宅配ボックス設置の費用相場は?戸建てに後付けの種類別価格
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ネットショッピングを利用する人が増加していることに加え、防犯面や感染症対策の観点から、対面せずに荷物を受け取りたいと考える方にとって、宅配ボックスの設置は非常に有効な選択肢となっています。
一方で、宅配ボックスにはさまざまな種類があり、自宅の環境やライフスタイルにどのタイプが適しているのか判断に迷うケースも少なくありません。
また、実際に導入するとなると、設置にかかる費用がどの程度必要なのか分からず、不安に感じる方も多いでしょう。
本記事では、宅配ボックスの設置にかかる費用相場について解説していますので、参考にしてください。
【タイプ別】宅配ボックス設置の費用相場と工事内容(本体代+工事費)
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| ポール建てタイプ | 8万円〜15万円 | 設置場所の自由度が高い | 設置場所によっては動線の妨げになる |
| 壁掛け•据え置き固定タイプ | 3万円〜8万円 | しっかり固定できる | 地面に近いと、荷物の取り出しが不便 |
| 壁埋め込みタイプ | 15万円〜25万円 | 限定的な場所にも設置可能 | 他タイプに比べて導入コストが高い |
1. ポール建てタイプ【庭•玄関前に設置:8万円〜15万円】
ポール建てタイプの宅配ボックスは、玄関アプローチや植え込みの中など、設置場所の自由度が高い点が特徴です。
ポール建てタイプの宅配ボックスを設置する場合の費用相場は、8万円〜15万円程度になります。
ボックス自体に十分な高さがあるため、荷物を受け取る際に大きく屈む必要がなく、日常的な荷物の取り出しも比較的スムーズに行えます。
また、外壁や門塀に直接取り付ける必要がないため、住宅に傷を付けてしまう心配がない点も安心できるポイントといえるでしょう。
さらに、表札やポストと一体化した多機能タイプの商品も用意されており、自宅の外構デザインに合わせて選ぶことで、外回り全体に統一感を持たせることも可能です。
2. 壁掛け•据え置き固定タイプ【省スペース•低価格:3万円〜8万円】
壁掛け•据え置き固定タイプの宅配ボックスは、玄関ポーチやアプローチに設置してしっかり固定するタイプの製品です。
壁掛け•据え置き固定タイプの宅配ボックスを設置する場合の費用相場は、3万円〜8万円程度になります。
設置方法としては、床面のコンクリートにアンカーボルトで固定する方法が一般的ですが、穴を開けられない場合には、強力な接着剤やワイヤーを使用する方法、あるいはボックス内に重りを入れて設置する方法などもあります。
しっかり固定されるため、簡易型宅配ボックスと異なり、宅配ボックス自体が盗まれる心配が少なく、盗難リスクを大幅に軽減できます。
加えて、大容量タイプの宅配ボックスも多く、まとめ買いや大きな荷物の受け取りにも対応できる点が魅力です。
3. 壁埋め込みタイプ【見栄え最強:15万円〜25万円】
壁埋め込みタイプの宅配ボックスは、玄関周りの限られたスペースを有効に活用できる点が特徴です。
床や玄関上に置く必要がないため、特にマンションなど共用スペースが限られる場所でも設置できます。
壁埋め込みタイプの宅配ボックスを設置する場合の費用相場は、15万円〜25万円程度になります。
壁埋め込みタイプの宅配ボックスは、壁面に取り付けることで場所を取らず、ボックスの高さや位置を調整することで、利用者にとって使いやすい設置が実現できます。
玄関の高さに合わせた設置により、荷物の受け取りや取り出しもスムーズに行えるでしょう。
さらに、固定具やボルトでしっかり取り付けるため、他のタイプの宅配ボックスよりも盗難や破壊行為に対する耐性が高く、セキュリティ面でも安心して利用できます。
「置くだけ」は危険?DIY設置とプロの固定工事の決定的な差
費用を少しでも抑えるために、宅配ボックスをDIYで設置できないかと検討されている方も多いのではないでしょうか。
結論から言いますと、宅配ボックスの設置はプロに任せた方が安心です。なぜ宅配ボックスのDIY設置はおすすめしないのかを解説します。
宅配業者によっては使用してもらえない
自作の宅配ボックスでは、「サイズが合わず荷物を入れてもらえない」「鍵の構造が複雑で施錠してもらえない」といったトラブルが起こることがあります。
特に大手配送業者では、受領印や暗証番号のやり取りが不要な専用設計のボックスでなければ、対応してもらえない場合もあるため注意が必要です。
確実に荷物を受け取るためには、対応実績のある市販の宅配ボックスを設置しましょう。
セキュリティ面に不安がある
宅配ボックスは、不在時でも安全に荷物を受け取れることが重要です。
しかしDIYの場合、南京錠やワイヤーロックで済ませるケースが多く、防犯面で大きな不安が残ります。
万が一、荷物が盗まれたり、ワイヤーを切られたりした場合でも、責任を問えないことが多いのが現実です。
