二重窓リフォームの費用相場と後悔するケース5選は?
二重窓リフォームは断熱性や防音性を高める効果的な方法です。
しかし、実際に施工してから「こんなはずじゃなかった」と後悔することもないとは言い切れません。
この記事では、二重窓リフォームで後悔しやすいポイントと、そのメリット・デメリット、さらには費用相場まで詳しく解説します。
リフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
二重窓リフォームで後悔しやすいポイント
二重窓リフォームを行った後に後悔する主な理由としては、主に以下の5つが考えられます。
開閉が二重になり手間がかかる
二重窓にすると、窓を開けるたびに内窓と外窓の両方を開閉する必要があります。
- 換気のたびに2回開け閉めするのが面倒
- 急いでいるときにストレスを感じる
- 高齢者や小さな子どもの負担になる
特に頻繁に窓を開け閉めする部屋では、この手間が想像以上に煩わしく感じられるケースがあるでしょう。
窓の掃除がしにくくなる
窓が二重になることで、掃除する面積が単純に2倍になります。
- 内窓と外窓の間に埃やゴミが溜まりやすい
- 両方の窓を外さないと隅々まで掃除できない
- 窓枠が増えることで拭き掃除の手間が増加
特に内窓と外窓の間のスペースは手が届きにくく、掃除を怠ると衛生面でもよくありません。
思ったほど防音効果や断熱効果が得られないケースがある
二重窓にしたからといって、必ずしも期待通りの効果が得られるとは限りません。
- ガラスの種類や厚みが不適切だった
- 隙間が多く気密性が十分でない
- 元の窓の状態が悪く、二重窓だけでは改善しきれない
- 防音を期待したのに低音域の音は防げなかった
「高いお金を払ったのに効果を実感できない」という不満は、後悔の大きな原因となります。
結露対策が不十分で効果を感じにくい場合がある
二重窓は結露対策として有効ですが、すべてのケースで結露がなくなるわけではありません。
- 室内の湿度が高すぎると内窓側に結露が発生する恐れがある
- 換気不足で結露が改善されない
- 断熱性能の低いガラスを選んでしまった
結露対策として二重窓を導入したのに、期待外れだったというケースも珍しくありません。
部屋が狭く感じることがある
内窓を設置することで、窓枠が室内側に張り出します。
- 窓際のスペースが数センチ狭くなる
- 窓周りが煩雑になる
- 圧迫感を感じる場合がある
特に元々狭い部屋では、わずかな空間の減少でも圧迫感につながることがあります。
二重窓リフォームのメリット(後悔との比較)
後悔するポイントがある一方で、二重窓リフォームには多くのメリットもあります。デメリットと比較して検討することが重要です。
断熱性能が高まり冷暖房効率が改善
二重窓の最大のメリットは、断熱性能の向上です。
- 夏の暑さや冬の寒さを軽減できる
- エアコンや暖房の効きが良くなる
- 電気代の節約につながる(年間で数万円の削減につながることも)
- 結露が減ることで快適な室内環境を維持
適切に施工すれば、光熱費の削減効果で数年でリフォーム費用を回収できることも可能です。
防音効果で静かな生活環境を実現
二重窓にすることで、外部からの騒音を大幅に軽減できます。
- 交通量の多い道路沿いでも静かに過ごせる
- 隣家や上下階の生活音が気にならなくなる
- 在宅ワークの邪魔にならない
ただし、完全な防音を求める場合は、ガラスの種類や厚みの選定が重要になります。
結露防止でカビや劣化を防げる
結露が減ることで、住まいの健康面でもメリットがあります。
- カビの発生を抑制できる
- 窓枠や壁の劣化を防げる
- アレルギー対策になる
- 窓周りの掃除が楽になる
特に結露がひどい北側の部屋や寝室では、大きな改善効果が期待できます。
防犯性が向上する
窓が二重になることで、防犯面でも効果があります。
- 侵入に時間がかかる
- 窓を割る音が二重に響くため抑止力になる
- 一階や人通りの少ない場所の窓に特に有効
完全な防犯対策にはなりませんが、補助的な効果として期待できます。
補助金や助成金の対象になることがある
二重窓リフォームは、省エネ対策として自治体の補助金対象になることがあります。
- 国の住宅エコリフォーム補助金
- 自治体独自の補助制度
- 最大で工事費用の数十パーセントが補助されるケースも
- 条件や期間が限定されているため事前確認が必要
補助金を活用すれば、実質的な費用負担を大幅に軽減できる可能性があります。
二重窓リフォームの費用相場とタイプ別価格例
| タイプ | 価格帯 | メリット | デメリット |
| 内窓(インナーサッシ) 設置 |
50,000〜 150,000円前後 |
・工事が簡単で短期間 ・壁を壊す必要がない ・コスパが高い |
|
| ペアガラス交換 | 100,000〜 200,000円前後 |
・見た目がすっきりする ・部屋が圧迫されない |
・工事がやや大掛かり ・賃貸では原状回復が困難 |
| 高断熱サッシ+二重窓 | 200,000円以上 | ・断熱/気密性能が高い ・長期的な光熱費削減効果 ・住宅の資産価値向上 |
・初期投資が大きい ・外壁工事が必要な場合が ある |
二重窓リフォームの費用は、工法や使用する材料によって大きく異なります。
以下、主な3つのタイプ別に費用相場を紹介します。
相場は1箇所あたり50,000〜200,000円前後
一般的な掃き出し窓や腰高窓の場合、1箇所あたりの費用相場は以下の通りです。
- 小窓(トイレや浴室など):50,000〜80,000円
- 腰高窓(一般的な窓):50,000〜150,000円
- 掃き出し窓(大きな窓):80,000〜200,000円
実際の費用は窓のサイズや選ぶ製品、施工業者によって変動します。
ガラス性能やサッシ材質によって変動
費用を左右する主な要素は以下の通りです。
- ガラスの種類:単板ガラス、ペアガラス、Low-Eガラスなど
- サッシの材質:樹脂製、アルミ製、アルミ樹脂複合など
- 断熱性能:性能が高いほど価格も上がる
- 防音性能:特殊な防音ガラスはさらに高額
目的に応じて最適な組み合わせを選ぶことにより、コストパフォーマンスも向上するでしょう。
内窓(インナーサッシ)設置

