クッションフロア張り替えの費用は?業者相場とDIYでよくある後
クッションフロアは耐水性に優れ、汚れも落としやすいため、水回りに最適な床材として人気があります。
デザインも豊富で、木目調やタイル調など部屋の雰囲気に合わせて選べるのも魅力です。
しかし、DIYで張り替えようとすると「便器周りが隙間だらけ」「端からめくれてきた」といった失敗が起きがちです。
この記事では、場所別の費用相場からDIYの落とし穴、下地トラブルの注意点まで詳しく解説します。
張り替えを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
クッションフロアを張り替えるべき「3つのサイン」
クッションフロアの寿命は一般的に約10年とされています。
しかし、家族構成や使用環境によって劣化のスピードは異なるのが実情です。
特に水回りは湿気や汚れにさらされる機会が多く、他の部屋より早く劣化が進みます。
以下のサインが出たら、張り替えを検討すべきタイミングです。
表面のベタつき・黒ずみが取れない
クッションフロアの表面がベタベタしたり、拭いても落ちない黒ずみが目立ってきたら、それは単なる汚れではなく経年劣化のサインです。
ワックスを塗り直しても改善しない場合は、素材自体が寿命を迎えている可能性が高いでしょう。
特にトイレや洗面所は劣化が早く、10年を待たずに交換が必要になることもあります。
歩くと「ブカブカ」する
床を歩いたときにブカブカと沈む感覚がある場合は要注意です。
クッションフロアの下で接着剤が剥がれているか、最悪の場合は下地の木材が腐っている可能性があります。
放置すると床が抜けるリスクもあるため、早めに業者に相談することをおすすめします。
継ぎ目がめくれてきた
クッションフロアの継ぎ目や端がめくれ上がってきたら、そこから水が入り込む危険があります。
水回りでこの状態を放置すると、下地にカビが発生したり、最悪の場合はシロアリの温床になるリスクがあります。
めくれを見つけたら、早めの対処が必要です。
場所別・クッションフロア張り替えの費用相場
クッションフロアの張り替え費用は、場所や面積によって大きく変わります。
また、下地の状態や選ぶ床材のグレードによっても変動するため、正確な費用は業者に見積もりを依頼する必要があります。
以下、場所別の費用相場をまとめました。
1. トイレ・洗面所(25,000〜45,000円/1箇所)
トイレや洗面所は面積が狭いため「安く済むのでは?」と思いがちですが、実はそう単純ではありません。
便器や洗面台、配管などの障害物が多く、それらを避けながら細かくカットする技術が必要です。
そのため、面積の割に「手間賃」がかかります。
費用の内訳は、
- 材料費:5,000円〜10,000円程度
- 施工費:15,000円〜25,000円程度
- 既存床材の剥がし・処分費:2,000円〜5,000円程度
が相場です。
なお、便器を脱着して施工する場合は別途20,000円〜30,000円程度のオプション費用がかかりますが、便器の根元まできれいに張れるため仕上がりは完璧になります。
見積もり時にどちらの方法で施工するか確認しておきましょう。
予算に余裕があれば、便器脱着での施工がおすすめです。
2. キッチン・リビング(相場:45,000円〜70,000円/6畳〜)
6畳程度の部屋であれば、クッションフロアの張り替えは45,000円〜70,000円程度が相場です。
1㎡あたり2,200円〜4,500円程度で計算できます。
15畳のリビングなど広い部屋になると130,000円〜155,000円程度になることもあります。
見積もり時に注意したいのは、以下の項目が含まれているかどうかです。
- 家具の移動費:冷蔵庫や食器棚など大型家具の移動が必要な場合、業者によっては別途費用が発生
- 剥がす手間賃:古いクッションフロアを剥がす作業費
- 廃材処分費:剥がした古い床材の処分費用
これらが「一式」でまとめられている場合は、内訳を確認しておくと安心です。
また、壁と床の接合部にある「ソフト巾木」も一緒に交換することが多く、この場合は5,000円〜10,000円程度が追加されます。
3. DIYの場合(相場:3,000円〜10,000円/材料費)
ホームセンターやネット通販でクッションフロアを購入すれば、材料費は驚くほど安く抑えられます。
1mあたり1,000円〜2,000円程度で購入でき、トイレ1箇所なら3,000円〜5,000円程度、6畳の部屋でも10,000円前後で済みます。