一方、市販の宅配ボックスはダイヤルロックや施錠確認機能など、セキュリティ面を考慮した設計がされています。
プロの業者に依頼することで、コンクリートやタイルなどの床面にアンカーボルトと呼ばれる専用のボルトで部材や器具などを固定して持ち運べないようにしてくれます。
防水性が落ちる
屋外設置を前提とした宅配ボックスでは、防水性や耐久性が非常に重要です。
自作の場合、使用できる素材が限られ、防水処理が不十分になりがちです。特に梅雨や台風などの時期には、ボックス内に雨水が入り込み、荷物が濡れてしまうリスクがあります。
市販品は、防水試験をクリアしており、雨風に強い塗装や構造が採用されています。
屋外で長く安心して使うためには、こうした耐候性・耐久性を考慮した設計が不可欠です。
パナソニック「コンボ」vs LIXIL「宅配ボックス」。人気メーカーの特徴
パナソニック「コンボ」の特徴
パナソニックの宅配ボックス「コンボシリーズ」は、さまざまな家にマッチする容量とデザイン、カラーバリエーションで提供されています。
- コンパクトタイプ:小物の受け取りに最適
- スリムタイプ:幅はミドルタイプの約半分
- ハーフタイプ:奥行はミドルタイプの約半分
- ミドルタイプ:ハーフタイプ•スリムタイプの約2倍の容量
上記のようなタイプがあり、いずれも4色展開されています。
配達業者が伝票差込口に伝票を入れて、捺印ボタンを押すことで無人でありながら荷物の受け入れを完了できる機能が魅力的です。
LIXIL「宅配ボックス」の特徴
LIXILもさまざまな宅配ボックスを展開しており、シンプルな宅配ボックスから、インターホンがセットになった高機能なものまで、用途に合わせて選択できます。
- 宅配ボックスKN:自由度が高い
- 宅配ボックスKL:手動錠でシンプルなデザイン
- スマート宅配ポスト:スマホと連動して荷物が届いた際に通知を送ることが可能
- 宅配ボックスKT:容量に余裕がたるタイプとコンパクトサイズの2タイプを展開
LIXILの宅配ボックスは、表札やポストと一体化しており、玄関まわりの機能をひとつにまとめたオールインワンタイプやスマートフォンと連携可能で、受取状況の通知や開錠操作などを遠隔で管理できるIoT連携タイプ、シンプルな設計で宅配ボックスのみを設置したい際におすすめな宅配ボックス専用タイプが展開されています。
特に、IoT宅配ボックスは、宅配中の様子をスマートフォンでリアルタイム確認でき、宅配・集荷時にパスワードを設定可能なため、セキュリティ面も安心です。
YKK AP「ルシアス」の特徴
YKK APが展開しているルシアスの宅配ボックスは、木調複合色9色、アルミ色2色の全11色から好きなデザインを選択できます。
据置き型や柱型、壁埋込型、宅配ボックス2段型など計6つのラインナップで展開しています。
据置き型は、床面に穴を開けてしっかり固定するアンカー固定とポーチ仕上げに穴を開けずに施工可能な接着固定の双方に対応している点が特徴的です。
いずれのメーカーの宅配ボックスでも、自宅玄関とのデザインがマッチするか、サイズ展開が豊富かを念頭にカタログなどで比較すると良いでしょう。
導入前に確認!宅配ボックス設置で使える「補助金」があるかも
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、宅配ボックス設置だけでは補助対象にならず、省エネ改修とセットで行うことが条件です。
具体的には、宅配ボックス設置と同時に以下のいずれかを実施する必要があります。
- エコ住宅設備の設置(高効率給湯器、節水型トイレなど)
- 開口部(窓・ドア)の断熱改修
- 屋根・外壁・天井・床の断熱改修
この条件を満たすと、1戸あたり11,000円の補助金を受け取ることができます。
子育て支援型共同住宅推進事業
子育て支援型共同住宅推進事業は、民間の賃貸住宅や共同住宅で子育て世帯の生活環境を支援することを目的とした制度です。
- 既存の物件であること
- 補助対象となる共同住宅における子育て世帯の入居率が3割以上であること
- 平均床面積が40㎡以上であること
- 建物が新耐震基準に適合していること
- すべての住戸で転落防止対策が講じられていること
- 宅配ボックスがエントランス等の共同部分に設置されていること
- 設置する宅配ボックスが「子育てエコ支援事業」の登録商品であること
上記の条件を満たすことで、補助金を受け取ることができます。1棟あたりの上限は50万円です。
まとめ
宅配ボックスの設置にかかる費用相場は、3万円〜25万円です。
DIYで設置するよりも、施工業者に依頼した方がしっかりと固定してもらえるため、防犯面も安心ですし、資産価値にもつながります。
外出している時間が多い方にとっては、再配達の手間や時間を考えると初期費用がかかっても宅配ボックスを設置した方が良いでしょう。
宅配ボックスを選ぶ際は、機能だけでなく、自宅との親和性が高いデザインやカラーを展開しているメーカーに注目し、外構に強い複数の業者に見積もりを依頼することおすすめします。