シンクを交換する費用の相場料金は？タイプ別比較

日常的に使うキッチンのシンクは、清潔に保ちたいものの、長年使用するとどうしても汚れや傷みが蓄積してしまいます。

そのため、シンク部分だけを交換できるのか気になる方も多いでしょう。

条件が合えば、シンクのみの交換が可能で、工事費用も比較的安く、数時間で作業が完了することが多いため、気軽にリフォームすることができます。

キッチン全体を交換すると100万円以上かかることもあり、費用を抑えたい場合にはシンク交換が有効です。

本記事では、シンク交換にかかる費用相場をタイプ別に解説していますので、ぜひ参考にしてください。

シンク交換の費用相場とタイプ別価格例

キッチンのシンク交換にかかる費用の目安は、10万円〜35万円程度です。本体価格と工事費を合わせた金額で、キッチンの種類や状態によって変動します。

• シンクのみを交換する場合:10万〜20万円程度
• ワークトップとシンクを両方交換する場合:20万〜30万円前後
• セクショナルキッチンで流し台を交換する場合:5万〜30万円前後

「セクショナルキッチン」とは、流し台やコンロ台、収納などのパーツがそれぞれ独立して配置されているキッチンのことです。

シンク単体での交換は、本体価格自体は比較的安価で、施工費は2〜3万円程度が目安です。

ただし注意点もあります。

ステンレスのワークトップ一体型のシステムキッチンは、シンクとカウンターが一枚板で作られているため、シンク単体の交換はできません。
シンクと下部収納が一体型のキッチンも、シンクのみの交換は不可能です。

まずは自宅キッチンの構造を確認し、交換可能かどうかを判断することが大切です。

同サイズのシンクに交換するケース

参考)https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/shiera/parts/parts04/

同じサイズのシンクへ取り替える場合の費用は、おおむね10万円～20万円ほどになるとされており、この金額にはシンク本体と工事費用が含まれます。

サイズや規格が合う製品が見つかれば基本的に交換が可能となり、作業内容も比較的単純なため、工事にかかる時間は半日から1日ほどで終わるケースが多いです。

また、造作キッチンのようにカウンターの天板に四角い開口部を設け、その部分にシンクを載せる構造のタイプであれば、シンク部分だけを入れ替えることができます。

同サイズ交換のメリットと注意点

メリット

• 工期が比較的短い
• 交換コストを抑えることができる

注意点

• レイアウト改善の目的では効果が薄い
• 収納性の向上は限定的

システムキッチンのシンクサイズは、メーカーごとに異なり、同じシステムキッチンでもすべての製品が統一された大きさになっているわけではありません。

ファミリータイプのシステムキッチンの場合、おおよそのシンクのサイズはある程度の目安があります。奥行についてはどのメーカーでもおおむね50センチ前後で、差はあまり大きくありません。

しかし、シンクの横幅は製品によって大きく異なり、場合によっては20センチ以上も差が出ることがあります。

そのため、どのサイズのシンクを選ぶかによって、キッチンの使い勝手や作業のしやすさは大きく変わることになります。

サイズアップ対応のシンクに交換するケース

参考)https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/richelle/price/price03/

キッチンのサイズアップに伴うシンクの交換費用相場は、20万円〜30万円前後となります。

これまでより広いキッチンスペースになることで、調理スペースの確保や収納スペースの確保につながり、利便性が向上されます。

サイズアップ交換のメリットと注意点

メリット

• より大きな調理器具を洗いやすくなる
• 作業スペースが広がり、より衛生的な仕分けができるようになる
• 動線のストレスが減り、一度に複数の作業が進められる

注意点

• 天板加工やキャビネットの調整が必要

シンクのスペースが狭いキッチンでは、作業スペースの不足が非常に目立つ問題となります。

さらに、家電や食器、収納ラックなどが場所をとることで、洗った食器の置き場が足りず雑然としやすくなることで、結果的に調理のしやすさや利便性が大きく低下してしまいます。

ワークトップ(天板)とセットで交換するケース

参考)https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/feature/worktop/

ワークトップとセットでシンクを交換する場合、費用相場は30万円〜35万円前後となります。

ステンレス製のワークトップを採用しているシステムキッチンでは、シンクとカウンターが一体の天板で作られていることが多く、このタイプのキッチンではシンクだけを交換することはできません。

