和室をリビングと一体化する費用の相場料金は?タイプ別比較
和室とリビングを一体化するリフォームは、住空間を有効活用できる人気の工事です。
この記事では一体化リフォームの費用相場をタイプ別に詳しく解説します。
和室とリビングを一体化するリフォームの費用相場
和室とリビングを一体化するリフォームの費用相場は300,000円~1,500,000円前後です。
工事内容や改修範囲によって費用が大きく変動します。
壁・床・天井など、どこまで手を加えるかで金額が変わってきます。
間仕切り撤去タイプ
襖や引き戸を外して空間をつなげる簡易工事です。
壁の撤去や建具の取り外しを行い、リビングと和室の間が開放的になります。
費用は300,000円~500,000円前後が相場です。
主な工事内容は以下の通りです。
- 間仕切り壁・建具の撤去
- 撤去部分の床・天井補修
- 壁紙の部分貼り替え
- 照明・コンセント移設
このタイプは、リビング側の内装はそのまま活かし、和室部分の最低限の改修で済ませるため、比較的低予算で実施できます。
間仕切り撤去タイプのメリットと注意点
メリット
- 短工期(3~7日程度)で開放的な空間をつくれる
- 他のタイプと比べて費用を抑えられる
- 耐震補強が不要なケースが多い
- 工事中の騒音や振動が少ない
注意点
- 天井や床の段差処理が必要になる場合がある
- 和室とリビングの内装に色味の違いが残りやすい
- 既存の壁紙の劣化が目立つことがある
- 完全な一体感を出すには限界がある
床・天井統一タイプ
畳をフローリングに変更し段差を解消、内装をリビングに統一するリフォームです。
床材・壁紙・天井を統一することで、一体感のある空間を実現します。
費用は600,000円~1,000,000円前後が相場です。
工事内容は以下の通りです。
- 畳撤去・フローリング施工
- 床の高さ調整・下地工事
- 天井工事(下地組み直し・クロス)
- 壁工事(真壁から大壁へ・クロス貼り替え)
- 建具交換(襖・障子から洋室建具へ)
リビング側の床や壁も一緒に張り替える場合は、さらに600,000円~1,000,000円程度の費用が上乗せされます。
床・天井統一タイプのメリットと注意点
メリット
- 一体感が生まれ、明るく広々とした印象になる
- フローリングで統一すれば掃除が楽になる
- 家具の配置やインテリアの自由度が高まる
- 畳や障子のメンテナンス費用が不要になる
注意点
- 床下断熱材の有無によって冷えを感じる場合がある
- 既存リビングと新しい床材で色味に差が出ることがある
- マンションの場合は遮音規定を満たすフローリング材が必要
- 工期が1.5~2か月程度かかる場合がある
構造補強タイプ
柱や壁を撤去して広い空間を確保する本格リフォームです。
耐力壁以外の柱や間仕切り壁を撤去し、LDK全体を一つの大きな空間にします。
費用は1,000,000円~1,500,000円前後が相場です。
主な工事内容と費用の内訳は以下の通りです。
- 構造壁の撤去・補強工事
- 床・天井・壁の全面改修
- 梁の補強・構造材の追加
- 電気・照明設備の全面再設計
構造上重要な壁(耐力壁)を撤去する場合は、耐震補強が必須となり追加費用が発生します。マンションの場合は管理規約の確認と管理組合の承認が必要です。
構造補強タイプのメリットと注意点
メリット
- LDK全体を開放的にでき、間取りの自由度が高い
- 天井や床の段差も完全に解消できる
- 新築のような仕上がりになる
- 家族構成の変化に合わせた自由な空間設計が可能
注意点
- 耐震補強が必要になるケースがあり費用が上がる
- 耐力壁は撤去できないため事前の構造確認が必須
- 工期が長く(1.5~3か月程度)仮住まいが必要な場合がある
- マンションでは管理規約により制限を受ける可能性がある
和室リビング一体化リフォームを検討する際のポイント
一体化リフォームを成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
床の高さ・素材・色味を統一して一体感を出す
和室とリビングを自然につなげるためには、床の統一が最も重要です。
- 床の高さ調整:畳とフローリングでは厚みが異なるため、レベル調整の下地工事が必要
- 素材の選択:リビングと同じフローリング材を選ぶのが理想的だが、廃盤の場合は色味を合わせる
- 見切り材の活用:新旧フローリングの境目には見切り材を設置し、自然な仕上がりに
- 段差の解消:バリアフリー化も兼ねて段差を完全に解消すると快適性が向上
既存リビングのフローリングが経年劣化している場合は、和室部分だけ新しくすると色の違いが目立ちます。
一体感を重視するなら、リビング側の床も一緒に張り替えることをおすすめします。
照明計画やコンセント位置の再設計を行う
空間が広くなることで、照明やコンセントの配置も見直しが必要です。
- 照明計画:和室にあった吊り照明は撤去し、ダウンライトやシーリングライトで統一
- 照明の数・位置:広くなった空間に合わせて適切な明るさを確保
- コンセント増設:新しい家具配置に合わせてコンセントを追加
- スイッチ位置の変更:動線に合わせた使いやすい位置に再配置
特に和室側に窓が多い場合は、日差しの入り方が変わります。
遮光カーテンやブラインドの設置も併せて検討しましょう。
冷暖房効率が下がらないよう断熱対策を検討する
空間が広くなると、冷暖房効率が低下する可能性があります。
- エアコンの能力確認:広くなった畳数に対応できるか確認が必要
- エアコンの追加・交換:必要に応じて能力の高い機種への変更を検討
- 断熱材の補充:床下や壁内に断熱材を追加して冷暖房効率を維持
- 窓の断熱対策:二重窓やペアガラスへの交換も効果的
和室の床下に断熱材が入っていない場合、フローリングに変更すると冷えを感じやすくなります。
床の張り替え時に断熱材を入れることで、快適性を保つことができます。
まとめ
和室リビング一体化リフォームの費用は300,000円~1,500,000円前後が目安となります。
間仕切り撤去タイプは低予算で開放感を得られ、床・天井統一タイプは一体感のある空間を実現し、構造補強タイプは間取りの自由度が高いという特徴があります。
一体化リフォームで得られるメリットは以下の通りです。
- 開放感の向上:広々とした空間で家族がゆったり過ごせる
- 快適性の向上:採光面が広がり明るく風通しの良い空間に
- デザイン性の向上:統一感のあるおしゃれなLDKを実現
- 利便性の向上:掃除やメンテナンスの手間が軽減
構造と断熱を考慮した設計で快適なリビング空間を実現しましょう。
リフォーム前には必ず複数の業者から見積もりを取り、工事内容の明細を確認することが重要です。
マンションの場合は管理規約の確認と管理組合への事前相談を忘れずに行いましょう。
和室とリビングの一体化は、家族構成の変化やライフスタイルに合わせて住空間を有効活用できる効果的なリフォームです。
費用相場を参考に、ご自宅に最適なプランを検討してみてください。