サンルームを後付けする費用の相場料金は?タイプ別比較
自宅にサンルームを後付けしたいとお考えの方にとって、費用面は最も気になるポイントでしょう。
サンルームの後付け工事は、選ぶタイプや仕様によって価格が大きく変動します。
この記事では、サンルーム後付けの費用相場をタイプ別に詳しく解説し、メリット・デメリット、失敗しないためのポイントなどをまとめています。
これからサンルーム設置を検討される方は、ぜひ参考にしてください。
サンルーム後付けの費用相場とタイプ別価格例
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| 簡易タイプ (テラス囲い) |
50〜100万円 | • 費用が安い • 工事が簡単 • 雨よけ・風よけ効果 |
• 断熱性・気密性が低い • 居室利用には不向き |
| 標準タイプ (居室利用可) |
100〜150万円 | • 居室として利用可能 • 複層ガラス採用 • エアコン設置可能 |
• 確認申請が必要な場合あり • 費用が高くなる |
| 高機能タイプ (断熱・防音仕様) |
150〜200万円以上 | • リビング同等の快適性 • 高断熱・高気密 • 資産価値向上 |
• 初期費用が最も高い • 工事が本格的 |
サンルームを後付けする場合の費用相場は、本体価格と工事費を含めて、総額500,000円〜2,000,000円前後が一般的です。
価格の変動要素としては以下の点が考えられます。
- サンルームのサイズ(間口・奥行き)
- 使用する素材(アルミ・樹脂・木製など)
- ガラスの性能(単板・複層・Low-E複層など)
- 屋根の形状(フラット・R型・勾配型)
- 床材の種類と下地処理の有無
- 既存の建物構造と接続工事の難易度
例えば、同じ4.5畳サイズでも、簡易的なテラス囲いなら700,000円程度で済みますが、断熱性の高い高機能タイプでは1,800,000円以上かかることもあります。
サンルーム選びでは、予算だけでなく「どのような用途で使いたいか」を明確にすることが重要です。
洗濯物干し場として使うのか、リビングの延長として快適に過ごせる空間にしたいのかで、必要な仕様が変わってきます。
簡易タイプ(テラス囲い)

参考)https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/exterior/solarea/lineup
費用相場:500,000円〜1,000,000円前後
簡易タイプは、既存のテラスやベランダをアルミフレームとポリカーボネート板などで囲うタイプです。
比較的短期間で設置でき、コストを抑えたい方に適しています。
特徴:
- 既存の床面をそのまま利用するため工事が簡単
- アルミフレーム+ポリカーボネート板が主流
- 雨よけ・風よけとしての機能が中心
- 断熱性や気密性は限定的
- 洗濯物干しや荷物置き場として活用
向いている用途:
- 洗濯物を雨から保護
- 自転車やガーデニング用品の保管場所
- とにかく費用を抑えたい場合
ただし、簡易タイプは夏場の暑さ対策や冬場の寒さ対策が不十分なため、居室としての快適性は期待できません。
あくまで「屋外スペースを簡易的に囲う」という位置づけになります。
標準タイプ(居室利用可)

参考)https://www.lixil.co.jp/lineup/gardenspace/garden_room_gf/
費用相場:1,000,000円〜1,500,000円前後
標準タイプは、床の下地処理や壁の補強を行い、居室としての快適性を高めた仕様です。
断熱性や気密性が向上しており、季節を問わず使いやすい空間と言えます。
特徴:
- 床下地の補強工事を実施
- 複層ガラスや断熱サッシを採用
- エアコン設置も可能な場合が多い
- 換気窓や網戸の設置が標準的
向いている用途:
- 子どもの遊び場やペットスペースとしての利用
- 趣味の部屋やワークスペースとしての利用
- 植物を育てる温室としての利用
- リビングの延長としての利用
標準タイプになると、建築基準法上の「増築」扱いになるケースがあります。
その際は、確認申請が必要になる場合がありますので、事前に自治体への確認を忘れずに行いましょう。
高機能タイプ(断熱・防音仕様)

