ビルトインオーブン導入は後悔する?入れる際の費用相場
キッチンのレイアウトをよりおしゃれにし、料理の幅を広げてくれることから、ビルトインオーブンを導入したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、導入前にしっかりと確認しないと後悔してしまう可能性があります。
本記事では、ビルトインオーブン導入におけるよくある後悔やタイプ別の費用相場を解説しますので、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ビルトインオーブンで後悔が起きやすい理由
ビルトインオーブンは、キッチンをすっきり見せながら限られたスペースを有効に使える設備として人気がありますが、実際に導入した後に想像していたほど使いやすくないと感じるケースも見られます。導入後の後悔として多く挙げられるのは、主に使い勝手や掃除のしやすさに関する点です。
生活スタイルとミスマッチしている
ビルトイン型は設置場所の高さが固定されるため、調理した料理を取り出す際に腰をかがめる必要があり、日常的に負担に感じる人が少なくありません。家庭ごとの生活動線や料理頻度に合わない配置になってしまうと、小さなストレスが積み重なりやすくなります。
掃除の手間やメンテナンスに手間がかかる
ビルトインオーブンは構造上の理由から掃除に手間がかかりやすく、排気口や扉周辺に汚れが溜まりやすい点も不満につながりやすい部分です。
加えて、故障時には簡単に取り外して修理することが難しく、ビルトインゆえに工事費用が高くつくこともあります。
機器の型が古くなると交換にも手間がかかり、オーブン単体ではなくキッチン全体に影響が及ぶこともあるため、将来的に設備の入れ替えを検討している人にとって不安材料となりやすい構造です。
よくある後悔ポイントと対策
ビルトインオーブンの導入でよくある後悔としては、コスト面や掃除にかかる手間などが挙げられます。失敗点と対策をまとめたので参考にしてください。
思ったほど使わなかった
料理が好きな方であれば、一度はビルトインオーブンに憧れを抱くものです。
多彩なメニューに活用できる便利な設備として人気がありますが、実際には設置したものの使用頻度がほとんどないという声も聞かれます。
日頃からオーブン調理を行う方にとっては、大きなメリットを感じられる設備である一方、ほとんど使わない人にとっては本体の大きさが負担になり、手入れも手間に感じやすいため、デメリットの方が目立つ場合があります。
ビルトインオーブンには、パンの焼成やスチーム調理、ノンフライ調理など、多彩な機能が搭載されていますが、設置後に後悔しないためには、普段どのようなジャンルの料理を作っているのかを事前に把握しておくことが大切です。
自分の料理スタイルと機能が合っているかを確認することで、導入後のミスマッチを避けることができます。
収納スペースが大きく減った
ビルトインオーブンは、本体の大きさによって使い勝手が大きく変わる設備です。サイズが小さすぎる場合は、一度に複数の料理を調理できないことがあり、思ったより不便だと感じることがあります。
反対に、大きいサイズを選ぶと設置場所の確保が難しくなるケースもあり、キッチン全体のレイアウトに影響が及ぶことがあります。
さらに、ビルトインオーブンを組み込むことでキャビネットの1段から2段ほどが占有され、収納スペースが減ってしまったという声も少なくありません。
収納量が減ると、調理器具や食材の置き場に困るだけでなく、キッチンの使いやすさそのものが損なわれてしまいます。
そのため、ビルトインオーブンを検討する際は、カップボードやパントリーとの位置関係を含めた配置計画を同時に考えることが大切であり、使い勝手と収納を両立できる適切なサイズ選びが重要になります。
掃除が大変で放置しがち
ビルトインオーブンは全体的に掃除がしにくい傾向があり、特に排気口や扉の隙間には油汚れが溜まりやすく、日頃の手入れに手間がかかります。
さらに、修理が必要になった場合はビルトインであることから取り外しが難しく、結果としてコストも高くなりがちです。
庫内の形状が複雑なタイプのビルトインオーブンでは、部品を外して清掃する必要が生じることもあるため、より手間を感じるケースもあり、悪臭を放つ場合もあります。
そのため、できるだけ掃除の負担を軽くしたいと考えている場合は、庫内構造がシンプルで手入れがしやすいビルトインオーブンを選ぶことが大切です。
自動洗浄機能や脱臭機能など、日常のメンテナンスを支援する機能が搭載されたタイプであれば、掃除にかかる時間や労力を抑えることができ、より扱いやすい環境を整えることができます。
熱と蒸気で周囲の家具にダメージ
ビルトインオーブンの導入で起こりやすい失敗として、周辺の家具にダメージが出てしまう点が挙げられます。
ビルトインオーブンは使用時に庫内温度が約300度まで上昇するため、断熱仕様のキャビネットに組み込むか、背面や側面の壁を防火仕様にしておく必要があります。
また、運転中には蒸気や煙が多く発生することがあり、適切に排気できる位置に設置しておかないと、キッチン内に煙やにおいが広がってしまう可能性があります。
ビルトインオーブンの近くに換気扇がない場合、蒸気や煙が逃げにくく、空間に不快なにおいがこもることがあります。