天板を交換する場合の費用は、素材やサイズ、デザイン、作業の難易度、施工地域などさまざまな要素によって変動します。

そのため、天板交換を検討する際には、複数の業者から見積もりを取り、具体的な条件や希望に沿って予算を検討することが大切です。

また、天板の種類が多いことも特徴となっており、種類ごとの特徴は以下の通りとなります。

• ステンレス:錆びにくく、熱や衝撃にも強いが、傷がつくと補修が難しく、使用年数が経つと表面の光沢が薄れてしまう点がデメリット
• 人工大理石:耐水性や耐汚性に優れており、デザインのバリエーションも豊富だが、耐熱性は他の素材に比べて高くないため、熱い調理器具を長時間置くと変色や変形の可能性がある
• 人造石:硬度が高く、衝撃に強いが、重量が比較的重く、サイズや設置場所によっては床の補強工事が必要になる場合もある
• セラミック:美しい見た目と高い機能性を備えていますが、表面硬度が非常に高いため、現地での微調整が難しい
• 木材:温かみや自然な風合いがあり、使い込むほど色味や質感が深まるが、機能性は他の素材に比べて劣る

素材ごとにメリット･デメリットが異なるため、耐久性や耐熱性などを比較の目安としてキッチンレイアウトと合うものを選ぶと良いでしょう。

ワークトップとセット交換のメリットと注意点

メリット

• セラミックや人工大理石など、見た目に高級感があるものが選べる
• ステンレスなど錆びにくい素材を選べば、長期的に利用できる

注意点

• シンクのみの交換ができないため、費用が高額になる傾向がある
• ステンレスや人工大理石などは耐久性が低く、傷がつきやすい
• 木材など耐熱性に不安がある素材のものもある

さらに、天板の幅や奥行き、キッチンのレイアウトによっても費用は変わってきます。

フラットな天板だけでなく、シンク周りやコンロ周辺などワークトップ以外の部分も交換する場合は、加工費がオプションとして加わることもあります。

予算と希望に応じて、最適な素材やサイズを選ぶことが大切です。

シンク交換を検討する際のポイント

シンク素材の特徴を把握しておく

シンクを交換する際は、素材ごとの特性や注意点を理解しておくことが大切です。

ステンレスは耐久性や耐熱性に優れ、サビに強くお手入れも比較的簡単です。

ただし、使用年数が経つにつれて表面の光沢が薄れていくことがあります。

デザイン面ではやや無機質な印象になりやすいですが、表面に凹凸をつけた「エンボス加工」や細いライン状の「ヘアライン加工」を施すことで、見た目の雰囲気を変えることができます。

人工大理石は耐衝撃性に優れていますが、熱や液体によってシミや変色が起きることがあり、衝撃によってヒビが入ったり割れたりする可能性がある点には注意が必要です。

セラミック加工されたステンレスの場合、コーティングによって耐久性は高まりますが、年月が経つと表面の塗装が剥がれてしまうことがあります。

排水位置を確認

シンクを交換する際には、新しいシンクと既存の排水口の位置が合っているかを確認することが非常に重要です。

位置が合わない場合は、配管工事が必要となり、当初想定していた費用よりも高くなることがあります。

排水口の位置を無視して使用すると、水漏れの原因になる可能性が高いため、交換前に必ず排水口の位置や配管の状況をチェックしておくことが大切です。

天板に劣化がある場合はセット交換も視野に

シンク交換を検討する際に、天板に傷や歪みがある場合や劣化が進んでいる場合は、シンクと天板をセットで交換した方が将来的に費用を抑えられるケースがあります。

天板は素材の種類が豊富で、機能性や耐久性、デザイン性などの選択肢が広い反面、原材料費の高騰や工事業者の都合により、将来的に交換費用が高くなることも考えられます。

そのため、現状の劣化具合を見て、シンクと天板をまとめて交換するかどうかを検討することで、長期的なコストを抑えることが可能です。

まとめ

シンク交換における費用相場について解説しました。

シンク交換にかかる費用の相場は10万円〜35万円となります。

ただし、シンクの素材やサイズ、食洗機などの周辺設備をあわせて設置するかによっても費用は変動するため、まずはシンクの使用スタイルやキッチンの設備、レイアウトなどをしっかりと把握した上で依頼すると良いでしょう。