シロアリ駆除の費用相場はいくら?ケース別で徹底比較
シロアリの駆除は12万円~45万円程度で行えることが多いですが、建物の状態や業者、駆除方法によって費用は変わります。
多くの業者では診断や調査を無料で実施しているため、被害が疑われる場合は早めに専門家に相談することが勧められます。
シロアリ駆除の費用は、建物の坪数やシロアリの種類、駆除方法によって変動し、被害が広がると費用が高くなる可能性があるため、シロアリを発見した際は早急な対応が必要です。
本記事では、シロアリ駆除の費用相場について、ケース別で解説していますので参考にしてください。
シロアリ駆除の費用相場とケース別価格例
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| 床下に薬剤を散布して駆除(バリア工法) | 12万円〜25万円程度 |
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| 木部処理(薬剤注入+吹き付け) | 18万円〜35万円程度 |
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| 巣の除去+建物全体の再発防止まで行う施工 | 25万円〜45万円程度 |
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シロアリは土の中から床下を通って建物に侵入する性質があり、駆除は主に床下を中心に行われるため、費用は1階の床面積を基準に決まります。
駆除方法や使用する薬剤、アフターフォローや保証内容など、サービスの内容によって業者ごとの価格は異なり、一坪あたりの単価も違ってきます。
シロアリ駆除における一般的な費用相場は、12万円〜45万円程度で、正確な料金は現地調査のうえで見積もりを出してもらう必要があります。
無料で調査してくれる業者も多いため、シロアリの存在が疑われる場合はまず相談し、建物に合った駆除や予防を行ってもらうことをおすすめします。
床下に薬剤を散布して駆除するケース
シロアリ駆除の方法の一つであるバリア工法は、床下の基礎部分に薬剤を散布して直接シロアリを駆除し、再発を防ぐ手法です。
床下に薬剤を散布して駆除する場合の費用相場は、12万円〜25万円程度となります。
バリア工法では防除スタッフが床下に入り、木材や土壌に直接薬剤を散布することでシロアリを駆除します。
被害が比較的軽く、巣が形成される前の段階であればバリア工法で対応することが多いです。
バリア工法は、即効性があり費用が抑えられる点がメリットですが、薬剤の匂いに敏感な方には向かない場合があります。
薬剤散布駆除のメリットと注意点
メリット
- 他の工法に比べて費用を抑えることができる
- 施工時間が短く素早い段階で駆除できる
- 一度施工すれば数年間効果が持続する
- 多くの業者で施工実績がある
注意点
- シロアリの被害状況によっては施工後に最初する可能性がある
- 外来種のシロアリには効果がない場合がある
被害箇所の木材を処置して駆除するケース
木部処理は、被害を受けた木材に薬剤を注入して内部のシロアリを駆除し、さらにシロアリの再侵入を抑える効果も期待できる方法です。
シロアリは木材の内側から食害する傾向があるため、薬剤を奥まで浸透させることが重要になります。
費用の目安は18万円〜35万円ほどで、まず木材に小さな穴をあけて薬剤を直接流し込み、その後に木栓で塞ぐ流れになります。
表面処理だけでは届きにくい部分にも成分が行き渡るため、内部の除去と予防が両立しやすい点が特徴です。
薬剤注入後は木材の外側にも薬剤を吹き付け、再びシロアリが侵入しないよう木部全体を保護します。
吹き付けは侵入しやすい場所や構造上大切な部材に加え、ひび割れや継ぎ目のような気づきにくいところにも丁寧に行われます。
また、水で薄めて使う薬剤でも、防腐成分が含まれているため木材が傷む心配は少なく、安全に施工できる点が利点となります。
木材処置駆除のメリットと注意点
メリット
- 再侵入を防ぐための予防効果も期待できる
- 表面処理だけでは届かないシロアリの除去が可能
- 薬剤を木材の表面にも覆うため、シロアリの再侵入を防げる
注意点
- 床下が狭い場合など作業がしづらい場合は施工費用が上がる可能性がある
建物全体を防蟻処理して駆除と予防をするケース
シロアリ駆除の費用はおおむね1坪あたりの設定金額で算出されますが、その単価は業者ごとに違いが見られます。
これは採用している工法や使う薬剤の種類、実施後のフォロー体制や保証の範囲といった提供内容が異なるためで、結果的に金額にも幅が出ます。
巣の除去から建物全体の再発防止までを行う場合のおおよその費用相場は25万円〜45万円ほどとなり、住宅の構造上床下へ入りづらい場合や、水回りで特別な作業が発生する際には追加料金がかかることもあります。
