シャッター修理の費用相場は?修理vs交換どっちが得?
目次
最近シャッターが重くなってきた、キーキー音がするなど、こうした症状を放置しておくと、ある日突然「開かない」「閉まらない」という深刻なトラブルに発展します。
この記事では、シャッター修理の費用相場から、修理と交換どちらが得なのか、さらにDIYの危険性や火災保険の活用法まで詳しく解説します。
「キーキー音」や「重い」は警告サイン
シャッターの異変を「まだ動くから大丈夫」と放置していると、取り返しのつかない事態を招くことがあります。
ある日突然、途中までしか上がらなくなる
出かけようとしたところ、シャッターが途中で止まって車が出せないなどといったトラブルでは、バネの劣化が進み巻き上げる力が弱まったことが原因です。
「重い」と感じた時点でバネの寿命が近づいているサインです。
レールから外れて斜めになる
ガイドレールの汚れや変形でスラットがズレると、開閉時に引っかかるようになります。
ここで無理に動かすと、スラットがレールから完全に外れて斜めに傾き、本体が大きく変形してしまうこともあります。
こうなると部分修理では済まず、全交換が必要になるケースも少なくありません。
店舗やガレージの中に人がいる状態で開かなくなる
電動シャッターの場合、モーターや制御盤の故障で突然動かなくなることがあります。
店舗の閉店作業中や、ガレージ内で作業中に開かなくなれば、閉じ込められる危険も考えられます。
手動切替の操作方法を事前に確認しておくことが大切です。
完全に壊れる前にメンテナンス修理を
シャッター修理は、症状が軽いうちに対処するほど費用を抑えられます。
異音や重さを感じた段階なら、注油やバネの調整だけで済むことも多いです。
完全に動かなくなってからでは、バネやモーターの交換が必要になり、費用は数倍に跳ね上がります。
シャッター修理の症状別・費用相場
シャッターの修理費用は、故障の程度や交換する部品によって大きく変わります。
1. メンテナンス・調整のみ[相場:15,000円〜30,000円]
軽度な不具合であれば、部品交換なしのメンテナンスで解決できます。
油切れによる異音や・ガイドレールの掃除・鍵(錠)の交換など
「キーキー」という金属音は、レールやシャフトの潤滑油切れが原因であることがほとんどです。
プロによるグリスアップと清掃で、スムーズな動きが復活します。
鍵の交換は5,000円〜10,000円程度で対応可能です。
プロのグリスアップは持続性が抜群
市販のシリコンスプレーで応急処置はできますが、効果は一時的なものです。
プロが使用する専用グリスは持続性が高く、レールやバネの摩耗も防ぎます。
2. バネ(スプリング)交換・シャフト修理[相場:50,000円〜100,000円]
「シャッターが重くて上がらない」という症状の9割は、バネの劣化が原因です。
巻き上げシャフトの交換工事が必要
手動シャッターの開閉を軽くしているのは、内部のスプリング(バネ)の力です。
バネは10〜15年で寿命を迎え、巻き上げる力が弱まって重くなります。
バネの巻き直しで直る場合は15,000円〜30,000円程度、シャフトごと交換が必要な場合は50,000円〜100,000円程度かかります。
重量物を支えながら作業する危険手当と技術料が含まれる
バネ交換の費用が高い理由には、部品代だけでなく高度な技術と危険を伴う作業であることが挙げられます。
数百kgにもなるスラットを支えながらの作業は、熟練の職人でも緊張を強いられます。
3. 電動モーター修理・制御盤交換[相場:80,000円〜150,000円]
電動シャッターが動かない場合は、モーターや制御盤の故障が考えられます。
基盤交換だけで直るケースも多い
まずはブレーカーやコンセントの確認をしましょう。
電源に問題がなければ、制御盤やモーターの故障が疑われます。
制御盤の交換だけなら20,000円〜50,000円程度、モーター交換になると80,000円〜200,000円程度の費用がかかります。
20年以上前のモデルだと全交換になる可能性も
電動シャッターのモーターは15〜20年で寿命を迎えます。
