クロス張り替えを行う際の相場は?タイプ別比較
壁のクロス張り替えを検討する際に気になるのがその費用です。
クロス張り替えは、選ぶ素材や部屋の広さによって価格が大きく変わります。
この記事では、クロス張り替えの費用相場をタイプ別に詳しく解説し、検討する際のポイントもご紹介します。
クロス張り替えの費用相場とタイプ別の価格
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| 量産クロス | 1,500円〜2,500円/㎡ | ・費用を抑えられる ・施工が早く ・きれいに仕上がりやすい |
・機能性やデザインの選択肢が少ない |
| 機能性クロス | 2,500円〜3,500円/㎡ | ・汚れ防止や消臭など、用途に合わせた機能を選べる | ・下地の影響を受けやすく、継ぎ目が目立つことがある |
| デザインクロス | 3,000円〜/㎡ | ・デザイン性が高く、部屋の印象を大きく変えられる | ・価格が高く、施工やコーディネートが難しい |
クロス張り替えの費用相場は、1㎡あたり1,500〜3,500円前後が一般的です。
この価格には材料費と施工費が含まれています。
費用を左右する主な要素は次の2つです。
- クロスのグレード(量産品か機能性品か)
- 施工する部屋の広さや壁の面積
業者によっては材料費と施工費を分けて表記したり、下地処理費や養生費を別項目にしたりするケースがあります。
1㎡あたりの単価だけで比較すると、実際の総額が異なる場合があるため、見積もり内容の詳細を確認しましょう。
量産クロス(ビニールクロス)に張り替えるケース

参考)https://bestrehome-bestwing.com/seko/10315.html
量産クロスは、大量生産されているビニールクロスのことを指します。
賃貸住宅やマンションでよく使われています。
主な特徴は以下の通りです。
- 施工性に優れ、下地の凹凸が目立ちにくい
- 白やクリーム系を中心としたシンプルなデザイン
- 防カビ機能など基本的な性能を備えている
- 厚みがあるため仕上がりが安定する
費用は1㎡あたり1,500〜2,500円前後が相場です。
量産クロスは約700〜800円程度の材料費に、施工費や諸経費を加えた価格設定が一般的です。
各メーカーが展開する量産クロスには、防カビ性能やシックハウス対応が標準装備されており、品質面でも安心できる選択肢です。
量産クロス張り替えのメリットと注意点
量産クロスに張り替えるメリットは、主に以下の通りです。
- 価格が手頃で予算を立てやすい
- 下地の影響を受けにくく仕上がりがきれい
- 施工が早く完了する
一方、注意点もあります。
- 耐久性や機能性にやや劣る
- デザインの選択肢が限られる
- 色は3色程度のインクで印刷されているため表現の幅が狭い
コストを最優先したい方や、シンプルな仕上がりを好む方に量産クロスはおすすめです。
全体の張り替えをする場合は量産クロスでコストを抑え、一部の壁だけグレードの高いクロスを使うという選択肢もあります。
機能性クロス(防カビ・消臭等)に張り替えるケース
機能性クロスは、防カビ、消臭、汚れ防止といった特殊な機能を持つクロスです。
1000番クロスとも呼ばれ、量産クロスよりもデザインのバリエーションが豊富です。
主な特徴は以下の通りです。
- 汚れ防止機能付きで日常の汚れを拭き取りやすい
- 防カビ・撥水機能付きで油汚れや水はねに強い
- 消臭機能付きで臭いの吸着・分解効果がある
- 表面強化により傷がつきにくい
費用は1㎡あたり2,500〜3,500円前後です。
ただし、汚れにくさや臭いへの対策を考えると、長期的なメンテナンスコストを抑えられる可能性があります。
機能性クロス張り替えのメリットと注意点
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参考)https://www.lixil-reformshop.jp/shop/SP00001175/case/118952.html
機能性クロスは、汚れや臭いに強いため、空間の用途に応じて性能を選べるメリットがあります。
キッチンやトイレなど、特に機能性が求められる場所で威力を発揮します。
機能性クロスに張り替える具体的なメリットは以下の通りです。
- 汚れがついても水拭きや中性洗剤で簡単に落とせる
- 消臭機能は光触媒反応で臭いを分解する
- 表面強化タイプは通常の壁紙の約6倍の強度がある
注意点としては以下が挙げられます。
- デザインの選択肢が量産クロスより多いものの、限られる場合がある
- 薄めの素材が多く、下地の状態によっては仕上がりに影響する
- ジョイント部分(継ぎ目)が目立ちやすい場合がある
生活スタイルや部屋の用途を考慮して選ぶことを心がけましょう。
デザインクロス(アクセントクロス)を採用するケース

参考)https://www.lixil.co.jp/square/articles/030/
デザインクロスは、柄入りや素材感のあるクロスを壁の一面だけに施工する「アクセントクロス」として使われることが多いです。
主な特徴は以下の通りです。
- 輸入壁紙や高級クロスなど選択肢が豊富
- 部屋の印象を大きく変える効果がある
- 織物クロスや紙クロスなど多くの素材から選ぶことが可能
費用は1㎡あたり3,000円以上が一般的です。
素材によっては1㎡あたり5,000円を超えるケースもありますが、全体を同じクロスにするよりも費用差が少ないことがあります。
