キッチンをリフォームする費用の相場料金は?タイプ別比較
キッチンのリフォームを検討する際、最も気になるのが費用面です。
古くなったキッチンを新しくしたい、使い勝手を改善したいと考えても、予算の目安がわからなければ計画を立てることも不可能でしょう。
この記事では、キッチンリフォームの費用相場をタイプ別に詳しく解説します。
本体のみの交換、レイアウト変更を伴う工事、内装込みの全面リフォームという3つのケースに分けて、それぞれのメリットと注意点をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
キッチンリフォームの費用相場とタイプ別価格例
キッチンリフォームの費用相場は、400,000円から1,500,000円前後が一般的です。
この価格にはキッチン本体と工事費が含まれています。
費用に大きな幅がある理由は、交換する範囲によって工事内容が大きく異なるためです。
予算を立てる際は、どこまで手を加えるかを明確にすることが重要です。
キッチン本体のみ交換するケース
既存のキッチンと同じ位置で新しいキッチンに入れ替える、最もシンプルな工事です。
配管や電気の位置を変えず、本体だけを取り外して新しいものを設置します。
費用は400,000円から700,000円前後が目安となります。
この価格帯には以下の内容が含まれます。
- システムキッチン本体(スタンダードグレード)
- 既存キッチンの解体・撤去費用
- 新規キッチンの組み立て・設置費用
- 給水・排水接続工事
- ガス接続またはIH接続工事
本体のグレードによって価格は変わりますが、標準的な設備であれば500,000円台で収まるケースが多いです。
食洗機やタッチレス水栓などのオプションを追加すると、その分費用が上乗せされます。
工期は通常2日から3日程度が通常です。
キッチン本体のみ交換するケースのメリットと注意点
メリット
- 工期が短く費用を抑えやすい:配管移設などの大がかりな工事が不要なため、短期間で完了します
- 日常生活への影響が少ない:2~3日で工事が終わるため、仮設キッチンを用意しなくても良い
- 予算計画が立てやすい:追加工事が発生しにくく、見積もり段階で総額を把握しやすい
注意点
- 収納量は変わらない:キッチンのサイズや形状を大きく変えられないため、収納力の大幅な改善は難しい
- レイアウト変更ができない:壁付けキッチンを対面式にするなどの動線改善はできない
- 配管の老朽化に対応できない:既存の配管をそのまま使うため、築年数が古い場合は後々トラブルになる可能性がある
キッチンのみの入れ替えは、位置や間取りには満足しているが、設備の老朽化や機能面で不便を感じている方に適しています。
レイアウトを変更してリフォームするケース
壁付けキッチンを対面式やアイランド型に変更するなど、キッチンの位置やレイアウトを変える工事です。
給排水管の移設を伴うため、本体交換のみの場合より費用と工期がかかります。
費用は800,000円から1,200,000円前後が目安です。
この価格には以下の工事が含まれます。
- システムキッチン本体(スタンダード〜ミドルグレード)
- 既存キッチンの解体・撤去
- 給水管・排水管の移設工事
- 電気配線の移設工事
- ガス管の移設工事(ガスコンロの場合)
- 床の補修工事
- 壁の補修・仕上げ工事
壁付けを対面式にする場合は比較的シンプルですが、アイランドキッチンにする場合は天井からの排気ダクト工事が必要になるため費用が高くなります。
また、床下の配管ルートの状況によっては追加工事が必要になることもあります。
マンションの場合は構造上の制約で希望通りのレイアウトにできないケースもあるため、事前の確認が重要です。
工期は5日から10日程度が一般的です。
配管工事や電気工事に時間がかかるため、本体交換のみの場合より長くなります。
レイアウト変更リフォームのメリットと注意点
メリット
- 家族とコミュニケーションしやすい配置にできる:対面式にすることでリビングやダイニングを見渡せる
- 動線が改善される:冷蔵庫や食器棚の配置を見直すことで作業効率が上がる
- 空間を広く使える:壁で仕切られていたスペースを有効活用できる
- デザイン性が向上する:見せるキッチンとして空間全体の印象が変わる
注意点
- 床下工事や電気工事で費用と工期が増える:配管の延長や床の補修など、見えない部分の工事が多い
