キッチンリフォームで後悔しがちな失敗例9選
「もっとおしゃれなキッチンにしたい」、「キッチンの利便性を向上したい」といった目的からキッチンリフォームを検討されている方も多いのではないでしょうか。
キッチンリフォームを考える際には、成功例を見ること以上に失敗例を把握しておくことが大切です。
実際には、多くの人が想像しているよりも失敗事例は多く、デザインや素材、レイアウトを検討している段階では楽しくても、完成後に「理想通りに仕上がったと思ったのに、使ってみたら不便だった」という後悔が生まれることがあります。
本記事では、キッチンリフォームにおける後悔しがちな失敗例を紹介していますので、キッチンリフォーム時の参考にしてください。
キッチンリフォームで失敗が起きやすい理由
キッチンリフォームの失敗は、コストやスペース、使い勝手など多様な要因が重なって起こります。
憧れのデザインを優先して設備を導入した結果、予想以上にスペースを取られてしまい、キッチンの動線が狭くなってしまうケースは珍しくありません。
また、図面だけを見て判断したことで、実際に完成してみるとキッチンの高さが身体に合わず、肩や首、腰に負担がかかってしまう例もあります。
こうした失敗を避けるには、間取りや形状を正しく把握したうえで、動線を含む使いやすさにもしっかり目を向けることが大切です。
キッチンリフォームで起きやすい失敗9選
1. 作業スペースが狭くなり調理しにくい
L型のシステムキッチンにリフォームすることで、収納量が増え、少ない動きで作業がしやすくなるという印象を持たれる方もいるでしょう。しかし、実際にはコーナー部分が使いづらく、デッドスペースになりやすいという注意点があります。
また、大きめのシンクを採用したり、コンロを3口に変更したことで、下ごしらえや盛り付けに必要な調理スペースがほとんど確保できなくなってしまったという話も耳にします。
快適に作業するためには、調理用のスペースを最低でも幅45cm、余裕を持つなら60cm〜90cmは確保しておくことを意識すると安心です。
2. ゴミ箱の置き場がなく生活感が丸見え
キッチンリフォームの失敗例として、リフォーム後になって「ゴミ箱を置く場所がない」という状況が挙げられます。
キッチン本体の設備やデザインに意識が向いていると、普段使いするアイテムのスペースが確保できず、仕方なく通路の中央にゴミ箱を置くこととなり、通るたびに邪魔になるという経験をした方も多いのではないでしょうか。
分別ルールが細かい地域では複数のゴミ箱が必要になるため、より計画的な配置が求められます。
対応策としては、ゴミ箱用のスペースは必ず確保しておくことが大切で、上下に重ねて使えるダストボックスを取り入れる方法も有効です。
3. 収納が足りず背伸び・かがみ動作が増えた
キッチンの実物を確認しないままリフォームを進めた結果、自分の身長に合わず使いにくくなってしまったという話は少なくありません。
高さが合わないと、位置が高い場合は肩や首に負担がかかり、低い場合は前かがみの姿勢が続くため腰を痛める原因になります。
一般的なキッチンの高さの目安は「身長÷2+5cm」とされており、身長160cmの方であれば高さ85cm前後が使いやすいとされています。
キッチンカウンターの高さは80cmや85cmが多いものの、1cm刻みや2.5cm刻みで選べる商品も増えているため、細かく調整したい方にも対応できます。
また、作業スペースよりもシンクやコンロでの作業時間が長い場合は、シンクの深さや五徳、鍋の高さなども含めて検討しておくと、より使いやすい高さを選びやすくなります。
4. 冷蔵庫・家電の配置が悪く動線が長くなる
冷蔵庫などの大型家電の設置スペースを誤ってしまうケースは意外と多く、スペース自体は確保していても測定が正確でなければ、いざ搬入した際に収まらないという事態が起こりやすくなります。
シンク・コンロ・冷蔵庫の配置バランスが崩れると、調理のたびに行き来が増え、家事効率が大きく低下します。
見た目を優先して対面式やアイランドキッチンを選んだ結果、通路幅や作業スペースが十分に取れなかった、というのも典型的な失敗例です。
こうした問題を避けるには、調理に必要な3点を結んだ動線を意識するワークトライアングルの考え方を参考にすると、使い勝手の良いレイアウトを実現しやすくなります。
5. コンセントが足りない・位置が使いづらい
電子レンジや炊飯器、電気ポットなど、キッチンで使う家電は意外と多く、リフォーム後に配置を変えたことでコードがコンセントまで届かなくなってしまったという話もよく聞かれます。
キッチンカウンターを工夫したり、延長コードを使ったりして解決できる場合もありますが、せっかくリフォームをするのであれば、見た目も使い勝手もスッキリしている方が良いでしょう。