参考)https://www.lixil.co.jp/lineup/gardenspace/danranmonogatari/
費用相場:1,500,000円〜2,000,000円以上
高機能タイプは、複層ガラスや断熱材を使用し、リビングと同等の快適性を実現した最上位モデルです。
断熱性・気密性・防音性に優れ、一年中快適に過ごせます。
特徴:
- Low-E複層ガラスで断熱性能が高い
- 壁や天井にも断熱材を施工
- 気密性が高く冷暖房効率が良い
- 防音性能も備えている
- 内装仕上げも本格的
向いている用途:
- リビングの延長としての利用
- 冬でも暖かく過ごせる空間が欲しい場合
- 楽器演奏やホームシアターなど防音空間としての利用
- 住宅の資産価値を高めたい場合
高機能タイプは初期費用こそ高額ですが、冷暖房費の削減や快適性の向上を考えると、長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
また、しっかりとした造りのサンルームは住宅の資産価値向上にもつながります。
サンルームを後付けするメリットと注意点
サンルームの後付けには多くのメリットがありますが、同時に注意すべき点も存在します。導入前にしっかり理解しておきましょう。
メリット
洗濯物を天候に左右されず干せる
雨の日や花粉の季節でも安心して洗濯物を干せます。
共働き世帯や小さなお子さんがいる家庭では特に重宝するでしょう。
採光性が高く部屋が明るくなる
ガラス張りのサンルームは自然光をたっぷり取り込めるため、隣接する部屋も明るくなります。
日当たりの悪い北側の部屋にも光を取り込むことができるでしょう。
断熱性や防音性を高めて快適な空間にできる
既存の窓とサンルームの間に空気層ができ、冬場の断熱効果が高まります。
防音性の向上により、趣味の部屋、子どもの遊び場などにも活用できます。
デメリット
夏場は温室のように暑くなる可能性がある
ガラス張りの構造上、夏場は温室のように暑くなります。
遮熱ガラスの採用や換気設備の設置、日よけの工夫が不可欠です。
固定資産税の対象になる場合がある
床・壁・屋根があり、居室として使える構造の場合、固定資産税の課税対象になります。
年間数千円〜数万円の増額が見込まれます。
サンルームを後付けする際のポイント
サンルーム設置で失敗しないために、以下のポイントを押さえておきましょう。
断熱性と換気性能を考慮する
快適なサンルームには、適切な断熱性と換気性能が欠かせません。
- 夏の暑さ対策として天窓や換気窓の設置を検討
- 遮熱・断熱ガラスの採用で温度上昇を抑制
- 冬の寒さ対策として複層ガラスや床下断熱を施工
- エアコン設置も視野に入れた電源工事の計画
特に西日が強く当たる場所では、遮熱対策を十分に行わないと機能を果たしてくれません。
方角と日射条件によって使い勝手が変わる
サンルームの快適性は設置する方角によって大きく変わります。
- 南向き:一年中日当たりが良く、冬は暖かいが夏は暑い
- 東向き:午前中の日差しが入り、午後は比較的涼しい
- 西向き:午後の西日が強く、夏場は特に暑くなりやすい
- 北向き:直射日光は少ないが、明るさは確保できる
それぞれの方角の特性を理解し、使用目的に合った対策を講じることが重要です。
建築基準法と自治体の規制を確認する
サンルーム設置には法的な確認が必要です。
- 建築確認申請:床面積が増える場合は原則必要
- 建ぺい率・容積率:敷地面積に対する建築面積の制限
- 防火地域の規制:準防火地域では使用できる材料に制限あり
- 近隣への配慮:日照権や通風の妨げにならないか確認
違法建築にならないよう、施工業者とよく相談し、必要な手続きを確実に行いましょう。
まとめ
サンルームの後付け費用は、タイプによって大きく異なり、500,000円〜2,000,000円前後が相場となります。
費用の目安:
- 簡易タイプ:500,000円〜1,000,000円
- 標準タイプ:1,000,000円〜1,500,000円
- 高機能タイプ:1,500,000円〜2,000,000円以上
主なメリット:
- 天候に左右されない洗濯物干しスペースを作ることができる
- 採光性により室内の明るさがアップする
- 居住スペースの拡張と多目的利用が叶う
- 断熱効果による省エネが期待できる
注意すべきデメリット:
- 夏場の暑さ対策が必須
- 固定資産税の課税対象になる可能性がある
- 定期的なメンテナンスが必要
- 建築基準法の規制に注意
サンルーム設置で失敗しないためには、「使用目的に合った仕様選び」と「複数業者からの相見積もり」が重要です。
単に安いという理由だけで選ぶのではなく、断熱性能や換気性能、アフターサービスなども含めて総合的に判断しましょう。
また、設置後の固定資産税や建築基準法の確認も忘れずに行い、長期的な視点でコストパフォーマンスを考えることが大切です。
ぜひこの記事を参考に、理想のサンルームを実現し、快適な住空間を手に入れてください。