アイランドキッチン導入は後悔する?いれる際の費用相場
開放的でよりおしゃれなキッチンを導入したいという目的から、アイランドキッチンへのリフォームを検討している方が気になるのはコスト面やデメリットではないでしょうか。
アイランドキッチンを導入したことで、「キッチンがおしゃれになった」、「複数人で調理が可能になった」、「家族とコミュニケーションをとりながら料理ができる」といった声が聞かれる反面、「アイランドキッチンを導入して後悔している」といった声も多く聞かれます。
本記事では、アイランドキッチンの導入にかかる費用相場や、導入して後悔したことをまとめていますので、参考にしてください。
アイランドキッチンで後悔が起きやすい理由
アイランドキッチンは壁から独立して設置されるため、調理中でもリビングやダイニングとのつながりを感じやすい点が魅力です。
多くのメーカーが個性あるデザインの商品を展開しており、選択肢も豊富となっています。
しかし、利便性の反面、デメリットも存在するため、事前に注意点を把握しておかないと、レイアウトの失敗や家事効率の低下につながることがあります。
よくある後悔ポイントと対策
思ったより動きにくく家事効率が落ちた
アイランドキッチンの導入で後悔した理由で多いのが、想像していたよりスペースを圧迫し、キッチンの動線が確保できなかったというケースがあります。
アイランドキッチンを設置する際は、キッチン本体だけでなく周囲の通路の幅も確保する必要があるため、間取りによっては設置が難しい場合がある点に注意しましょう。
見た目には広いLDKでも、実際に置くと予想以上に圧迫感が出ることがあるので、設置後のスペースを意識することが重要です。また、オープンな構造は小さなお子様の事故リスクが高まる可能性があります。
使いやすさを高めるためには、コンロ・シンク・冷蔵庫を結ぶ「ワークトライアングル」を意識した配置がおすすめです。
理想的な距離はコンロとシンクが120cm〜180cm、シンクと冷蔵庫が120cm〜210cm、冷蔵庫とコンロが120cm〜270cmで、合計360cm〜660cmが目安です。
通路幅は一人で使う場合は75cm〜90cm、二人以上で使う場合は100cm〜125cm程度確保するとスムーズで、背面収納や冷蔵庫の扉の開閉も考慮して設計すると家事効率が上がります。
油はね・水はね・ニオイ・音が広がりやすい
アイランドキッチンは、四方が開放されているため、調理中の油はねや食材の飛び散りが周囲に広がりやすく、従来型の壁付けキッチンに比べて掃除の手間が増えることで、導入を後悔したという声も聞かれます。
特に油を使う調理では、床やカウンターだけでなく壁面や周辺の家具まで汚れが付着しやすく、日々のメンテナンスにかかる時間も自然と長くなります。
対策としては、コンロの手前にパーテーションを設けることで油よけ効果があります。開放感を損なわずに汚れを防ぎたい場合は、透明なアクリル板の「油はねガード」が効果的です。
また、作業スペースを部分的に隠したいときには、シンク前に立ち上がり壁を設置すると水はね防止にもなり、視覚的にもすっきりします。
さらに、においや煙の拡散を抑えるために、換気設備を整えることも重要です。
特に高性能なレンジフードを取り付けると効果的で、キッチンに窓がある場合は通気の流れを考えたレイアウトにすることで、より快適に調理できる環境が整います。
収納量が足りず生活感が出てしまう
アイランドキッチンの大きな課題のひとつは、収納スペースの確保です。
壁から独立している構造上、吊り戸棚を取り付けにくく、カウンター下のキャビネット以外に収納を増やすことが難しい場合があります。
そのため、計画的な収納設計が欠かせません。引き出し内部に仕切りを設けたり、背面に収納棚を追加したりすることで、限られたスペースを効率よく使う工夫が必要です。また、吊り戸棚やカップボードを併用することで、壁面を活かした収納も可能となります。
シンクやコンロ下の収納は、開き扉タイプか引き出しタイプを選択できます。
価格面では開き扉が安価ですが、収納力や使いやすさを重視するなら引き出しタイプがおすすめです。
引き出しは屈まずに物を取り出せるだけでなく、奥の物も簡単にアクセスできる点で便利であり、最近の製品では、大きな鍋やボウルを収められる深い引き出しや、細長い調味料を縦に収納できるタイプなど、用途に合わせてカスタマイズできるものも増えています。
さらに、アイランドキッチンの背面スペースを活用すれば、大容量の収納を確保できます。
家電の置き場が必要であれば、レンジボードを置いて電子レンジや炊飯器、コーヒーメーカーなどをまとめて設置する方法が便利です。
常にリビングから見えて片付けプレッシャーになる
アイランドキッチンの大きな特徴は、リビングやダイニングに面した開放的なレイアウトです。
しかし、この構造のため、調理スペースがほぼ丸見えになり、調理中の食材や器具、使用後の食器など、生活感のある様子がそのまま露出してしまいます。
通常の壁付けキッチンとは異なり、散らかったキッチンの状態がリビング側からすべて見えてしまう点が、後悔の原因になりやすい部分です。