地域ごとに人件費の差がある点も費用に影響を与える要素でしょう。
多くの業者では一定期間の保証が付いていて、その間に再発した際は無料で再度施工してもらえる仕組みが整っていますが、日常的な点検や薬剤が効力を保つための再処理を適切な時期に行っておくことで、再発の可能性をより小さくできます。
保証期間の内容とともに再処理の時期についても確認し、継続的に予防状態を維持していくことが重要になります。
防蟻処理併用のメリットと注意点
メリット
- 駆除作業と再発予防策を同時に実施してもらえるため、安心が強い
- 再発した場合であっても保証期間内であれば無償で対応してもらえる
注意点
- 料金は坪単価で決まることが一般的なため、部分処理に比べて費用が高くなる
シロアリ駆除を検討する際のポイント
羽アリ発生時は早めの対応が重要
室内や庭で羽アリを見つけた場合は、木材が食害されているおそれがあるため、できるだけ早く専門の業者へ連絡する必要があります。とくに家の中で羽アリを確認したときは、建物内部に巣が存在している可能性が高く、そのまま放置すると被害が広がりやすいため迅速な対応が求められます。
羽アリの出現時期は種類ごとに違い、ヤマトシロアリは春頃に、イエシロアリは初夏に多く現れるとされ、いずれも雨上がりで湿度が高い日に姿を見せやすい傾向があります。
春から夏にかけて見られる羽アリはシロアリである可能性が高いため、早めに専門家へ相談して状況を確認してもらうことが大切です。
こうした活動時期を把握しておくことで、事前に備える意識も持ちやすくなります。
十分に作業スペースを確保できるか
シロアリ駆除を依頼すると、まず作業員が現場を確認して見積を作成する流れになり、その調査では被害の有無や侵入経路を調べるため床下へ入る作業が行われます。
そのため床下点検口や床下収納庫のフタは開けられる状態にしておくと作業が進めやすくなりますが、冷蔵庫や棚があって動かしにくい場合もあるので、事前にその状況を調査会社へ伝えておくと安心です。
また、床下に十分な高さや作業範囲が確保できないと追加作業が必要になり、費用が上がる可能性もあるため、もし図面が手元にあれば作業員へ共有しておくことが大切となります。
使用する薬剤の種類を確認する
シロアリ駆除に使われる薬剤がどれほど効果を保つのか、そして体への影響があるのかを気にする方は多いと思われます。
現在の現場で扱われている薬剤は、人に害が及ばないよう配慮して作られていますが、完全に無害というわけではありません。
というのも、害虫の神経や代謝に働きかける成分が含まれている以上、慎重に扱う必要があるためです。
ただし正しい手順で施工し、作業中や作業後に十分な換気をすれば不安を下げることができます。
しかし、カーバメート系やフェニルピロール系、ヒノキチオール系など比較的人体へのリスクが低い成分が多いとはいえ、小さな子どもやペット、妊婦がいる家庭、また体調面で心配がある方がいる場合は、自分で対処するより専門業者へ任せる方がより安全に作業を進められます。
保証制度が有無、期間を確認
シロアリ駆除を行う業者では、多くの場合施工後に保証期間が設定され、その一般的な長さは5年となっています。
これは使用される薬剤が約5年効力を保つように作られているためで、公的機関である公益社団法人日本しろあり対策協会も、長すぎる効力を持つ薬剤は環境への負担が大きいという考えから、薬剤の有効期間を5年とする基準を設けています。
ただし施工方法によっては5年を満たさない場合もあり、たとえば建物外周に設置するベイト工法では、設置している期間そのものが保証期間になります。
これは契約が終了するとベイト剤を回収する仕組みになっており、その時点で予防効果が途切れてしまうためで、工法ごとの性質に応じて保証内容が変わる点を理解しておくことが重要です。
まとめ
シロアリ駆除の費用相場をケース別に解説しました。
工法や駆除範囲などによって費用は変動しますが、一般的な費用相場は、12万円〜45万円前後となります。
シロアリ駆除の費用を抑えたい場合は、保証期間がある業者を選ぶと安心です。
保証期間内に再びシロアリが発生した場合、無料で再施工してもらえるため、将来的な出費を抑えられます。
また、シロアリによる被害の駆除費用や建物修繕費用は、確定申告で雑損控除の対象になることがあります。
さらに、費用が高額でその年だけでは控除しきれない場合、翌年以降3年間にわたって繰り越して控除を受けることも可能です。
加えて、自治体によっては駆除費用に補助制度がある場合もあるため、住んでいる地域の制度を確認しておくことが重要です。
ただし、極端に安い業者は薬剤を十分に使わなかったり、施工が雑になったりする可能性があるため、価格だけで業者を選ぶのは危険です。
シロアリの駆除を依頼するかお悩みの方は、本記事を参考にしていただき、住まいをシロアリの脅威から守りましょう。