キッチン周りの家電は後から増えていくことが多いため、可能であればリフォームのタイミングでコンセントの増設工事も検討しておくと、将来の使い勝手が大きく向上します。
6. 換気扇の吸い込みが弱く油汚れが広がる
キッチンは、油汚れ・ニオイ・蒸気などが特に発生しやすい場所のため、換気性能の弱い換気扇や、お手入れしにくい素材の製品を選んでしまうと、リビングにまでニオイが広がったり、掃除の負担が大きくなったりすることがあります。
このようなケースの対策としては、コンロ周りに油跳ね防止のガードを設置したり、お手入れしやすい高性能レンジフードに変更したりする方法があります。
また、ニオイが気になる場合は風量が強力な換気扇を採用することも選択肢に入れると良いでしょう。
キッチンは毎日使う場所だからこそ、デザインだけでなくお手入れのしやすさも重視して選ぶことが大切です。
7. 扉材や天板を選び失敗して掃除が大変
キッチンの天板や扉材を選ぶ際に、見た目の美しさだけを基準にしてしまい、結果として汚れが目立ちやすくなり、日々の掃除が大変になってしまったという失敗例も聞かれます。
特に白系や鏡面仕上げの素材はスタイリッシュで人気がありますが、油はね・水滴・指紋などの小さな汚れでもすぐに気になりやすい点がデメリットです。
このようなケースの対応策としては、汚れが目立ちにくいマット仕上げの天板を選ぶか、一体型の天板を選ぶといった方法がおすすめです。
8. 通路幅が狭くキッチンで体がぶつかる
アイランドやペニンシュラなどの対面式キッチンは、おしゃれでメリットも多いことから人気ですが、壁付けのオープンキッチンからリフォームした結果、「思った以上に狭くなってしまった」という失敗談は少なくありません。
対面式キッチンは、壁付けキッチンに比べて必要な面積が大きくなるため、同じスペースの中でレイアウトを変更すると、作業範囲や移動スペースが圧迫されやすい傾向があります。
冷蔵庫や収納ラックを開いたときにどれくらいの幅が必要か、シンク・コンロ・冷蔵庫の間をどのように行き来するかなど、実際の動線をしっかりイメージすることが大切です。
通路の幅は、最低でも90cm〜120cmを目安にすると快適に使えます。とくに2人以上でキッチンに立つ場合はすれ違う場面が多くなるため、120cmほどの通路幅は確保しておきましょう。
9. 思ったより暗い・影ができて作業しづらい
キッチンを移動してリフォームした結果、以前よりも暗く感じるようになってしまったというケースも少なくありません。
原因としては、手元灯の配置不足や棚が窓を塞いでしまい、自然光が遮られてしまうケースが考えられます。
対策としては、手元灯や間接照明を追加するか、窓がある場合は採光条件を考慮し、自然光を十分に取り入れられるよう、リフォーム業者に相談しながら設計すると、明るく快適なキッチン空間を実現できます。
失敗しないキッチン計画のためのチェックポイント
キッチンリフォームを失敗しないためには、動線や収納、清掃のしやすさなど総合的に考えることが大切です。
高さの問題は実際にショールームで確認
キッチンリフォームでよく問題になる高さの調整は、「身長÷2+5cm」という目安を参考にする方法もありますが、実際にはショールームで直接確認することが最も確実です。
数字だけではイメージしにくい作業動線や手の位置、腰の高さなどを、実際のキッチンで体感することで、リフォーム後に高さが合わず使いにくくなるリスクを大幅に減らせます。
普段の調理や手の動き、腰の高さを意識しながら、シンクやコンロの位置を確認すると、より自分に合った快適なキッチンを選ぶことができます。
作業動線の問題はワークトライアングルを意識する
効率的な作業動線は、使いやすいキッチンを作る上で欠かせないポイントです。
特に、シンク・コンロ・冷蔵庫の三点を結ぶ「ワークトライアングル」を意識することで、無駄な移動を減らし、調理や片付けがスムーズに進むようになります。
ワークトライアングルの三辺の合計を5m~7m程度に抑えると、効率的な動線を確保しやすくなります。
使用頻度が高い家電と必要なコンセント口数を決めておく
コンセントの位置が使いたい家電と合っていないと、届かずに使えなかったり、高すぎ・低すぎで操作するたびにストレスを感じます。
キッチンリフォームの際は、家電の配置や使用頻度を考慮し、必要なコンセントの口数や位置を計画的に設置することが重要です。
まとめ
キッチンリフォームで後悔しやすい失敗例を紹介しました。
キッチンは生活の質に直結する重要な空間であり、機能性とデザイン性の両方が求められます。
リフォームを成功させるためには、予算や作業動線、収納計画、そして信頼できる業者選びをしっかり行い、将来を見据えたプランニングをすることが大切です。
本記事で取り上げた失敗例や対策を参考にして、使いやすく理想的なキッチンを実現してください。