庭木伐採の費用相場は?1本3,000円〜?安く済む業者の探し方
「庭の木が大きくなりすぎて困っている」
「隣の家に枝がはみ出してクレームが来た」
など、庭木の管理に悩む方は多いのではないでしょうか。
伐採を業者に依頼すると1本3,000円〜30,000円以上と幅があり、抜根や処分まで含めると総額が読みにくいのが実情です。
さらに「自分でやれば安く済むのでは?」とDIYに挑戦して失敗するケースも後を絶ちません。
この記事では、高さ別の費用相場から、よくあるDIYの失敗例、費用を抑える業者選びのコツまで詳しく解説します。
庭木を伐採すべき「3つのリスク」とタイミング
「まだ大丈夫だろう」と庭木を放置していると、思わぬトラブルに発展することがあります。
伐採を検討すべき3つのリスクを確認しておきましょう。
台風や強風での倒木など自宅・車への破損リスク
大きく育った庭木は、台風や強風で倒れたり、枯れ枝が落下したりする危険があります。
車のボンネットや屋根を直撃すれば修理費は数十万円に及ぶことも珍しくありません。
特に根が浅い木や、内部が腐食している木は倒木リスクが高く、早めの対処が必要です。
隣家への枝の侵入など近隣クレーム
民法では、隣地に越境した枝は相手方が切除を請求できると定められています。
落ち葉が隣家の雨どいを詰まらせたり、洗濯物を汚したりするトラブルも珍しくありません。
近所との関係を悪化させる前に、伸びすぎた枝は剪定または伐採で対処しましょう。
シロアリ・スズメバチの巣など害虫の温床になる恐れ
放置された庭木、特に枯れた木や切り株はシロアリの格好の住処になります。
シロアリが木から家屋の柱や土台に移れば、駆除と修繕に100万円以上かかることも珍しくありません。
また、木の洞や枝の間にスズメバチが巣を作るケースもあり、家族や近隣への被害につながる恐れもあります。
庭木伐採の単価・費用相場(1本あたり)
庭木伐採の費用は「木の高さ」によって大きく変わります。
高さの目安と費用相場を確認しておきましょう。
1. 高さ3m未満の低木(相場:3,000円〜5,000円)
脚立不要で作業できる範囲
高さ3m未満の低木は、地面に立ったまま作業できる範囲です。
業者に依頼しても1本3,000円〜5,000円程度と比較的リーズナブルに済みます。
幹が細ければ自分で伐採できるが本数が多いと重労働
幹の直径が10〜15cm程度までなら、ノコギリで自分で伐採することも可能です。
ただし、5本、10本と本数が増えると想像以上の重労働になります。
切った枝葉の処分も含めると丸一日以上かかることもあり、業者に依頼した方が結果的に楽で安く済むケースも多いです。
2. 高さ3m〜5mの中木(相場:10,000円〜15,000円)
脚立や高所作業車が必要
高さ3m〜5mの中木は、2階建て住宅の窓や屋根に届く高さです。
脚立に乗っての作業が必要になり、場合によっては高所作業車を使用します。
費用は1本10,000円〜15,000円程度ですが、枝の量や幹の太さによって変動します。
素人の伐採は転落事故がリスクが高い
脚立からの転落事故は毎年多数発生しており、骨折や頭部打撲など重傷を負うケースも少なくありません。
消費者庁のデータでも、脚立やはしごからの転落事故は高齢者に多く、入院を要する重症になりやすいと報告されています。
高さ3mを超える木の伐採は、安全面からもプロへの依頼が強く推奨されます。
3. 高さ5m以上の高木(相場:20,000円〜30,000円〜)
クレーン車や特殊な吊り切り技術が必要
高さ5mを超える高木は、屋根より高くなり、通常の方法では安全に伐採できません。
クレーン車で木を吊り上げながら切断する「吊り切り」や、木に登って上から少しずつ切り落とす「特殊伐採」の技術が必要になります。
費用は20,000円〜30,000円が目安ですが、10mを超える大木は100,000円以上になることも珍しくありません。
電線に絡む場合や狭い場所では、追加の特殊作業費がかかる
電線に枝が絡んでいる場合は電力会社との調整が必要になり、狭い敷地で重機が入れない場合は人力での慎重な作業が求められます。