- マンションでは制約が多い:排水勾配の確保や管理規約によって希望通りにならない場合がある
- 換気設備の見直しが必要:レンジフードの位置変更に伴い、排気ダクトの工事が発生する
- 仮設キッチンの期間が長い:工事期間中は簡易的な調理設備で過ごす必要がある
このケースは、家族構成の変化や生活スタイルの変化に合わせてキッチンの使い勝手を根本から見直したい方に適しています。
内装も併せて全面リフォームするケース
キッチン本体だけでなく、配管・床・壁・天井・照明まで含めた全面的なリフォームです。
キッチン空間全体を一新することで、使い勝手とデザイン性が大幅に向上します。
費用は1,200,000円から1,500,000円前後が目安となります。
この価格には以下の工事が含まれます。
- システムキッチン本体(ミドル~ハイグレード)
- 既存キッチンの解体・撤去
- 給水管・排水管の全面更新
- 電気配線のやり直し
- 床材の張り替え(フローリングまたはクッションフロア)
- 壁・天井のクロス張り替えまたは塗装
- 照明器具の交換
- レンジフードの交換
- カウンター造作(対面キッチンの場合)
築年数が経過した住宅の場合、配管の老朽化対策として全面リフォームを選ぶケースが増えています。
見える部分だけでなく、隠れた部分まで一新できるため、長期的な安心につながります。
工期は10日から2週間程度です。
内装工事に時間がかかるため、他のケースより長期間になります。
ただし、キッチン空間を根本から改善できるため、満足度の高いリフォームになることが多いでしょう。
全面リフォームのメリットと注意点
メリット
- キッチン全体を総合的に改善できる:本体・設備・内装すべてが新しくなる
- 配管の老朽化に対応できる:見えない部分まで新しくすることで長期的な安心が得られる
- 収納計画を最適化できる:背面収納や吊り戸棚を含めた総合的な計画が可能
- 断熱・換気性能を向上できる:窓の見直しや換気設備の強化で快適性が増す
- 照明計画で使いやすさが向上:手元灯やダウンライトで作業性が改善される
注意点
- 工期が長く数日間キッチンが使えない期間が発生する:2週間程度は本格的な調理ができない
- 外食の費用がかかる:工事期間中の食事をどうするか計画が必要
- 近隣への配慮が必要:解体工事や配管工事で音や振動が発生する
- 予算オーバーしやすい:こだわりを追求すると想定以上に費用がかかる可能性がある
このケースは、築20年以上経過していて設備の老朽化が進んでいる場合や、中古住宅を購入してフルリノベーションする際におすすめです。
キッチンリフォームを検討する際のポイント
キッチンリフォームを成功させるには、費用だけでなく以下のポイントをしっかり確認することが大切です。
家族の人数や調理・収納の仕方に合わせて工事する
- 食器や調理器具の量に応じた収納スペースを確保する
- ゴミの分別方法に合わせて収納計画を立てる
- 将来的な家族構成の変化も考慮する
レンジフードの排気ルートや配管位置の確認する
- 排気ダクトの長さや曲がりが多いと換気効率が落ちる
- 排水管の勾配が確保できるか床下の状況を確認する
- 給水管の水圧が十分か事前にチェックする
IH/ガスなど設備仕様と電源容量を確認する
- ガスからIHに変更する場合は電気容量の増設が必要な場合がある
- 食洗機を追加する場合も専用回路の確保が必要になる
- ブレーカー容量が足りない場合は電気工事が追加される
これらのポイントを事前に確認しておくことで、工事中の追加費用や計画変更を防ぐことができます。
複数の業者から見積もりを取り、現地調査をしっかり行ってもらうことをおすすめします。
まとめ
キッチンをリフォームする費用は400,000円から1,500,000円前後が目安となります。
工事を行うメリットとしては、使い勝手・収納力・省エネ性・デザイン性の向上があげられます。
古いキッチンを新しくすることで、調理効率が上がり、掃除もしやすくなりなり、ひいては光熱費の削減にもつながるはずです。
レイアウトと設備条件に合う工事を行うことを前提に、予算だけでなく、家族構成や調理スタイル、住宅の構造的な制約も考慮して計画を立てましょう。
また、マンションでは配管位置や管理規約による制限があるため、事前の確認が重要です。
ぜひこの記事を参考に、じっくり検討して最適なプランを選んでください。