外壁を張り替えする費用の相場料金は?タイプ別比較
住宅の外壁は風雨や紫外線にさらされ続けるため、築年数とともに確実に劣化が進行します。
外壁材の種類や劣化状況によっては、塗装だけでは対応できず張り替えが必要になるケースも少なくありません。
この記事では、外壁を張り替える際の費用相場と、代表的な外壁材ごとの価格例を詳しく解説いたします。
外壁張り替えの費用相場とタイプ別価格例
外壁張り替えの費用相場は1㎡あたり20,000〜40,000円前後が目安となります。
この費用には以下の項目が含まれています。
- 既存外壁の撤去・処分費
- 防水シート・下地材の補修費
- 新しい外壁材の材料費
- 施工費(取り付け工賃)
- 足場設置費
- 諸経費
費用が変動する主な要因は以下の通りです。
- 選択する外壁材の種類とグレード
- 既存外壁の劣化程度
- 下地の補修範囲
- 建物の形状や階数
- 施工業者による工賃の違い
金属サイディングへ張り替えるケース
金属サイディングは軽量で耐震性に優れており、近年外壁リフォームで主流となっている外壁材です。
費用相場は、1㎡あたり25,000〜35,000円前後です。
内訳としては以下の通りです。
- 金属サイディング本体
- 施工費
- 既存外壁撤去費
- 透湿防水シート
- 水切り金物
- 諸経費
金属サイディング張り替えのメリットと注意点
主なメリット
- 錆びに強くメンテナンス性に優れている
- 軽量のため建物への負担が少ない
- 断熱材一体型の製品も展開している
- 塩害地域でも次世代ガルバリウム鋼板なら対応できる
- 他の外壁材と比較して工期が短い
注意すべきポイント
- 雨音が響きやすいため断熱材併用が望ましい
- デザインバリエーションは窯業系より限定的
- 海沿いなど塩害地域では錆びに強い素材選びが重要
- 傷が目立ちやすい素材がある
窯業系サイディングへ張り替えるケース
窯業系サイディングは日本の住宅で最も多く採用されている外壁材で、デザインが豊富でコストバランスに優れています。
費用相場は1㎡あたり20,000〜30,000円前後です。
内訳は以下の通りです。
- 窯業系サイディング本体
- 施工費
- 既存外壁撤去費
- 透湿防水シート
- 役物・シーリング材
窯業系サイディング張り替えのメリットと注意点
主なメリット
- 耐火性が高く「防火外壁材」として認定されている
- レンガ調・タイル調・石目調など多彩なデザインが揃う
- 大量生産されているため比較的安価で入手できる
- 施工が容易で工期を短縮できる
- 市場シェアが高く多くの業者が施工可能
注意すべきポイント
- 経年で塗膜の防水性が低下するため定期的なメンテナンスが必要
- シーリングの劣化に注意し5〜10年で打ち替えが必要
- 金属系と比較するとやや重量がある
モルタル外壁へ塗り替えるケース
モルタル外壁は職人が左官仕上げで施工するため、重厚感のある独特の外観が得られる外壁材です。
費用相場は1㎡あたり30,000〜40,000円前後です。
内訳は以下の通りです。
- モルタル材料費
- 左官施工費
- 既存外壁撤去費
- ラス下地・防水シート
- 仕上げ塗装費
モルタル塗り替えのメリットと注意点
主なメリット
- 継ぎ目がなく統一感のある美しい外観に仕上がる
- 職人技による自由度の高いデザインが可能
- 複雑な形状の建物でも柔軟に対応できる
- 不燃材料として認定され耐火性・防火性に優れる
- 金属と比較して遮熱性が高く室温上昇を抑えられる
注意すべきポイント
- 他の外壁材より工期が長くなりやすい(3〜4週間以上)
- ひび割れ(クラック)が発生しやすく定期的な補修が必須
- 乾燥と湿潤の繰り返しによる劣化が起こりやすい
- 熟練した左官職人が重要
- 表面の凹凸により汚れが付きやすく清掃の手間がかかる
外壁張り替えを検討する際のポイント
外壁張り替え工事を成功させるには、次のポイントを押さえることが重要です。
既存外壁の下地劣化(腐食・浮き)を診断
外壁のリフォームでは、表面だけを見るのではなく、下地の状態をしっかり確認することが不可欠です。
下地まで点検して補修できる体制が整っているかどうかも重要なポイントになります。
また、雨水の浸入によって構造材が腐食していないか、さらにひび割れから内部へ湿気が入り込んでいないかなども丁寧にチェックする必要があります。
防水シートが劣化している際は必ず交換
透湿防水シートは、外壁における最終的な防水ラインとしてとても重要な役割を果たします。
経年劣化した防水シートは性能が低下してしまうため、リフォーム時には必ず新品へ張り替えることが必要です。
張り替え費用の目安はおおよそ1㎡あたり600〜800円程度とされています。
適切な施工を行うことで、雨漏りのリスクを大幅に減らすことができます。
地域特性(寒冷地・海沿い)に合う素材を選定
外壁の素材を選ぶ際は、地域ごとの気候や環境に合わせた素材選びがとても重要です。
寒冷地では凍害に強い金属サイディングが推奨され、海沿いのエリアでは錆びに強い次世代ガルバリウム鋼板を選ぶことをおすすめします。
また、台風が多い地域では耐風性に優れた施工方法を採用することで被害を抑えられます。
日当たりや湿気といった周辺環境も考慮し、建物に最適な外壁材を選択することが大切です。
複数業者から相見積もりを取る
外壁リフォームを検討する際は、最低でも3社から見積もりを取り、内容を比較することが大切です。
その際、見積書の項目や内訳が細かく記載されているかどうかもしっかり確認しましょう。
極端に価格が安い業者は、手抜き工事につながるリスクがあるため注意が必要です。
最終的には、施工実績が豊富で、保証制度がしっかりしている信頼できる業者を選ぶことが安心につながります。
まとめ
外壁張り替え費用は1㎡あたり20,000〜40,000円前後が目安です。
素材ごとに耐久性とデザイン性が大きく異なり、金属サイディングは軽量で耐震性に優れメンテナンス性が高い一方、窯業系サイディングはデザインが豊富でコストバランスに優れています。モ
ルタル外壁は職人仕上げで重厚感ある外観が得られますが、工期が長くひび割れ対策が必須となります。
下地の劣化状況に合わせた適切な工法選びが成功のカギです。
表面だけではなく、下地や防水シートの状態を正確に診断し、建物の長寿命化につながる施工を心がけましょう。
また地域特性や予算を考慮しながら、複数業者から見積もりを取って慎重に比較検討することも重要です。
ぜひこの記事を参考に、最適な外壁張り替え実現させてください。