土間コンクリートの費用相場は?駐車場1台のリアルな価格と「安くする」裏技
目次
駐車場や庭の舗装に利用する土間コンクリートは、砂利やアスファルトより初期費用は高いものの、メンテナンスフリーで長持ちするため人気です。
この記事では、駐車場1台・2台分の費用相場から、見落としがちな付帯工事費、費用を安く抑える裏技まで徹底解説します。
土間コンクリートのメリットと費用対効果
土間コンクリートは高額ですが、多くの方に選ばれる理由があります。
砂利やアスファルトと比較しても、長期的なメリットは見逃せません。
草むしりからの解放される
地面を完全に覆うため、雑草が一切生えてきません。
砂利敷きでは隙間から雑草が生えてきますが、コンクリートなら草むしりの手間から完全に解放されます。
雨の日の泥ハネ・汚れがなくなる
水はけが良く、雨の日でも泥が跳ねません。
車のタイヤや靴が汚れず、玄関周りも清潔に保てます。
ほぼメンテナンスフリー
砂利は定期的な補充が必要で、芝生は刈り込みや水やりが欠かせません。
一方、土間コンクリートは一度施工すればほぼメンテナンス不要です。
初期費用は高いが、20〜30年の耐久性を考えればコスパは良い
適切に施工された土間コンクリートは20〜30年持つと言われています。
長期的に見れば、メンテナンス費用のかからない土間コンクリートは非常にコスパが良い選択です。
土間コンクリート工事の費用内訳と単価相場
土間コンクリートの見積もりを見て「高い」と感じる方も多いことでしょう。
内訳を理解すれば、適正価格かどうか判断できます。
基本の平米単価と計算式
平米単価の相場は10,000円〜15,000円(施工面積で変動あり) ほどです。
土間コンクリートの平米単価は、施工面積によって大きく変わります。
面積が広くなるほど割安になり、狭いと割高になる傾向があります。
駐車場2台分(約30㎡)で平米単価9,000〜10,000円、1台分(約15㎡)で11,000〜12,000円が目安です。
なお、駐車場の場合はコンクリートの厚みが最低7cm以上、一般的には10cm程度必要です。
厚みが足りないと車の重みでひび割れや陥没の原因になるため、見積もりの際は厚みも確認しましょう。
見落としがちな「付帯工事費」の正体
平米単価だけで計算すると、実際の見積もりと大きく差が出ることがあります。
以下の付帯工事費も必ず発生します。
掘削工事費&残土処分費
コンクリートを打つ前に、地面を10〜15cm程度掘り下げる必要があります。
掘削費用は1㎡あたり400〜1,200円、残土処分費は別途かかります。
駐車場1台分でも数百kgの残土が出るため、処分費は意外と大きな金額になります。
路盤調整&砕石敷き
掘削後、砕石を敷いて転圧し、地盤を固めます。
この工程を省くとコンクリートが沈んだりひび割れたりする原因になります。
1㎡あたり1,000〜2,000円程度かかります。
ワイヤーメッシュ代
コンクリート内に鉄筋(ワイヤーメッシュ)を入れることで、ひび割れを防止します。
1㎡あたり500〜1,000円程度が相場です。
重機回送費・ポンプ車費用
ミキサー車やポンプ車の回送費は、面積に関係なく一律で20,000〜30,000円程度かかります。
面積が広いほど、この固定費を分散できるため割安になります。
駐車場1台・2台分・庭の工事費シミュレーション
具体的な費用目安を台数別に紹介します。
駐車場1台分(約15㎡)の費用目安
総額:150,000〜250,000円前後
軽自動車なら約10.5㎡、普通車なら約15㎡が目安で、ドアの開閉や乗り降りのスペースも考慮すると15〜20㎡程度必要です。
平米単価11,000〜12,000円で計算すると、165,000〜240,000円程度が目安になります。
駐車場2台分(約30㎡)の費用目安
総額:300,000〜500,000円前後
2台分の駐車場は30〜35㎡程度で、平米単価は9,000〜10,000円に下がり、300,000〜350,000円程度が目安です。
重機回送費などの固定費を広い面積で割れるため、台数が増えるほど平米単価は割安になる傾向があります。
庭・犬走り(通路)の雑草対策
10㎡程度の庭なら150,000〜160,000円程度が目安です。
建物周りの犬走りや狭い通路は、重機が入れず手作業になることが多いため、平米単価が高くなる傾向があります。
ただし、一度施工すれば雑草対策は完璧になるため、毎年の草むしりの手間を考えれば十分に元が取れます。
DIYで陥りがちな土間コンクリートの失敗
「自分でやれば安くなる」と考える方もいますが、土間コンクリートのDIYはリスクが高いものです。
材料費だけで済むと思いきや、失敗すると撤去・やり直しで結局高くつくケースも少なくありません。
生コンは素人の手作業では均す前に固まりがち
生コンは練り混ぜてから90分以内に打設を完了しなければなりません。
素人の作業スピードでは、均す前に固まってしまう恐れがあります。
計算ミスにより一生「水たまり」ができる恐れも
土間コンクリートは水が溜まらないよう、わずかな傾斜(水勾配)をつける必要があります。
計算を間違えると、雨のたびに水たまりができます。
個人では産業廃棄物の処分が困難
駐車場1台分でも、掘削で出る残土は数百kg〜1トン以上です。
産業廃棄物として処分が必要で、個人での処理は困難です。
数ヶ月でクラッが発生し、撤去費用で倍損する
下地処理や配合を間違えると、数ヶ月でひび割れが発生します。
やり直しには撤去費用も含めて倍以上かかり、プロに頼むより高くつきます。
費用を少しでも安く抑えるための賢いテクニック3選
プロに依頼しつつ、費用を抑える方法を紹介します。
「タイヤが乗る部分だけ」施工する(轍仕上げ)
車のタイヤが通る部分だけをコンクリートにし、中央部分は砂利や芝生にする「轍(わだち)仕上げ」なら、施工面積を大幅に減らせます。
見た目もおしゃれで、コンクリート面積を半分近くカットできることもあります。
目地(スリット)を広めに取る
コンクリートの目地部分を広めに設計し、砂利や人工芝を入れることで、見た目もおしゃれになり費用も抑えられます。
地元の「外構専門業者」に直接依頼する
ハウスメーカー経由だと中間マージンが発生し、2〜3割高くなることも考えられます。
地元の外構専門業者に直接依頼すれば、同じ工事内容でも費用を抑えられます。
土間コンクリートの施工実績が豊富な業者を選ぶことで、仕上がりの品質も安心できるでしょう。
まとめ
土間コンクリートは、正しい知識を持って業者選びをすることが成功の鍵です。
土間コンクリートはやり直しが効かない「一発勝負」の工事です。
施工ミスがあっても簡単にはやり直せず、撤去には200,000円近くの追加費用がかかることも考えられなくありません。
DIYはリスクと労力が見合わないことが考えられます。
プロによる仕上がりは資産価値を守る上でも重要な要素です。
水勾配や強度など、プロの技術があってこそ長持ちします。
適正価格を知り、安く施工するためには、複数の業者から見積もりを取り、内容と価格を比較検討しましょう。