このため、ビルトインオーブンを快適に使用するには、換気扇との距離や位置関係も考慮し、排気しやすい場所へ設置することが重要です。
故障時の交換コストが高い
ビルトインオーブンが故障した場合は、部品の交換などのメンテナンスに費用がかかります。
ビルトインオーブンの耐用年数は10年〜15年とされていますが、日頃の掃除頻度や使用環境によっては、数年で不具合が生じる可能性もあります。修理や交換が必要になった際の費用も、卓上型に比べて高くなりやすい傾向があります。
そのため、メンテナンスにかかる費用を抑えたいと考える場合は、設置時にメーカーなどが用意している保証への加入を検討しておくことが重要です。
保証内容はメーカーや製品によって異なりますが、部品交換が無償になるなど、さまざまなサポートを受けられることがあります。
ビルトインオーブンのタイプ別費用相場と特徴
ビルトインオーブンの主な種類は、コンベクションオーブン、スチームオーブン、電子レンジ一体型などが挙げられます。それぞれの特徴と導入時の費用相場を解説します。
コンベクションオーブンを導入するケース
コンベクションオーブンとは、ヒーターで温めた空気をファンによって循環させ、その熱風を使って食材を加熱する調理家電のことです。
コンベクション(対流)による調理が可能なため、外側は香ばしく、中はしっとりと仕上げられる点が大きな特徴です。焼く、蒸す、煮る、揚げるといった幅広い調理に対応できる点も、コンベクションオーブンならではの魅力と言えます。
コンベクションオーブン導入における費用相場としては、20万円〜35万円が相場です。
コンベクションオーブンのメリットと注意点
メリット
- 庫内に熱を均一に行き渡らせ、ムラなく高温で焼き上げられる
- ファンの働きで熱が隅々まで行き届くため、焦げや生焼けを抑えられる
- 予熱時間が短めで、機種によっては予熱なしで使えるものもあり、調理の時短につながる
- グリルやトーストなどさまざまな調理法ができる製品が多い
注意点
- 一般的なコンベクションオーブンには、単機能電子レンジのようにマイクロ波で食材を温める機能が備わっていない
- 商品によってデザインや大きさは異なるが、本体が大きいため、設置には広めのスペースが必要
スチームオーブンを導入するケース
スチームオーブンレンジは、レンジ機能とオーブン機能に加えて、水を入れたタンクを加熱し庫内にスチームを噴射するスチーム機能を備えています。
調理内容に合わせてスチーム量や温度を自動で調整できるため、蒸し料理だけでなく、ひき肉の適度な解凍やゆで卵の調理などにも幅広く活用できます。
さらに、高温スチームとヒーターを組み合わせることで、肉や魚、野菜をしっとりと香ばしく仕上げられる機種もあります。
スチームオーブンを導入する際の費用相場としては、30万円〜45万円前後が相場です。
スチームオーブンのメリットと注意点
メリット
- 蒸し調理が得意で、蒸気を使って食材の水分を保ちながら加熱できる
- 肉料理では乾燥を防ぎながら調理でき、野菜を蒸す場合もビタミンやミネラルを逃さずに摂取できるため、栄養価の高い食事を実現できる
- パンの発酵や焼成にも適している
- 蒸気で庫内の汚れを浮かせて落としやすくするため、日常のメンテナンスが簡単
注意点
- 一般的なオーブンレンジより高性能な分価格が高い傾向にある
- スチーム機能を利用するために給水タンクに水を補充、使わない時は排水するなどの手間が発生する
- 調理後に水蒸気が庫内に発生するため、拭き取りの手間がある</li>
電子レンジ一体型オーブンを導入するケース
電子レンジ一体型オーブンは、一般的なレンジ機能に加えて、パンやお菓子を焼くためのオーブン機能を備えたタイプです。
庫内に熱風を循環させることで上下段の食材にまんべんなく熱を行き渡らせ、包み込むように焼きムラを抑えながら加熱できる点が特徴です。
機種によっては、ヒーターから発生する赤外線を直接食材に当てて加熱するグリル機能も搭載されており、焼き魚や肉、野菜などのグリル料理にも対応できます。
複数の加熱方式を組み合わせることで、幅広い調理を快適に行える調理家電となっています。
電子レンジ一体型オーブンを導入する際の費用相場としては、25万円〜40万円前後となります。
電子レンジ一体型のメリットと注意点
メリット
- グリル機能が搭載されている機種もあり、肉や魚、野菜を並べて焼くことができる
- 2in1のオーブンであるため、レンジを設置するスペースを削減して収納場所の圧迫を避けられる
- ローストチキンのような本格オーブン料理やパン作り、お菓子作りなどにも対応できる
注意点
- オーブンかレンジどちらかの機能が故障したい際に両方の機能が使えなくなることもある
- 単機能レンジやオーブン単体と比較すると価格が高い
まとめ
ビルトインオーブン導入時における後悔や費用相場についてついて解説しました。
よくある後悔としては、使用頻度が少ない点や、収納スペースの圧迫、掃除の手間、交換時の柔軟性の低さなどが挙げられます。
ビルトインオーブン導入かかる費用の相場は20万円〜45万円で、オーブンのタイプや機能によって費用は異なります。
導入を成功させるためにも、普段の調理スタイルやキッチンのサイズ・レイアウトなどをしっかりと把握した上でオーブンを選びましょう。