参考)https://www.lixil.co.jp/reform/patto/windows_inplus.htm
最も手軽で人気のある二重窓リフォームです。
工事が簡単で短期間で完了
既存の窓に対して、そのまま内側に新しい窓を追加するだけなので、工事は1箇所あたり1〜2時間程度で終わります。
壁を壊す必要がないため、相談次第では賃貸でも可能なケースも少なくありません。
施工後すぐに効果を実感できるのもメリットの一つです。
費用は50,000〜150,000円前後
- 一般的な腰高窓:50,000〜100,000円
- 掃き出し窓:80,000〜150,000円
- 小窓:50,000〜60,000円
最もコストパフォーマンスが高く、初めての二重窓リフォームにおすすめです。
ペアガラス交換

参考)https://www.lixil-online.com/window/exchange-window/double_layer_glass/
既存の窓ガラスを複層ガラスに交換する方法です。
断熱・防音効果は高いが工事はやや大掛かり
ガラスのみを交換するため見た目がすっきりします。
内窓設置よりも部屋は圧迫されない点もメリットです。
サッシごと交換する場合は工事期間が長くなります。
また、賃貸住宅では原状回復が困難です。
費用は100,000〜200,000円前後
- 腰高窓のペアガラス交換:80,000〜150,000円
- 掃き出し窓のペアガラス交換:120,000〜200,000円
- Low-Eガラスなど高機能ガラスの場合はさらに高額
既存のサッシが古い場合は、サッシごと交換を検討する必要があります。
高断熱サッシ+二重窓

参考)https://www.lixil.co.jp/lineup/window_shutter/lixil_window/dannetsu/
窓枠ごと交換する本格的なリフォームです。
断熱・気密性能は最も高い
窓全体を高性能なものに交換するため、断熱性能は最高レベルです。
気密性も大幅に向上し、新築並みの性能を実感できるでしょう。
費用は200,000円以上
- 腰高窓の全交換:150,000〜250,000円
- 掃き出し窓の全交換:200,000〜400,000円
- 外壁工事が必要な場合はさらに高額
初期投資は大きいですが、長期的な光熱費削減効果や住宅の資産価値向上を考えると、検討する価値は十分にあります。
まとめ
二重窓リフォームは、正しく理解して施工すれば快適な住環境を実現できる効果的な方法です。
後悔する主な理由としては、
- 開閉の手間が想像以上に煩わしい
- 掃除の負担が増える
- 期待した効果が得られない
- 結露が完全にはなくならない
- 部屋が狭く感じる
などがあげられます。
また、後悔しないためのポイントとしては、
- 目的を明確にし、断熱、防音、結露対策など、何を優先するか決める
- 複数の業者から見積もりを取り、適正価格を把握する
- ガラスやサッシの性能をしっかり確認する
- 施工実績の豊富な業者を選ぶ
- 補助金制度を活用する
などといった部分に着目しましょう。
メリットとデメリットを正しく理解し、自分の住まいに合った工法を選ぶことで、満足度の高いリフォームを実現できるはずです。
信頼できる業者に適切な依頼をし、適切な工事をしてもらい、満足のいく二重窓を設置しましょう。