カップボード後付けの費用相場は?工賃込み価格と「壁の補強」の重要性

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キッチンを更におしゃれにしたい、機能性を高めたいという目的から、カップボードの後付けを検討されている方にとって、やはり気になるのは費用でしょう。

カップボードは、さまざまな種類やタイプがあり、条件によってかかるコストが異なります。

本記事では、カップボードを後付けする際にかかる費用相場について解説していますので、参考にしてください。

なぜ「家具屋の食器棚」ではなく「後付けカップボード」が選ばれるのか

カップボードは耐震性に優れている点が特徴です。

多くの製品では、頑丈な木材や金具を用いた構造や、内部に補強板を設ける工夫によって、地震の揺れに対する耐久性を高めています。さらに、壁にビスで固定する方法を採用しているため、地震時に倒れてくる可能性も低いです。

カップボードには主に3つのタイプがあります。

トールタイプは背が高く、上から下までが全面的に食器棚になっているタイプで、多くの食器を収納したい場合に適しています。一部には家電を置けるスペースが設けられている場合もあります。

カウンタータイプは上下に棚が分かれ、中間部分にカウンターがあるタイプで、炊飯器や電子レンジなどの家電も置けるため、家電を多く使用する家庭に向いています。

さらに、トールタイプとカウンタータイプを組み合わせたハイブリッドタイプもあり、収納力を確保しつつカウンターも活用できる点が特徴です。

このように、単に収納力だけでなく、家のレイアウトや使い方に応じてデザインを選べるのも魅力となっています。

カップボード後付けの費用相場と内訳(本体代+施工費)

タイプ 価格帯 メリット デメリット
メーカー純正品 20万円〜50万円 デザインを統一しやすい セミオーダーなどと比べると高い
セミオーダー•家具店オリジナル 15万円〜30万円 据え置きで設置工事が不要の場合が多い 固定が甘く倒壊のリスクがある

メーカー純正品(LIXIL・パナソニック等)【相場:20万円〜50万円】

LIXILやパナソニックといったメーカー純正品のカップボードを後付けする場合の費用相場は、20万円〜50万円となります。

純正品を導入するメリットとしては、本体も工事もメーカー手配で済ませることが可能なため、手間が少ない点です。

また、キッチンと同じメーカーで揃えることでデザインに統一性が生まれます。

ただし、純正品はニトリなどの家具店で販売されているものと比べると高価な傾向があります。

セミオーダー•家具店オリジナル【相場:15万円〜30万円】

セミオーダーやニトリなどの家具店で販売されているカップボードを後付けする際の費用相場は、15万円〜30万円です。

サイズをオーダーできる点や、工事不要で手軽に導入できる点がメリットですが、据え置きタイプは壁に固定しないため、地震が起きた際に倒れてくるリスクがあります。

施工費(工事費)の内訳

カップボードを後付けする際の施工費の内訳は、以下の通りです。

  • 取り付け工事費:3万円〜5万円
  • 下地補強工事費(必要な場合):1万円〜3万円
  • 電気工事(コンセントの増設•移設):1万円〜3万円

カップボード本体の価格に取り付け工事費やオプション費用などが加わる計算となります。

さらに、場合に応じて壁面の補強工事を行う場合や、搬入に特殊な方法が用いられる場合にも追加費用が発生します。

注文住宅や建売で「後付け」にする際の最大の壁は「下地(したじ)」

注文住宅や建売住宅でカップボードを後付けする場合は、壁面の下地の状態を確認することが重要です。

一般的に、壁のクロスの下には石膏ボードが1枚だけ敷かれていることが多く、石膏ボード自体はカップボードの重さを支える力がないため、ビスを打ち込むだけでは固定が難しく、崩れてしまうことがあります。

そのため、カップボードと吊り戸棚を同時に設置する場合は、必ず下地の補強材の有無を確認しましょう。

無理にDIYで固定しようとした場合、設置できたとしても食器の重みに耐えられず、落下の危険があるため注意が必要です。

自宅の下地補強の状況は、建築時に業者から渡される「平面詳細図」で確認できます。

メーカー選びのポイント。LIXIL、パナソニック、クリナップの特徴

LIXILカップボードの特徴

LIXILのカップボードは、3つのタイプが展開されています。

  • シエラS
  • ノクト
  • リシェル

シエラSはシンプルで使いやすく、飽きのこないデザインと手ごろな価格から人気があります。

ノクトはキャビネットの種類が多く、キッチンや生活スタイルに合わせた柔軟な組み合わせが可能です。

リシェルは上質なディテールを備えつつもシンプルで、高機能なハイエンドモデルとして位置づけられています。いずれもサイズやカラーのバリエーションが豊富な点が特徴です。

パナソニックカップボードの特徴

パナソニックも3タイプのカップボードを展開しています。

  • リビングステーションVスタイル
  • S-Class
  • L-Class

リビングステーションVスタイルはベーシックタイプで、ユニットの種類は限られるものの、家電収納ユニットなど基本的な機能は揃っています。

Sクラスは扉柄が45色と豊富で、奥の食器も取り出しやすい回転アミカゴ付き収納を備え、デザイン性と機能性を両立しています。

Lクラスは最上位シリーズで、扉のカラーや奥行の選択肢が多く、家電やオーブンをビルトインできるユニットも揃え、ハイクラスかつ多彩なユニット構成が特長です。

クリナップカップボードの特徴

クリナップのカップボードは、以下の3タイプで展開されています。

  • ラクエラ
  • ステディア
  • セントロ

ラクエラは最もベーシックなタイプで、スライド引出しや開き戸を中心としたシンプルな収納ユニットが特徴です。

ステディアはミドルグレードで、食器や道具をまとめて収納できるカップボードや、普段はカウンターとして使い、来客時には扉を閉めて目隠しになるシステム収納など、使い勝手に工夫があります。

セントロは最上位グレードで、フラップアップ扉収納やウォール家電収納庫、コーナーパントリーなど多彩なユニットが揃い、自由度の高いプランニングが可能です。

カップボードを選ぶ際は、基本的には現在使っているキッチンメーカーのものを選ぶと良いでしょう。同じメーカーで統一することで、カラーや質感がまとまり、おしゃれに見えます。

後悔しないために。コンセント位置とゴミ箱スペースの確保

カップボードを選ぶ際に意外と見落とされやすいのが、コンセントの位置です。

現代のキッチンでは電子レンジ、トースター、炊飯器、電気ポットなど多くの家電を使うため、コンセントの数や配置が使い勝手に直結します。

特に家電収納用のカップボードでは、炊飯器の蒸気を逃すスペースやトースターの熱がこもらない配置を考慮し、適切な位置にコンセントを設けることが重要です。

十分なコンセントがなかったり、使いにくい場所にある場合は配線が煩雑になり、キッチン全体の見た目にも影響します。

また、ゴミ箱を目立たせたくないからといってカップボード下にスペースを設けると、収納量が足りなくなる可能性もあるため、ゴミ箱のスペースをしっかりと考慮してスペースを設けましょう。

まとめ

カップボードを後付けする際の費用相場は、15万円〜50万円前後となります。

メーカーの純正品を導入するか、セミオーダーや家具店で購入するか、オプションをつけるかにもよって費用は異なります。

カップボードを後付けする際は、DIYで対応せずプロの施工業者に任せましょう。自身で対応すると壁面への固定が甘く、災害時に倒れてしまう可能性があります。

災害時に家族を守るためにも、そして資産価値を高めるためにも倒壊リスクがない方法で設置するようにしましょう。

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