カッターと接着剤(または両面テープ)があれば始められるため、コスト重視の方には魅力的な選択肢です。ただし、安価な製品は厚みが薄い(1.8mm程度)ものが多く、すぐに破れたり、踏み心地が硬くて安っぽく見えることがあります。
店舗用の厚手タイプ(2.3mm以上)は耐久性が高いですが、その分価格も上がります。
特に水回りに使う場合は、厚みがあり耐久性の高い製品を選ぶことが重要です。
クッションフロアDIYでよくある悲劇
材料費だけで済むDIYは魅力的ですが、クッションフロアの張り替えには思わぬ落とし穴があります。
特に水回りでのDIYは、以下のような失敗が起きやすいので注意が必要です。
【型取りの失敗】便器の湾曲部分がうまくカットできない
トイレのクッションフロア張り替えで最も難しいのが、便器周りの型取りです。
便器の根元は複雑な曲線を描いており、この部分をピッタリ合わせてカットするのは素人には至難の業です。
型紙の表裏を間違えて左右反対にカットしてしまう失敗も起こりがちです。
結局、隙間ができてしまい、コーキング材で埋めてごまかすことも少なくないでしょう。
見た目が悪いだけでなく、隙間から水が入り込むリスクもあります。
【接着不良】数ヶ月で端からめくれ上がる
クッションフロア専用のボンドや両面テープを使っても、圧着が甘いと数ヶ月で端からめくれ上がってきます。
特に水回りは湿気が多く、接着が剥がれやすい環境です。
プロの職人はローラーでしっかり圧着しますが、DIYではこの工程が不十分になりがちです。
めくれた部分につまずいて転倒する危険もあるため、軽視できない問題と言えます。
【下地の凹凸】表面がボコボコと浮き出る
古いクッションフロアを剥がした後、下地に残った糊をきれいに削ぎ落とさずに新しい床材を貼ってしまうと、表面に凹凸が浮き出てきます。
一度貼ってしまうと修正が難しく、結局やり直しになるケースもあります。
下地処理は地味ですが、仕上がりを左右する重要な工程です。
見積もり前に知っておきたい「下地トラブル」
クッションフロアの張り替えで最も怖いのが、下地のトラブルです。
特に水回りでは、表面からは見えない場所で深刻な問題が進行していることがあります。
洗面所やトイレの下地が腐っているケースは多い
洗面所やトイレのクッションフロアを剥がしてみると、土台の木材が水漏れで腐っていたというケースは珍しくありません。
長年の結露や、気づかないうちに起きていた配管からの微量な水漏れが原因です。
表面のクッションフロアが劣化している場合、下地も同時にダメージを受けている可能性を考慮しておく必要があります。
下地が腐っていた場合は追加費用が発生
下地が腐っている場合、クッションフロアを貼る前に大工工事(床の張り替え)が必要になります。
追加費用は数万円〜十数万円になることもあり、当初の見積もりから大幅に予算オーバーする可能性があります。
見積もり時に「下地に問題があった場合の追加費用」について確認しておくようにしましょう。
腐食が広範囲に及んでいる場合は、床全体の張り替えが必要になることもあります。
重ね張りは安いが、リスクもある
既存のクッションフロアの上から新しい床材を重ねる「重ね張り(上貼り)」なら、剥がす手間がかからず安価に済みます。
しかし、下地の状態を確認できないため、腐食が進行していても気づかないというリスクがあります。
また、床の厚みが増すことでドアの開閉に支障が出たり、段差ができる場合もあります。
特に水回りでは、剥がして下地を確認することをおすすめします。
まとめ
クッションフロアの張り替えは、場所や面積によって費用が大きく変わります。
トイレや洗面所で25,000円〜45,000円、キッチンやリビング(6畳)で45,000円〜70,000円が目安です。
トイレの便器周りや洗面所の入り組んだ場所は、DIYだと隙間ができやすく、仕上がりが汚くなりがちです。
型取りの失敗、接着不良、下地処理の不備など、素人には難しい工程が多いのが実情です。
水回りの床は「防水」の役割も兼ねているため、施工不良があると水漏れや下地の腐食につながります。
見えない部分で被害が広がり、気づいたときには大掛かりな修繕が必要になることも考えられなくありません。
下地処理を含めてプロに任せるのが安心だと言えるでしょう。
6畳程度のリビングや子ども部屋など、障害物が少なく直線が多い場所であればDIYも選択肢になります。
ただし、水回りは水漏れリスクを回避するためにも、まずは専門業者に見積もりを依頼し、下地の状態を確認してもらうことをおすすめします。
複数の業者から相見積もりを取ることで、適正価格を把握できるはずです。