外壁塗装における塗料の選び方について。種類別の費用と耐用年数は?

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外壁塗装の塗料選びは、住宅のメンテナンスにおいて非常に重要です。
外壁塗装の耐用年数は一般的に10年〜20年とされており、使用する塗料によって費用や性能が大きく変わります。
この記事では、塗料の種類別に特徴・費用・耐用年数を比較しご案内しますので、ぜひ参考になさってください。

外壁塗装における塗料の基本

塗料選びを始める前に、基本的な知識を押さえておきましょう。

塗料は「樹脂」で耐久性が決まる

塗料は主成分である合成樹脂の種類がそれぞれ異なります。
外壁塗装によく使用されるのは、大きく分けて以下の4種類です。

  • アクリル
  • ウレタン
  • シリコン
  • フッ素

これに加えて、近年は無機塗料やラジカル制御型塗料なども登場しています。

樹脂のグレードが上がるほど、以下の性能が向上します。

  • 紫外線や雨風への耐候性
  • 色褪せや変色への耐性
  • 塗膜の耐久年数

フッ素塗料やシリコン塗料などの上位グレードの塗料は、紫外線や雨水に強く、それに伴い耐用年数も長くなります。

用途や予算に合わせて選ぶことが重要

塗料選びでは、以下の要素をバランスよく考慮する必要があります。

  • 初期費用:塗料代と工事費用の合計
  • ランニングコスト:次回の塗り替えまでの期間とメンテナンス費用
  • 建物の用途:何年住む予定かなど将来的な計画
  • 環境条件:海沿い・寒冷地・日当たりなどの立地条件

塗料の耐用年数は、使用される塗料の種類や建物に使われている外壁材、施工方法や塗装技術によっても変わりますので、総合的な判断が求められます。

外壁塗料の種類別比較

タイプ 価格帯 メリット デメリット
ウレタン塗料 1,700円〜2,500円/㎡ ・低コストで、密着性に優れる
・雨樋など付帯部分の塗装に向いている
・耐用年数が短く、紫外線で色あせしやすい
・長期的なコストパフォーマンスは低い
シリコン塗料 2,500円〜3,500円/㎡ ・価格と耐久性のバランスが良い
・汚れにくく、光沢が長持ちする
・製品の選択肢が豊富
・製品のグレード差が大きく、選定が難しい
・種類が多様で選択が複雑
フッ素塗料 3,800円〜4,800円/㎡ ・耐用年数が長く、塗り替え頻度を減らせる
・色褪せしにくく、美観を長期間保てる
・初期費用が高額になる
・施工には高い技術が求められる
無機塗料 4,500円〜5,500円/㎡ ・耐用年数が最も長く、メンテナンスの手間が少ない
・汚れやカビに強く、燃えにくい
・初期費用が最も高い
・塗膜が硬く、ひび割れしやすい
・ツヤ消し仕上げを選べないことが多い

以下、主要な塗料を種類別に詳しく解説いたします。

ウレタン塗料

  • 費用:1㎡あたり 1,700〜2,500円前後
  • 耐用年数:約7〜10年

ウレタン塗料は、耐用年数7〜10年、単価1,700〜2,200円ほどです。
ひと昔前までは主流でしたが、現在では外壁にはあまり使用されていません。
 ただし、付帯部などの特定箇所には今でも採用されています。

ウレタン塗料を使うメリットと注意点

メリット

  • 低コストで小規模リフォームに最適
  • 柔軟性があり、密着性に優れている
  • 付帯部分(雨樋、軒天など)の塗装に向いている

注意点

  • 耐久性が低く再塗装サイクルが短い
  • 長期的なコストパフォーマンスでは他の塗料に劣る
  • 紫外線に弱く、色あせが早い傾向にある

シリコン塗料

  • 費用:1㎡あたり 2,500〜3,500円前後
  • 耐用年数:約10〜15年

シリコン塗料は耐用年数10〜15年、単価2,300〜3,000円前後です。
現在最もよく使用されている塗料であり、耐用年数と価格のバランスが良いため、住宅外壁で最も選ばれている人気の理由となっています。

シリコン塗料を使うメリットと注意点

メリット

  • コスパが良く最もバランスが取れている
  • 耐汚染性があるため、汚れがつきにくい
  • 各メーカーから多数の商品が販売されており選択肢が豊富
  • 光沢があり、ツヤが長持ちする

注意点

  • グレードの差が大きく選定に注意が必要
  • シリコン樹脂の含有量によって耐用年数も大幅に異なる
  • 水性・油性、1液型・2液型など種類が多様で選択が複雑

フッ素塗料

  • 費用:1㎡あたり3,800〜4,800円前後
  • 耐用年数:約15〜20年

フッ素塗料は耐用年数15〜20年、単価3,800〜4,800円です。
大型物件や公共施設で採用されることが多く、非常に高い耐候性を持つ塗料です。
紫外線・風雨に強く、長期間にわたり美観を保持できるため、長期的なコストパフォーマンスに優れています。