デザインクロス採用のメリットと注意点
デザインクロスの最大のメリットは、空間の印象を劇的に変えられることです。
個性的な柄や色を部分的に取り入れることで、おしゃれな雰囲気を演出できます。
具体的なメリットは次の通りです。
- シンプルな部屋にメリハリをつけられる
- 家具やアート作品を引き立てる効果がある
- 部屋ごとに異なる雰囲気を作り出せる
ただし注意すべき点もあります。
- 施工面積が広いと費用が高額になるため、使用箇所の見極めが重要
- 他のクロスや家具、床との色バランスを慎重に検討する必要がある
- DIYで貼る場合、柄合わせが難しい
アクセントとして一面だけに使用するなど、上手に取り入れることがポイントです。
クロス張り替えを検討する際のポイント
クロス張り替えを成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。
下地の状態確認と補修費用
まず下地の状態確認が必要です。
石膏ボードにひび割れや劣化がある場合、補修工事が必要になり追加費用が発生します。
下地処理にかかる主な費用は次の通りです。
- パテ処理:1㎡あたり500〜1,000円程度
- シーラー塗布:1㎡あたり200〜500円程度
- カビ処理:状態により5,000〜10,000円程度
- 大きな穴や損傷の補修:範囲により20,000〜30,000円程度
- 石膏ボード全面張り替え(6畳程度):約70,000〜100,000円程度
※部分張り替えの場合は1㎡あたり2,000〜4,000円が目安
築年数が30年を超える住宅では、下地にも影響が出ている可能性が高く、総費用の20~30%を下地処理が占めることもあります。
事前の現地調査で下地の状態を確認してもらい、必要な処理内容を把握しておきましょう。
部屋ごとに機能性を考慮
部屋ごとに適した機能性を考慮することも大切です。
水回りには防カビ機能、リビングには汚れ防止機能といったように、使用環境に合わせて選びましょう。
各部屋におすすめの機能は以下の通りです。
- キッチン:防カビ、汚れ防止、撥水コート
- トイレ:消臭、抗菌、汚れ防止
- 洗面所:防カビ、汚れ防止
- 子供部屋:表面強化、汚れ防止
- 寝室:調湿、アレルギー抑制
追加費用の確認
家具移動や養生作業が必要な場合、追加費用が発生することがあります。
特に大型家具が多い部屋や、移動が困難な家具がある場合は、事前に業者へ確認しておきましょう。
一般的な追加費用の目安は次の通りです。
- 養生費:5,000〜10,000円程度
- 家具移動費:1点あたり3,000〜10,000円程度(複数・大型の場合は合計で数万円になることも)
- 廃材処分費:1㎡あたり500〜2,000円程度(処分量・素材により変動)
- 器具脱着費(エアコンカバーなど):1箇所あたり3,000〜5,000円程度
追加費用は家具の数量や大きさ、廃材の量、施工範囲によって変動するため、見積もり時に項目ごとの費用が明記されているかを確認することが大切です。
色とデザインのバランス確認
巾木や建具との色バランスも重要です。
クロスだけを変えても、既存の巾木や扉の色と合わないと違和感が出ます。
サンプルを現場で確認し、全体の調和を確認しましょう。
色選びのポイントは以下の通りです。
- 床材の色と調和させる
- 既存の家具の色を考慮する
- 小さなサンプルだけで判断せず、できるだけ大きなサンプルで確認する
- 自然光と照明の両方で色味を確認する
施工期間の目安
クロス張り替えにかかる施工期間も事前に把握しておきましょう。
一般的な施工期間の目安は次の通りです。
- 6畳の部屋:1日〜1日半
- トイレ:半日〜1日
- 洗面所・脱衣所:1日〜2日
- リビング(広め):2日〜3日
- 3LDK全体:1週間〜10日程度
ただし、家具の移動が必要な場合や、下地処理に時間がかかる場合は、さらに日数が延びる可能性があります。
住みながらの工事を考えている方は、部屋ごとに順番に施工してもらうなど、生活への影響を最小限に抑える工夫も検討しましょう。
見積もりを確認する
複数の業者から見積もりを取る際は、以下の項目を必ず確認しましょう。
- 材料費と施工費が明確に分かれているか
- 下地処理の内容と費用が記載されているか
- 養生費や廃材処分費が含まれているか
- 追加費用が発生する条件は何か
- 施工後の保証内容はどうなっているか
見積もりの単位表記にも注意が必要です。
1㎡あたりの単価と、1mあたりの単価では計算方法が異なります。
同じ面積でもメートル単価の方が高くなるため、比較する際は単位を統一して確認しましょう。
まとめ
クロス張り替え費用は1㎡あたり1,500〜3,500円前後が目安です。
費用は選ぶクロスの素材、機能性、デザイン性によって大きく変動します。
量産クロスはコストを抑えられ、機能性クロスは特定の場所で効果を発揮し、デザインクロスは空間に個性を加えます。
下地の状態確認は特に重要で、劣化がひどい場合は補修費用が総額の20〜30%を占めることもあります。
事前の現地調査で状態を把握し、必要な処理内容を明確にしておきましょう。
また、部屋の用途に応じた機能性の選択、巾木や建具との色バランス確認、施工期間の把握なども重要です。
複数の業者から見積もりを取り、見積もり内容の詳細を確認することも忘れてはいけません。
実際にサンプルを確認しながら、下地の状態や生活スタイルに合わせた選択をすることに留意し、理想の空間づくりを実現させてください。