際で複数確認された
春から夏にかけて庭や玄関に羽アリが現れる、部屋や床下に木くずやシロアリのフンが落ちている、家の基礎や柱の周りに蟻道が見られる場合は、シロアリ被害が進行している可能性があります。
特に家の複数箇所でシロアリやその痕跡を確認した場合は、巣が成熟して別のコロニーを形成する段階に入っている可能性が高いため、早急に専門業者へ相談することが重要です。
蟻道(泥の筋)が基礎・外壁・床下に見られる
蟻道とは、床下や壁に見られる茶色い跡で、シロアリが土や排泄物を固めて作ったトンネル状の通路を指します。
こうした蟻道は、基礎部分や木材の接合部などにできやすいです。
蟻道があるということは、シロアリが建物内部に侵入して活動している証拠となります。
特にコンクリート基礎のひび割れや配管の周囲に蟻道が見られる場合は、床下から屋内に入る経路が確保されている可能性があります。
蟻道は破壊せずに観察し、正確な生息状況や種類の判断は専門家に依頼することが望ましいです。
壁や床を叩くと軽い・空洞音がする
木材を叩いたときに「ポコポコ」という空洞音がする場合、シロアリが内部を食害している可能性が高いです。
健全な木材は叩くと硬い「コンコン」という音がしますが、内部が空洞化すると軽く響くような音に変わります。
特に柱の根元や床下の土台、大引きなどで空洞音がする場合は注意が必要です。
これらの場所は湿気が溜まりやすく、シロアリが活発に活動しやすい環境だからです。
空洞音を放置すると住宅の耐久性に深刻な影響を与える可能性があります。
音を確認する際は、ドライバーの柄などで軽く叩き、複数の場所を比較すると分かりやすくなります。
ただし、自分で判断するのは難しい場合があるため、少しでも異常を感じたら専門業者に調査を依頼することをおすすめします。
ドアや窓が急に開閉しづらくなった
シロアリが床下の土台や柱を食害すると、建物全体の水平が崩れ、ドアやふすまなどの建具に歪みが生じ、隙間ができたり引っかかるようになります。
特に、季節に関係なく周囲の木材が柔らかく脆く感じられる、敷居や鴨居に亀裂が生じる、開閉時の音が金属音ではなく鈍い音になる、といった症状が出た場合は注意が必要です。
シロアリ被害による構造材の劣化は時間とともに進行するため、建て付けの悪化が徐々に目立つようになるのが特徴です。
床下に湿気・カビ・腐朽が目立つ
浴室や脱衣所は湿度が高く、シロアリにとって好ましい環境です。
定期的に換気を行わず湿気が溜まった状態が続くと、シロアリが繁殖しやすい環境が長期間維持されます。
侵入したシロアリが壁や柱の内部を食べると、木材が空洞化して湿気を吸収しやすくなり、変色の原因となります。
変色は徐々に進行するため、定期的に状態を確認することが推奨されます。
手遅れラインの判断基準
床の沈みや木材の凹み、変色、羽アリの発見といった複数の危険サインが発見された場合は、すでに手遅れとなっている可能性があります。
また、 シロアリが移動のために作る蟻道が、基礎や壁面に広範囲にわたって確認できる場合、被害が広範囲に及んでいる証拠です。
さらに、被害が進んだ木材は、変色したり、触ると簡単に崩れたりするほど脆くなっており、カビ臭いような異臭がすることもあります。
このように複数の状態が確認された場合は、シロアリ被害が深刻化しており、手遅れになっている可能性があるため、早急に駆除業者に連絡し、点検してもらいましょう。
手遅れになる前に対応するためのチェックと行動
目視で確認
シロアリ被害が手遅れになる前に、日常的に目視で柱や床、ドアなどシロアリ被害の影響がでやすい部分をチェックすることが重要です。
前述した、シロアリ被害の可能性があるサインを参考に、家の中や庭などを確認し、異常が確認されたら迷わず業者に相談しましょう。
市販薬剤ではシロアリが駆除できないケースが多い
シロアリ被害が見つかった場合、市販の殺虫剤だけで対処するのは難しいです。
シロアリ被害は時間が経つほど修復費用が高額になるため、早期に専門業者に依頼することが、経済的な損失を最小限に抑えるための重要な手段となります。
シロアリは、壁の内部や床下の奥深くに巣を作る習性があり、一般家庭用の薬剤ではその奥まで薬剤を浸透させることが困難です。
また、市販の殺虫剤は濃度が低いため、巣の深部まで届かず、女王アリや幼虫を駆除できず根本的な解決につながらない可能性が高いです。
さらに、効果の持続期間も短いため、生き残ったシロアリが新たな巣を作るリスクがあります。
一方、専門業者が使用する特殊な薬剤は木材の深部まで浸透し、巣全体を根絶させる可能性が高く、約5年の持続効果があるため再発を防止できる点が、市販の薬剤との大きな違いです。
複数の業者に見積依頼をする
本格的にシロアリを駆除する場合は、専門業者に依頼しましょう。
専門業者はシロアリの侵入経路や巣の場所、駆除剤の使用方法や量を正確に把握しているため、効果的な駆除が可能です。
また、シロアリ駆除に関する知識や経験を持っているため、初期症状が出た段階で迷わず依頼することで被害の進行を最小限に抑えることができます。
費用を抑えたい場合は、複数の業者から見積もりを取る方法がおすすめです。複数の見積もりを比較することで、料金の安い業者を見つけたり、他の業者の見積もりを交渉材料に使ったりできます。
まとめ
シロアリ被害が手遅れにならないようにするための危険サインについて解説しました。
シロアリや羽アリを見つけた場合、すでに被害が進行している可能性があります。
シロアリは自然にいなくなることがほとんどなく、時間が経つほど被害が広がっていきます。
そのため、蟻道や床のきしみなど、シロアリ発生の兆候を見逃さず、できるだけ早く専門業者に連絡・相談することが重要です。
本記事で紹介した危険サインを参考にして、シロアリの被害からお住まいを守りましょう。