フッ素塗料を使うメリットと注意点

メリット

  • 耐候性が高く再塗装の手間が減る
  • 耐久性・耐候性に優れ、紫外線や風雨などの外的要因への耐性が高い
  • 長期的なランニングコストを抑えられる
  • 色褪せしにくく美観を長期間保持

注意点

  • 初期費用が高めで小規模住宅には不向きな場合も
  • 高性能ゆえに施工技術が求められる
  • 一般住宅ではまだ普及率が低い

無機塗料

  • 費用:1㎡あたり 4,500〜5,500円前後
  • 耐用年数:約18〜25年

無機塗料の費用相場は平米単価で約4,500〜5,500円が目安です。
耐用年数が長いため長期的なコストパフォーマンスに優れています。
防火性が高い、汚れが落ちやすい、カビやコケが繁殖しにくいなどのメリットがあります。

無機塗料を使うメリットと注意点

メリット

  • 耐用年数が非常に長く、メンテナンス周期が最長
  • 紫外線での劣化が少ない
  • 汚れにくく、カビ・コケの発生を抑制できる
  • 不燃性で防火性能に優れている

注意点

  • 下地処理の品質が悪いと性能を発揮しにくい
  • 柔軟性がないため割れやすい傾向がある
  • 初期費用が最も高額
  • ツヤ消し仕上げを選べない製品が多い

塗料を選ぶときのポイント

最適な塗料を選ぶには、以下のポイントを考慮しましょう。

気候(沿岸部・寒冷地・日当たり)で最適な塗料が変わる

沿岸部

  • 塩害対策が必要なため、耐候性の高いフッ素・無機塗料が適している
  • 防錆性能を持つ塗料がおすすめ

寒冷地

  • 凍害に強い柔軟性のある塗料が適している
  • 防水性能の高い塗料がおすすめ

日当たりが良い場所

  • 日当たりが良い建物は紫外線対策が重要
  • 遮熱・断熱機能のある塗料が効果的

ツヤあり・ツヤ消しなど仕上がりイメージを重視

塗料の仕上がりには以下の選択肢があります。

  • ツヤあり(光沢あり):新築のような美しい仕上がり、汚れがつきにくい
  • 7分ツヤ・5分ツヤ:適度な光沢で落ち着いた印象になる
  • ツヤ消し(マット):高級感のある仕上がり、汚れが目立ちやすい

デザイン性を重視する場合は、サンプルで実際の仕上がりを確認することが重要です。

遮熱・断熱など機能性塗料も選択肢に入れる

近年は基本性能に加えて、以下のような機能を持つ塗料も登場しています。

  • 遮熱塗料:太陽光を反射して室温上昇を抑える
  • 断熱塗料:熱の伝わりを遅らせて室温を安定させる
  • 低汚染塗料:雨水で汚れが落ちやすい
  • 防カビ・防藻塗料:湿気の多い環境に適している

省エネや快適性を求める場合は、機能性塗料を検討すると良いでしょう。

外壁材(サイディング・モルタル等)との相性を確認

外壁材と塗料の相性が良いほど耐用年数は長くなります。
一方相性が悪いと耐用年数が長くなるどころか、数年で塗膜の剥がれやひび割れが生じてしまいます。

窯業系サイディング

  • ほとんどの塗料と相性が良い
  • 無機塗料との組み合わせが推奨される

モルタル外壁

  • ひび割れが発生しやすいため、柔軟性のある塗料が適している
  • 無機塗料のような硬い塗料は注意が必要

金属系サイディング

  • 専用の下塗り材が必要
  • 熱伝導率が高いため遮熱塗料との相性が良い

まとめ

外壁塗装の塗料選びでは、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

外壁塗装の塗料はシリコン系が最も一般的

シリコン系は、現在最もよく使用されている塗料であり、耐用年数と価格のバランスが人気の理由です。
初めての塗り替えや標準的な住宅には、シリコン塗料が無難な選択と言えます。

長期視点ではフッ素・無機のコスパが良い

フッ素塗料と無機塗料はどちらも耐用年数に優れており、長期間メンテナンスの必要がないため、ランニングコストも抑えて長期的に自宅の美観を保つことが可能です。
初期費用は高くなりますが、塗り替え回数を減らせるため、長く住む予定なら検討する価値があります。

耐用年数・環境・デザイン性を踏まえた選択が重要

塗料選びは単純な価格比較ではなく、以下の要素を総合的に判断する必要があります。

  • 耐用年数
  • 環境条件(立地や気候特性)
  • デザイン性
  • 外壁材(既存の外壁との相性)
  • 予算(初期費用とランニングコスト)

信頼できる業者に相談し、複数の見積もりを比較しながら、自分の住まいに最適な塗料を選びましょう。
以上、外壁塗装における塗料の選び方をお伝えいたしました。
ぜひ参考になさってください。

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