こうした条件では、基本料金に加えて10,000円〜30,000円程度の特殊作業費が上乗せされることがあります。
意外とかかる処分と抜根のオプション
伐採費用だけでなく、切った後の処分や根の撤去にも費用がかかります。
見積もり時に確認しておきましょう。
【抜根(根の撤去)】伐採費の50%〜が目安
伐採後に残る切り株と根を撤去する作業が「抜根」です。
費用は幹の太さによって異なり、直径15cm程度で3,000円〜5,000円、30cm以上になると10,000円〜20,000円以上かかることもあります。
根が建物の基礎や配管に絡んでいる場合はさらに慎重な作業が必要です。
切り株を放置するとシロアリの温床になるため、更地にする場合や害虫対策を考えるなら抜根は必須の作業といえます。
【処分費用】一般ゴミでは出せない自治体が多い
伐採した幹や枝葉の処分費用は、軽トラック1台分で5,000円〜10,000円程度が相場です。
太い幹や大量の枝葉は一般ゴミとして出せない自治体がほとんどです。
自分で処分する場合は、細かく切断してゴミ処理センターに持ち込むか、専門業者に依頼する必要があります。
樹種によっては葉の密度が高く、処分費が伐採費より高くなることもあります。
【重機費用】別途回送費などがかかる
高木の伐採でクレーン車を使用する場合、1日あたり20,000円〜50,000円程度のレンタル料がかかります。
また、抜根でユンボ(バックホー)を使う場合も同様に重機費用が発生します。
現場までの回送費(運搬費)も別途請求されることがあるため、見積もり時に確認しておきましょう。
庭木伐採DIYで起きる失敗と事故
費用を抑えようとDIYで伐採に挑戦して、後悔するケースは少なくありません。
実際に起きがちな失敗や事故を紹介します。
転落・怪我
脚立からの転落、チェーンソーの「キックバック」(刃が急に跳ね返る現象)による怪我は、DIY伐採で最も多い事故です。
厚生労働省の統計でも、林業における死傷事故の多くはチェーンソー使用時に発生しています。
未経験者がチェーンソーを使うと、刃が木から跳ね返って腕や脚を切る重大事故につながる危険があります。
プロでも防護服やチャップス(脚の保護具)の着用が義務付けられているほど危険な作業です。
器物破損
木を倒す方向をコントロールするには、「受け口」「追い口」の切り方や、ロープでの牽引など専門的な技術が必要です。
素人が見よう見まねで伐採すると、想定外の方向に倒れて自宅のカーポートやフェンス、最悪の場合は隣家の屋根や車を破壊してしまうことも考えられます。
実際に、プロの造園会社社員でさえ、木の倒れ方が想定外で下敷きになる死亡事故が報告されており、素人の作業ではさらにリスクが高まります。
ゴミ処理不可
意外と見落としがちなのが、伐採後の処分問題です。
多くの自治体では、太さ10cm以上の幹や大量の枝葉は一般ゴミとして回収していません。
結局、処分だけ業者に依頼することになり、最初から全部任せた方が安く済んだ、というケースも考えられるでしょう。
まとめ
庭木の伐採費用は、高さや作業環境によって1本3,000円〜30,000円以上と幅があります。
高さ3m(2階に届く程度)以上の木は、脚立作業やチェーンソーの使用が必要になり、素人には大きな危険が伴い、最悪の場合は命に関わります。
費用を惜しんで取り返しのつかない事態を招く前に、迷わずプロに依頼しましょう。
また、費用は「高さ」だけでなく「枝の量(処分費)」や「根の処理(抜根)」によっても大きく変わります。
見積もりを取る際は、伐採費用だけでなく処分費や抜根費用も含めた総額を必ず確認しましょう。
枝葉の密度が高いキンモクセイなどの樹種や、根が深く広く張っている木は追加費用がかかりやすいため、事前に業者へ状況を伝えておくことが大切です。
作業内容と費用を比較して、最低でも2〜3社から見積もりを取ることで、適正価格かどうかの判断材料になるでしょう。
放置すればするほど木は成長し、費用も高くなるため、早めの対処を心がけてください。