特に来客時には片付けや清掃に気を使う必要があり、料理に集中したいときでも周囲の視線が気になり、精神的な負担になることもあります。
このようなケースの対策としては、背の高い観葉植物や簡易の間仕切りを置く方法がありますが、これではアイランドキッチンの開放感や利便性が損なわれる可能性があります。
そのため、設置を検討する際には、プライバシーを確保しつつも開放感を維持するバランスを慎重に考えることが重要です。
日常的な使い勝手や来客時の見栄えなども含めて、レイアウトや収納計画とあわせて検討すると、ストレスを抑えつつ快適に使えるキッチンになります。
アイランドキッチンのタイプ別費用相場と特徴
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| フルフラットのアイランドキッチン | 140万円〜210万円前後 |
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| コンロ付きアイランドキッチン | 160万円〜230万円前後 |
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| シンクのみアイランド | 150万円〜210万円前後 |
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フルフラットアイランドを導入するケース
従来の壁付けキッチンをフルフラットのアイランドキッチンにリフォームする場合、一般的な費用の目安はおよそ140万円から210万円程度です。
ただし、ハイグレードな設備を選んだり、大容量の収納を追加したりするなど工事規模が大きくなる場合には、費用は250万円から350万円、場合によってはそれ以上になることもあります。
アイランドキッチンの大きな魅力は、開放感があり、調理をしながらリビングにいる家族の様子を確認できる点です。家族や来客と会話を楽しみながら料理ができるため、キッチンで過ごす時間がより快適で充実したものになります。
フルフラットアイランドのメリットと注意点
メリット
- 開放感があり、コミュニケーションをとりながら料理できる
- 複数人での調理がしやすい
- デザイン性が高い
注意点
- 油はねによる汚れやニオイが気になる場合がある
- 調理や食器洗いの音がリビングまで届く
コンロ付きアイランドを導入するケース
コンロ付きアイランドキッチンを導入する場合の費用相場は、160万円〜230万円前後となります。
コンロをアイランド化し、キッチンの左右どちらからでも回り込めるため、ダイニングテーブルへの配膳や片付けも最短距離で行うことができます。
また、複数人で作業をする場合でも、動線が分散されることでぶつかる心配が少なく、作業がスムーズに進むのも利点です。
コンロ付きアイランドのメリットと注意点
メリット
- 動線が確保されているため、移動がスムーズ
- 来客時もコミュニケーションをとりながら調理できる
注意点
- キッチンのデザインに換気扇がマッチしないことがある
- 機能性が低い換気扇の場合、ニオイが気になる
シンクのみアイランドを導入するケース
アイランドキッチンには、シンクや加熱機器だけを壁から独立させる「分離型」のスタイルもあります。
このタイプでは作業台が2か所に分かれるため、食材を洗う人、切る人、焼く人といった作業を分担しやすくなります。
その結果、複数人で同時に調理しても効率的に作業でき、家族や友人と一緒に料理を楽しむ際にも便利です。
また、作業スペースが分かれることで、混雑を避けつつ安全に調理が行える点も大きな利点です。
シンクのみアイランドを導入する場合の費用相場は、150万円〜210万円前後となります。
シンクのみアイランドのメリットと注意点
メリット
- アイランドキッチン特有の開放感が得られつつ油はねを抑えることができる
- シンクが離れることでニオイの充満を抑えることができる
注意点
- 作業動線の分断が起こる可能性がある
- レイアウトによってリビングが狭くなる可能性がある
まとめ
アイランドキッチン導入で後悔しやすいポイントや導入費用の相場について解説しました。
アイランドキッチンを導入する場合の費用相場は、140万円〜230万円程度です。
ただし、キッチンのタイプや使用する素材、オプションの有無によって費用は変動するため、あくまで目安として考えておく必要があります。
アイランドキッチンの大きな魅力は、おしゃれで開放的なデザインに加え、調理をしながら家族や来客と会話を楽しめる点にあります。
一方で、調理中のニオイや油はね、収納スペースの不足、そして価格の高さなどが後悔の原因になりやすいことも覚えておきましょう。
リフォームを検討する際には、こうしたデメリットへの対策も考慮しながら、レイアウトや収納計画をしっかり立てることが大切です。
また、不安な点や疑問がある場合は、アイランドキッチンのリフォームに実績のある施工業者に相談すると良いでしょう。
プロの視点からアドバイスをもらうことで、使い勝手やデザイン、予算などを総合的に考えた最適なプランを選ぶことができ、後悔を避けやすくなります。