床暖房を後付けする費用の相場料金は?タイプ別比較
寒い冬を快適に過ごすために、既存の住宅に床暖房を後付けしたいとお考えの方は多いのではないでしょうか。
床暖房の後付け工事は、選ぶ方式や施工範囲によって費用が大きく変わります。
この記事では、床暖房を後付けする際の費用相場をタイプ別に詳しく解説し、失敗しない選び方のポイントもご紹介します。
床暖房後付けの費用相場とタイプ別価格
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| 電気式床暖房 | 1畳あたり20,000円〜 50,000円程度 |
• 初期費用を抑えやすい • 施工が比較的簡単 • 部分設置も可能 |
• 電気代が高い • 広い部屋に不向き |
| 温水式床暖房 | 1畳あたり50,000円〜 100,000円程度 |
• ランニングコストが安い • 広い面積を効率的に暖房 • 快適な暖かさ |
• 初期費用が高い • 大掛かりな工事 • メンテナンスが必要 |
| フロア一体型リフォーム | 1部屋全体で500,000円~ 1,000,000円以上 |
• 床材と暖房を同時更新 • 断熱性能が大幅向上 • 仕上がりが美しい |
• 初期費用が最も高い • 工事期間が長い • 生活への影響が大きい |
床暖房を後付けする場合、1部屋あたり200,000円〜800,000円前後が一般的な相場です。
ただし、この金額は選択する方式によって大きく変動するため、注意が必要です。
費用に影響する主な要素は以下の通りです。
- 暖房方式:電気式か温水式かで初期費用が異なる
- 施工面積:広くなればその分費用は増加
- 既存床材の種類:撤去・下地処理の必要性で変動
- 断熱材の有無:断熱工事の併用などにより費用アップ
- 熱源設備:温水式の場合、ボイラーや給湯器の設置・交換が必要なケースもある
電気式床暖房

参考)https://www.lixil-reform.net/scripts/usr/case_detail.asp?P=930115,13
電気式床暖房は、電熱線やカーボンヒーターを使って床を暖める方式です。
後付けリフォームでは最も選ばれることの多いタイプといえます。
費用の目安
- 1畳あたり20,000円〜50,000円程度
- 工事期間は1〜3日程度と短い
電気式のメリット
- 施工が比較的簡単で既存の床の上に敷くだけのタイプもある
- 小規模なリフォームに適している
- 初期費用を抑えやすい
- 熱源設備の工事が不要
- 部分的な設置も可能
電気式のデメリット
- ランニングコスト(電気代)が温水式より高くなりがち
- 広い面積には不向き
- 長時間使用すると光熱費がかさむ
電気式は、寝室や脱衣所など比較的狭い空間に部分的に後付けしたい場合や、初期費用を抑えたい方におすすめです。
温水式床暖房

参考)https://www.lixil.co.jp/square/articles/175/
温水式床暖房は、ボイラーや給湯器で温めた温水を床下のパイプに循環させて暖める方式です。
広い範囲を効率的に暖められるのが特徴です。
費用の目安
- 1畳あたり50,000円〜100,000円程度
- 熱源機器の設置・交換が必要な場合は別途費用が発生
- 工事期間は3日〜1週間程度
温水式のメリット
- ランニングコストが電気式より安い
- 広い面積でも効率的に暖められる
- 暖まり方がじっくり快適
- ガス給湯器を利用すれば光熱費を抑えられる
温水式のデメリット
- 初期費用が高い
- 熱源機器の設置スペースが必要
- 施工が大掛かりになる
- メンテナンスが必要
温水式は、リビングなど広い空間を長時間暖めたい場合や、将来的なランニングコストを重視する方に適しています。
フロア一体型リフォーム

参考)https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/interior/smayell-flooring
フロア一体型リフォームは、既存の床材を全て撤去し、断熱材や床暖房設備を組み込んだ新しい床材に入れ替える大規模な工事です。
費用の目安
- 1部屋全体で500,000円〜1,000,000円以上
- 広さや選ぶ床材のグレードで大きく変動
- 断熱工事を含めると更に費用増
- 工事期間は1週間〜2週間程度
フロア一体型のメリット
- 床材と暖房設備を同時に新しくできる
- 断熱材との併用で暖房効率が格段に向上
- 仕上がりの見た目が美しい
- 床の段差を解消できる
- 長期的な快適性が高い
フロア一体型のデメリット
- 初期費用が最も高い
- 工事期間が長く生活への影響が大きい
- 家具の移動や仮住まいが必要な場合もある
フロア一体型は、全面リフォームを検討している方や、築年数が経過して床材自体の交換時期を迎えている住宅に適しています。
断熱性能も同時に高められるため、暖房効率を最大限に引き上げたい場合におすすめです。
床暖房を後付けする際のポイント

