石油給湯器交換の費用は?工賃込み10万円〜の相場とDIYの危険性
目次
石油給湯器は、一般的に使用を始めてから約10年が交換の目安とされています。
ただし、年数に関わらず、お湯の出が悪くなったり、本体から普段と違う音が聞こえたりする場合は、故障の前兆である可能性があります。
そのような不具合が見られた際には、早めに交換を検討することが望ましいでしょう。
石油給湯器の交換において、やはり費用面は気になるところです。
本記事では、石油給湯器交換の費用相場について解説していますので、参考にしてください。
突然の故障は真冬に起きる。給湯器を交換すべき「危険なサイン」と寿命
石油給湯器は、一般的に8年~10年ほど使用した頃が寿命の目安とされており、この時期が交換を検討し始める一つのタイミングになります。
製造終了からおよそ10年が経過すると、メーカーでの修理用部品の保有期間が終了し、修理自体ができなくなる可能性もありますので、取扱説明書に記載されている標準使用期間もあわせて確認しておくと良いでしょう。
- お湯の出が悪い、出ない
- 水漏れする
- 灯油臭い
- 機器から異音がする
- 水圧が弱い
上記のような症状が見られた時は注意が必要で、特にお湯が出ない症状については、灯油切れや蛇口側の不具合といった単純な原因のほか、給湯器本体の故障が関係していることも考えられます。
また、水漏れが発生している場合には、凍結による配管の亀裂や損傷が原因となっている可能性もあります。
加えて、運転中に異音がするなどの症状が見られる場合も、経年劣化や故障のサインといえるため、早めに点検や修理、交換について専門業者へ相談することが大切です。
工事費込みでいくら?タイプ別・石油給湯器交換の費用相場
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| 給湯専用 | 8万円〜13万円 | シンプルで価格が安い | 追い焚きができない |
| 追い焚き機能付き | 14万円〜20万円 | 入浴時間が合わない家庭におすすめ | 初期費用が高い |
| エコフィール対応モデル | 18万円〜25万円 | 環境に配慮している | 価格が高い |
1. 給湯専用(お湯を出すだけ)[相場:8万円〜13万円]
給湯専用タイプの石油給湯器に交換する場合の費用相場は、8万円〜13万円です。
給湯専用タイプは、追い焚き機能がないため、価格が安い点がメリットですが、入浴時間が合わないご家庭では不便を感じるでしょう。
機能が少ない分壊れる可能性も低く、シャワーと台所を用途としたものであれば十分と言えます。
2. 追い焚き機能付き(オート•フルオート)[相場:14万円〜20万円]
追い焚き機能付きの石油給湯器に交換する場合の費用相場は、14万円〜20万円です。
初期費用は高くなりますが、ご家族の人数が多い場合や、入浴時間がバラバラなご家庭では追い焚き機能がある方が結果的に光熱費の節約につながります。
3. エコフィール(高効率タイプ)[相場:18万円〜25万円]
高効率なエコフィール対応モデルの給湯器に交換する場合の費用相場は、18万円〜25万円です。
エコフィールは、排気熱(約200℃)を再利用して約60℃まで熱を回収するため、灯油の使用量を抑えられ、CO2排出量も減らすことができます。
初期費用は従来の石油給湯器より高めですが、燃費性能が高いため長期的に見ればランニングコストを節約でき、環境にも配慮した選択が可能です。
省エネ性能を重視する場合は、エコフィール対応モデルを選ぶのが良いでしょう。
水圧が違う?交換前に絶対確認すべき「直圧式」と「貯湯式」
石油給湯器には、直圧式、貯湯式の2種類の給湯方式があります。それぞれの特徴をまとめました。
直圧式
直圧式は、蛇口を開いたときに必要な分だけお湯を瞬時に沸かす方式で、水道圧をそのまま利用できるため、シャワーの勢いが強く、お湯切れの心配もありません。ただし、貯湯式に比べると本体価格は高めです。