古い機種は製造終了で部品が入手できず、シャッター本体ごと交換せざるを得ないこともあり、250,000円〜350,000円程度の費用がかかる恐れもあります。
「全交換」の方が安い場合も?修理か交換かの判断基準
修理を重ねるより、思い切って交換した方がトータルで安くなるケースもあります。
設置から20年以上経過すると一箇所直しても他がすぐ壊れることも
シャッターの耐用年数は10〜15年が目安です。
20年以上使用している場合、バネを直してもモーターが壊れ、モーターを直してもスラットが劣化など、次々に不具合が発生することもあります。
部分修理を繰り返すより、一度に交換した方が結果的に安く済むことも多いです。
スラット(蛇腹部分)が大きくひしゃげている場合板金より交換を
台風の飛来物でスラットが大きく変形した場合、部分的な板金修理では完全に直らないことがあります。
スラットの部分交換は20,000円〜程度から可能ですが、変形が広範囲に及ぶ場合は全交換の方が仕上がりも良くなります。
低価格で新品の「電動シャッター」にできることも
手動シャッターのバネ交換に50,000円〜100,000円かかるなら、プラス数万円で電動化を検討する価値があります。
毎日の開閉が格段に楽になり、防犯性も向上するため、長い目で見れば十分に元が取れるでしょう。
シャッターDIYは危険。絶対に分解してはいけない。
強力な「バネ」が圧縮されている
シャッターが軽く開閉できるのは、内部に強力なスプリング(バネ)が仕込まれているからです。
ガレージ用のシャッターともなれば、200〜300kg以上の力がバネに蓄えられています。
この力でスラットを巻き上げているため、大きな危険が伴います。
素人が不用意にネジを外すと大事故に繋がる
バネを固定しているネジを外した瞬間、蓄えられた力が一気に解放されます。
はじけ飛んだバネが腕や顔に直撃すれば、骨折や失明、最悪の場合は指の切断事故につながります。
DIYでできるのは「掃除」と「シリコンスプレー」まで
一般の方ができるのは、レールの掃除やシリコンスプレーによる注油程度です。
ケースを開けてバネやシャフトに触れる作業は、専門の工具と知識がなければ絶対に手を出してはいけません。
台風や車庫入れ失敗など「火災保険」が使えるケースは?
シャッターの修理費用、実は火災保険でカバーできる場合があります。
【風災】台風の飛来物・強風による故障は補償対象の可能性大
火災保険は火災だけでなく、台風や強風による被害も補償対象です。
飛来物でスラットが凹んだ、強風でシャッターがレールから外れたなど、こうした被害は「風災」として保険金が支払われる可能性があります。
【破損・汚損】不注意で車をぶつけてしまった場合も特約次第
車庫入れに失敗してシャッターにぶつけてしまった場合も、「破損・汚損」の特約に加入していれば補償対象になることがあります。
加入している保険の内容を確認してみましょう。
「経年劣化(サビ・寿命)」は対象外
注意が必要なのは、経年劣化による故障は保険の対象外という点です。
あくまで「突発的な事故」による損害が補償されます。
まとめ
シャッター修理の費用は、メンテナンスなら15,000円〜30,000円、バネ交換で50,000円〜100,000円、電動モーター交換で80,000円〜150,000円が相場です。
全交換となると250,000円〜350,000円程度かかります。
シャッターの不調は「重い」と感じた時点での早期対応が、出費を抑える鍵です。
異音や動きの悪さを放置すると、完全に動かなくなってから高額な修理費用を払うことになりかねません。
内部のバネ交換は極めて危険な作業です。
バネの力で指を切断したり、顔面を強打する重大事故が実際に起きています。
DIYでできるのは掃除とシリコンスプレーまでと考え、分解が必要な修理は必ずプロに任せましょう。
メーカー修理は高く遅い傾向があるため、地域のシャッター修理専門業者に見積もりを取るのがおすすめです。
複数社から相見積もりを取れば、適正価格もわかります。
台風被害などは火災保険が使える可能性もあるので、加入内容の確認も忘れず行いましょう。