床暖房の後付けで失敗しないためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
部屋の広さと利用目的に合わせて方式を選ぶ
- 狭い部屋(6畳以下)や部分暖房:電気式がおすすめ
- 広いリビング(10畳以上):温水式が効率的
- 長時間使用する部屋:ランニングコストの低い温水式
- 短時間だけ使う部屋:初期費用の安い電気式
既存の床材との相性を確認する
床暖房は全ての床材に対応できるわけではありません。
- 対応しやすい床材:フローリング、タイル、クッションフロア
- 対応しにくい床材:厚手のカーペット、一部の無垢材
- 熱による変形リスク:無垢フローリングは収縮・膨張しやすい
既存の床材をそのまま活かせるかどうかで、工事費用が大きく変わります。
事前に業者へ相談し、床材の状態を確認してもらいましょう。
光熱費やメンテナンス費用も含めて検討する
初期費用だけでなく、長期的なコストも考慮することが重要です。
1日8時間、冬季4ヶ月間使用した場合、年間の光熱費差は数万円に達することもあります。
10年、20年と使い続けることを考えると、初期費用が高くてもランニングコストの低い温水式の方がトータルで安くなるケースも少なくありません。
複数業者で見積もり比較することが大切
床暖房の後付け工事は業者によって提案内容や価格が大きく異なります。
- 最低でも3社以上から見積もりを取る
- 工事内容の詳細を比較する
- 保証内容やアフターサービスも確認
- 実績や口コミをチェックする
- 不明点はしっかり質問して解消する
見積もりが安いからといって安易に決めず、工事範囲や使用する機器のグレード、保証期間なども総合的に判断しましょう。
床暖房を後付けするメリットと注意点

床暖房を導入することで得られるメリットは多くありますが、同時にいくつかの注意点も存在します。
床暖房のメリット
部屋全体を均一に暖められる
エアコンやストーブと違い、床から熱が伝わるため、足元から部屋全体が均一に暖まります。
天井付近だけが暑くなるありがちなケースが避けられ、快適な室温を保てます。
ホコリが舞いにくく健康的
温風を出さないため、ホコリやハウスダストが舞い上がりません。
- アレルギー体質の方に優しい
- 小さなお子様がいる家庭にも安心
- 空気が乾燥しにくい
- 換気の必要性が少ない
やけどの心配が少ない
ストーブやファンヒーターのように高温部分がないため、小さな子どもやペットがいる家庭でも安全です。
部屋が広く使える
暖房器具を置くスペースが不要になり、インテリアの自由度が高まります。
床暖房のデメリットと注意点
初期費用が高い
床暖房の最大のデメリットは、エアコンやストーブと比べて初期費用が高額になる点です。
- 電気式でも最低50,000〜100,000円以上
- 温水式なら300,000円以上は必要
- 予算に余裕を持った計画が必要
設置工事に時間がかかる場合がある
工事の規模によっては、数日から1週間以上かかることもあります。
- 工事中は部屋が使えない
- 家具の移動が必要
- 大規模工事では仮住まいを検討することも
暖まるまでに時間がかかる
床暖房は即暖性が低く、スイッチを入れてから暖まるまでに30分〜1時間程度かかります。
タイマー機能を活用して、使用する時間帯に合わせて事前に運転を開始する工夫が必要です。
床材の選択肢が限られる
床暖房対応の床材を選ぶ必要があり、デザインや素材の選択肢が制限される場合があります。
まとめ

床暖房の後付け費用は、選択する方式によって大きく異なります。
費用の目安
- 電気式:1畳あたり20,000円〜50,000円程度
- 温水式:1畳あたり50,000円〜100,000円程度
- フロア一体型:1部屋全体で500,000円〜1,000,000円以上
床暖房のメリット
- 部屋全体を均一に暖められる快適性
- ホコリが舞いにくく健康的
- やけどの心配が少なく安全
- 省エネ効果も期待できる(特に温水式)
床暖房のデメリット
- 初期費用が高額
- 工事期間中は部屋が使えない
- 暖まるまでに時間がかかる
失敗を避けるポイント
- 部屋の広さや使用頻度に合った方式を選ぶ
- 初期費用だけでなくランニングコストも考慮
- 既存床材との相性を事前確認
- 複数業者から相見積もりを取る
- 保証内容やアフターサービスも比較
床暖房の後付けは決して安くありませんが、冬の暮らしを快適かつ健康的に暮らす上で強い味方になってくれるはずです。
自宅の状況や予算、ライフスタイルに合った方式を選び、信頼できる業者と相談しながら進めることで、満足度の高い床暖房リフォームが実現できるでしょう。