目安として、給湯専用の直圧式の場合は、工事費を含めて約20万円~35万円です。追い焚き機能付きタイプでは、メーカーや機種のグレードによって45万円~60万円程度かかる場合があります。
貯湯式
貯湯式(減圧式)は、貯湯槽にお湯をためて給湯する方式で、シャワー使用中も温度が安定しやすい点が特徴です。直圧式に比べると価格は抑えられますが、シャワーの勢いがやや弱いという難点があります。
目安として、給湯専用のシンプルなタイプなら工事費込みで、15万円~25万円程度になります。追い焚き機能付きや高効率なエコフィール対応モデルはさらに価格が上がる傾向があります。
また、既存配管の劣化や設置場所の変更が必要な場合は、標準工事費に数万円程度の追加費用がかかる可能性があるため、事前の現地調査で正確な見積もりを取ってもらいましょう。
「灯油まみれで大惨事」石油給湯器DIYの法的リスクと失敗
ネットショップで石油給湯器を安く購入し、DIYで設置したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言えば、DIYで石油給湯器を交換するのはおすすめしません。その理由を解説します。
資格は不要だが現実的には必須
家庭用の石油給湯器は、交換自体に資格は必須ではありません。
しかし、消防法や建築基準法に従って、排気方式の設置や周囲との安全距離を守る必要があります。
煙突や排気筒の工事には専門知識が求められるため、給水装置工事主任技術者や簡易内管施工者などの資格が現実的に必要不可欠と言えます。
灯油漏れで土壌汚染を起こす
プロに依頼せず、自分で石油給湯器を交換した際の失敗として多く挙げられるのが、灯油漏れです。
灯油配管がしっかり締まっておらず、そこから灯油が地土壌に染み込み、地下水にまで達してしまうと、土壌汚染による賠償を請求される場合があります。
また、土壌汚染が周囲の住宅に悪臭を放つ可能性もあり、こちらも深刻な問題です。
安全面だけでなく、金銭的な損害を被る可能性もあるため、必ず業者に依頼するようにしましょう。
エア抜きの失敗によるエラー
灯油タンクが空の状態で灯油を補充すると、タンクや送油管に空気がたまってしまいます。
この空気を抜く作業を「エア抜き」といいます。エア抜きは、給油配管の空気を抜いて灯油がスムーズに流れるようにするための作業です。
具体的には、オイルストレーナーという部分のねじを緩めて、灯油と一緒に空気を出します。
しかし、この作業がうまくできないと、給湯器がエラーを出したまま動かないことがあります。
そのため、エア抜きは石油給湯器のプロに依頼するのが安全です。
凍結による配管の破損
寒い地域では、石油給湯器が凍ってしまうことがあります。正しい手順で凍結を解消すれば問題ありませんが、素人が自己流で対応すると、配管が破裂する危険があります。
例えば、熱湯をかけて急いで解凍すると、破裂していなかった配管が壊れてしまうことがあります。また、ぬるま湯で解凍した後に濡れたまま放置すると、再び凍結することもあります。
こうしたリスクを避けるため、不安な場合は専門の業者に相談するのがおすすめです。
まとめ
石油給湯器の交換にかかる費用相場について解説しました。
機能や給湯形式、メーカーによって値段は増減しますが、石油給湯器の交換にかかる費用相場は、およそ8万円〜25万円です。
石油給湯器の寿命は一般的に、8年~10年とされており、この時期が交換を考え始める目安になります。給湯器の不調が増えている場合は、修理を繰り返すよりも交換したほうが結果的に安く済むことが多いため、積極的に交換を検討しましょう。
交換の際は、費用の相場を把握し、ご家庭に合った機種を選ぶことが大切です。
また、業者によって価格は大きく異なるため、1社だけの見積もりでは適正か判断しにくいです。できれば3社以上から見積もりを取り、項目ごとに内容を比較して検討することをおすすめします。